<1437> 寒 波 の 一 日
冬日差し入る間明るき 籠り部屋
寒波の勢いで、大和地方は寒い一日になった。殊に北西の季節風が強く、ひねもす虎落笛(もはりぶえ)が聞かれ、一層寒さを引き立てた。流れ行く雲の勢いも激しく、晴れたり曇ったりで、雨にはならなかったが、この木枯らしの寒風とともに冬の到来が感じられた。そう言えば、すでに師走、大雪も近い。
足早に流れ行く雲の影響で、日が差したり、翳ったりする一日で、日が差して来れば、室内はぱっと明るくなり、翳ると暗くなるという具合であった。表通りには人影もなく、強風に飛ばされた落葉が舞うばかりである。木枯らしとはよく言ったもので、隣家の柿の木はすっかり葉を落とし、裸木に近くなった。 写真は冬日の差した障子(左)と空を被う冬の雲(右)。
冬雲に 被はれし町 潜みゐる
虎落笛 間断なきに 夕暮るる
寒かろう どっこい烏は 屋根の上
一心が よろし師走を 走る人
潜む町 木枯らしひゅーひゅー 襲ひ来る