大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2012年01月25日 | 写詩・写歌・写俳

<145> 冬 の 山 里
        山肌に 日が差し当たると 沈んでいた木々の梢が さっと輝く
       小鳥たちは田んぼへ 落ち穂でも拾いに出かけたか
       どこにも姿が見えない 声も聞こえて来ない
       手拭いで頬かむりした老爺が一人 橡を伐り始めた
       椎茸の榾木にでもするのだろう すでに相当数を積み上げている
       今日一日どこまでなのか 新しい伐り株が幾つか見える
       小さい生きものたちはどこに潜んでいるのだろう
       この冬の山のどこかにいるはずである 見えるのは老爺一人
       小さい生きものたちの中で いの一番に出て来るのは
       天道虫だろうか 鶯だろうか 木五倍子の花も見られよう 梅の花も
       まだ 風は肌に冷たく 私の足の先はじんじんと冷えまさる
       だが 賑やかになるのは もうすぐのこと 冬の先には春 春がある

  今日は奈良市郊外に出かけた。山里に車を走らせ、里山の周辺を歩いてみた。体調はよくなったが、体が鈍って少しきつかった。寒は今が一番の時期か。関東以北や日本海側は大雪のようである。 だが、暖かな地方のどこかでサクラ(カワズザクラ)が咲き始めたというニュースがあるなど春の息吹も聞こえて来る。