世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

鯥(ムツ)・本ムツ・黒ムツ・赤ムツ(のどくろ)

2017年03月01日 22時00分49秒 | Weblog

       本ムツ

ムツ(本ムツ・黒ムツ・赤ムツ)
【語源】
ムツというのは四国地方の方言の「ムツコイ」に由来すると言われ
ます。これは味が濃いとか、しつこい、脂っこいという意味だそう
です。
現在では魚の脂をことのほか高く評価しますが、昔は旨味が評価の
基準で、脂はマイナス材料だったようです。
マグロにおいてもトロの部分は猫もまたぐとされ、捨てられていた
そうです~!もったいない話ですね~!



      黒むつ



       黒ムツの幽庵焼き


【旬】
ムツと呼ばれる魚は3種類あります。「ムツ(本ムツ)」と「クロム
ツ」・「アカムツ(ノドクロ)」です。
旬はすべて冬です。


     赤むつ


         赤ムツ(ノドクロ)の焼き物




       のどくろの炙り寿司


しかし、アカムツ(のどくろ)だけは別物。本ムツとクロムツはスズキ
目ムツ科ムツ属ですが、アカムツはスズキ目スズキ科アカムツ属の魚
です。


      ノドクロの煮付け


ちなみに、一昔前まで鮮魚売場で見かけた「銀むつ」と言う魚・・・
実は、あやかり「ムツ」で、今は「メロ」という標準和名で、販売
されています~!


      赤むつ(のどくろ)


         

        ノドクロの塩焼き






        黒ムツの塩焼き


【うんちく】
アカムツ(のどくろ)は字の通り、体色が赤です。
ムツとクロムツは非常に似通っており、市場においても区別なく
流通しているあり様。
見分け方は、体色がやや茶色がかっているのがムツ(本ムツ)。
紫がかった黒色をしているのがクロムツです。

また、細かい話になりますが、側線の上に並ぶウロコの数が58枚以下
なのがムツ(本ムツ)。60枚以上がクロムツだそうです。



    ノドクロ(アカムツ)のにぎり寿司



        のどくろ(赤ムツ)の炙りにぎり寿司



ムツ(本ムツ)とアカムツ(ノドクロ)は北海道以南の日本近海、
朝鮮半島南部から台湾北部の東シナ海に、クロムツは北海道南部から
駿河湾、新島にかけての太平洋沿岸域に分布しています。
水深200~700mの岩礁域が住み、小魚やエビ・カニ類、イカ類
などを食べます。非常に大食の魚です。
食い溜めができるように大きな胃袋を持っており、これは、餌の少な
い深海で暮らす魚の特徴です。



   本当にノドが黒い「ノドクロ」(赤ムツ)



   対馬のブランドのどくろ 紅瞳の塩焼き


【ブランド・産地】
北陸地方のアカムツ(のどくろ)はブランド化されつつあると言える
でしょう。
特に石川県能登の「ノドクロ」は有名です。

ムツ(本ムツ)・クロムツについてはブランド化はされていません。


          黒ムツの煮付け




     黒ムツのにぎり寿司

【産地ならではの漁師料理】
ムツ・黒ムツは刺身・煮付け、塩焼きなどで、アカムツ(ノドクロ)
は、煮付け、塩焼き、干物などで食されます。


漁師さんは、産卵直前の卵巣「むつこ」を好んで食べます。
煮付けが最高!ご飯がすすみます。


      ムツ子の煮付け

また、クロムツは鍋が最高といいます。新鮮なものは、特に「エラ」
が美味いと・・漁師さんはいいます。

マグロ君としては、アカムツの肝を煮たものも捨てがたいですね~。
濃厚なあの味わいが忘れられません。




         黒ムツの刺身




        赤ムツの肝煮
【栄養と効果・健康】
たんぱく質・脂肪分が多い魚です。
ビタミンでは、カルシュームの吸収を助けるDと動脈硬化や癌を抑制
するAが多目。
細胞を若々しく保つビタミンEも豊富に含んでいます。


