湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

4/5 授業が始まったが、まずは災害弱者支援活動の整理を(1)

2013-04-06 07:09:30 | 引きこもり
2013/04/05 記
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災害ボランティアの今後の生活支援、ケア専門職との連携ということを考えていくとき、喫緊の課題であるのが、精神保健・医療のサポート。長引く避難生活と、先の見えない仕事と、目減りしていく家計という高ストレスの状態から、保健・医療上に乗るほどの歪みが被災者から出始めていることだ。孤独死はその最たるものだ。

福島のように、みなし仮設の遠方分散生活をしているときは、なおさらに孤立化が深刻な状態にある。湘南近隣の被災者住宅への当事者の負担にならない範囲の支援は、もちろんなことだ。同時に宮城・岩手への現地滞在型ケア支援を膨らませていくことが、大きな支援構造になる。

ところが非被災地に在って、現地にでかけられない者は、何をしたらいいのだろう。

・ひとつは、連携企画を立て、推進すること。
・もうひとつは、湘南の場合は自分の地域の防災活動と連携させること。

この前者において、現地長期滞在型支援活動を篤志家の自由意思の形にして任せきり放置するのではなく、現地長期滞在活動を孤立化させずに、紹介支援を地元で行い、更なる支援者の登場の道をつくること。現在の支援者の活動支援を持続すること。

もうひとつは、高ストレス・災害弱者の困難へのサポートの道を企画化していくこと。

防災との関連についての言及は、後日に回わすこととして、東北の被災者を決して忘れない支援、ここでは、赤十字カンパのような形ではなく、個別具体的な目的を掲げた直接支援であることが基本になる。

それでは、立ち返って、30数万人の避難生活者に支援を限定したとしても、現地では規模に地域差があるが、被災者緊急雇用事業として、市町村に臨時雇用された仮設巡回相談員たちがいる。核としては、市町村の訪問看護師・保健師さんの地域保健医療活動があり、県と全国自治体からの、応援ケア関連職員のローテーション・サポートがある。しかし実態は、焼け石に水の状態が続いている。家屋・生活道路の修繕等と異なり、支援対象者は「人」であり、その心に立ち入ることになる。

民間の中でも、元看護師のような有資格者の活動ならば、それは全国行政のローテーションに組み込むこともできる。しかし、素人に何ができるだろうか。足湯ひとつとっても、健常者の感覚からは問題がないようにうつるが、高血圧などの持病がある方や、利用時間管理などの健康管理が伴わないと、実は危険。高齢者や体力のない方は注意が必要になる。看護師・保健師・マッサージ師等の有資格者と連携して実現することになる。

健康に余力があり、健康を維持していく活動には、民間支援者からの連携は取りやすい。しかし、昨年春の仮説巡回の場で見たものは、高齢化所帯の二重構造、食事会や共同手作業を集合して行っている企画の主力は、高齢化した嫁世代の集団だった。そこには、親世代が嫁姑の古典的家族問題を背景に、狭い仮設生活で顕在化した家事主導権をめぐる軋轢が、仮設周囲にぽつねんと佇む90代高齢者の存在だったし、その嫁中心集合の中にも入れない高齢者男性の姿。その高齢男性が見えない状況だった。ましてやそこには、単身者・障がい者・傷病者の姿はなく、一見和気藹々の談話の外側に沈黙するひとびとの、隠れた疾病・精神疾患が際立ってきている。まさに外からは、関わりの難しい領域だ。また相対的若手夫婦が抱える二重ローンと安定就労困難と親の介護等、家計と立場の八方塞がり情況は厳としてあることから、ここに向かい合う訪問看護・介護者との連携と言っても、支援者は対話に直接入っていくことではあるまい。子どもの保育環境の課題も然りだ。

中長期的には「過疎化」・「高齢化」・「無医化」という生活環境の問題に立ち向かっていかねばならないが、今は「高ストレス」避難生活の、綱渡り的心身情況に直接・間接連携支援の形を敷いていくことだ。

非被災地からは、大事なキーワードが「民間個別交流」の推進だ。これからの論は、まず「現地長期滞在型ケア支援活動」の紹介・支援活動の件と、専門職連携をまさぐるロビー活動の形成(経験と場面の交流が動き出せば、内実が膨らむ)、民泊を中心にした家族交流の推進活動という多元的なアプローチを徹することだ。

(つづく)


夜間傾聴>**子(8日に会うことに)
     橋本3君(母親)
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(校正2回目済み)

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