<127> 冬 の 雲
黒雲に 圧せられゐる 枯野かな
六日は二十四節季の小寒で、一段と寒さが増して来た感じがする。今日は七草粥の日だが、一昨日あたりから体調が思わしくなく、食欲がないうえ、 時に吐き気を催し、便もおかしくなった。どうもロタかノロかウイルスにやられたようである。 ということで、昨日一日よく睡眠をとったところ今日は大分ましになったが、回復はまだ十分でない。
昨日は七草粥の日を前に、本格的お粥になってしまったが、 そのお粥も茶碗に半分ほどしか食べられなかった。正月三日にお客があり、 ロタとノロの話があった。 暮れに幼い子供が罹ったということで多少は気になっていたのであるが、大人は大丈夫ということで、それほど注意はしていなかった。 しかし、 私自身がおかしくなって思い返せば、 その子の周辺でみな同じような症状が出ているのはやはり、 ロタかノロか、それだろうという気になって来た。
それに、このところの冷え込みも影響しているに違いない。医者に掛かるほどでもなく、今日もそういうことで横になって過ごすことになった。横になると、窓から湧き上がって流れ行く冬の雲が見られた。目を閉じると芭蕉の「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」という句が浮かんで来た。で、思い巡らせるうち冒頭の句が生まれた。