また、血液中の中性脂肪やコレステロールを抑え、高血圧を抑制する
DHA・EPAも豊富に含んでいます。

生活習慣病予防には最適の魚。ただ、高価なのが玉にキズですね。


          ノドクロの塩焼き


     ノドクロの刺身


       クロムツの煮付け




        アカムツ(のどくろ)の煮付け





       ノドクロの焼き物











      ノドクロの炙り

   ↑(上)ノドクロの炙りを巻き物にしたものが↓(下)



       のどくろの炙り巻き寿司










          ノドクロの刺身









         黒ムツの刺身









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プロが選んだ・・・・魚の【のれん街】











𩸽(ホッケ)・マホッケ・シマホッケ

2017年03月01日 08時00分25秒 | Weblog


ホッケ

【語源】
ホッケはアイヌ語では「ポッケ」と言います。
漢字では、魚辺に花と書きます。これは、稚魚がコバルト色で、
群れで泳ぐと花の様に美しい為。

北の花→ほくか→ほっけ となったと言う説もあります。
また「ホッケ」という言葉の語源は、日蓮宗の法華経に関わりがある
ともいわれています。



【旬】
旬は冬です。初春までは美味しいです。




       ホッケ茶漬け



       マホッケ

【うんちく】
ホッケには「マホッケ」と呼ばれる種類のものと、「キタノホッケ
(シマホッケ)」と言われる種類があります。

一般的には、マホッケの方が美味しいとされていますが、土地や
食べる人によって評価は違うようです。マグロ君は、魚の旨みは
「マホッケ」。脂ののりは「シマホッケ」だと思いますよ~!

さて、ここではマホッケを中心にうんちくを展開したいと思います。

マホッケは出世魚のように、大きさによって呼び分けます。

15㌢前後の稚魚を「アオボッケ」。25㌢位のを「ローソクボッケ」。
30㌢位のを「マホッケ(ハルボッケ)」。40㌢以上の成魚で岩礁地帯
に住みついたのを「ネボッケ」といいます。

味・脂ののりは、やっぱり「ネボッケ」が最高です。


            真ホッケの刺身



ニシン漁が盛んな頃は、ニシンの卵(数の子)を食べる害魚として
忌み嫌われ、根絶やしにすべきだ・・・とまで言われました。
今となっては、このホッケが数の子を食べていたかどうかは、はっき
りとしませんが、可愛そうな汚名を着せられた時代もありました。



     マホッケ



      マホッケの煮つけ




【ブランド・産地】
主な産地は北海道です。全国の漁獲量の90%を占めます。

ブランド化とまではいきませんが・・・北海道羅臼のマホッケは
最高級品と言われています。



また、開き干しでは、福島県小名浜の「判助の干しホッケ」は最高に
美味しく、ブランド化に近い商品と言えます。

小名浜判助のホッケ干しはこちらで・・・・


      ホッケの飯ずし

【産地ならではの漁師料理】
ホッケで最もポピュラーなのが、開き干しでしょう。
濃厚な脂と肉厚な身がたまりません。しかし、漁師さんは、
「ホッケは刺身だ。」と言います。鮮度の良い物だけしか食べれない
ようですが、「白身のトロ」と呼ばれているとか・・・・!

もう一品は「ホッケの飯ずし」。
食べやすい大きさに切ったホッケとご飯と米麹、生姜、唐辛子、塩、
ニンジンを漬け込んだもの。
10月頃に仕込んで、食べごろは12月から・・・!
ビール、日本酒に最高の一品です。


【栄養と効果・健康】
たんぱく質・脂肪分は比較的少なめ。
ミネラルでは、血圧上昇を抑えるカリウム、骨の原料のリン、貧血を
予防する鉄、亜鉛・銅を多く含む。

ビタミンでは若返りのビタミンと言われるE、赤血球の合成を促す
B12を極めて多く含んでいます。

ビタミンB群のひとつで、ストレスにさらされた時に放出する副腎皮
質ホルモンの合成を助けるパトテン酸も豊富に含みます。

貧血と美容・・・・・女性にお勧めの食材です。


     冷凍シマホッケ




          羅臼のシマホッケ





         マホッケの活造り






          マホッケのしゃぶしゃぶ  












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