大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2015年12月11日 | 写詩・写歌・写俳

<1444> 鴨 の 群

        一定の 距離を保ちて 鴨の群

 奈良盆地の中央より少し西に当たる広陵町から河合町にかけての丘陵地にその地形を生かした広大な公園がある。県立馬見丘陵公園で、園内に点在する古墳や池も取り込んで自然を生かしているのが特徴である。池には水鳥が生息するが、冬場になるとカモの類が飛来して来る。

 私は自然が生かされた二つ並んだ周囲が二キロほどの池の周りを歩くのが楽しみで、ときおりカメラを持ってこの公園を訪れる。今の時期にはカモの類など水鳥が多く来ている。鳥たちはそれぞれに位置を占め、或は群れをつくり、或は一羽気ままに孤独を味わっているという姿が見られる。その姿はさまざまながら、池を安堵の場所として過している様子がうかがえる。

             

 カモの仲間は群れか、でなければ、つがいでいつも行動しているものが多いが、カルガモやコガモのように案外近くまで来る類があるかと思えば、岸から一定の距離をおいて近づかないマガモやホシハジロのような警戒心の強い類もいる。急に近付くと飛び立つが、徐々に近づいて行くと、徐に泳ぎ去って行くという風である。

  ときには迷鳥も姿を見せるが、マガモ、コガモ、カルガモ、ホシハジロなどはここを常の池にしているのだろう。ときには群れで餌を漁る光景も見られる。ほかには、カワウ、バン、クイナ、アオサギといった水鳥が見られる。私はまだ目撃していないが、オシドリもときにやって来るという。

 周囲に緑が多く、山野の鳥も見られ、ウグイス、メジロ、シジュウカラ、モズ、ヒヨドリ、シメ、カラス、カワセミ、セグロセキレイ、スズメ、ツバメ、ムクドリ、ツグミ、ジョウビタキ、ヒバリ等々を目撃している。思いつくままあげてみたが、まだ、ほかにもいるだろう。言わば、この池の辺りは鳥たちの楽園であるのがわかる。教訓:生は安心を好む。という次第で、安心が楽園に通じていると言ってよい。 写真はペアで泳ぐマガモたち(左)と池の中央付近で休むホシハジロの群(右)。