通常国会の冒頭「今国会は働き方国会」と銘打った総理の発言。そのポイントは、長時間労働の改善、非正規と正規社員の格差是正、高齢者の就労支援などで、その結果生産性は向上し賃金を上げ消費を促し、景気を回復するなどという、夢を産む内容だった。改革にそぐわない問題の検討段階で、提出されたデータに大きな誤りあり審議は止まった。
追っかけるように、森友学園への国有地売却決裁書が財務省で改ざんという報道がでた。報道先行でその内容が徐々に明かされていたが、国もやっと改ざん内容を明かした。明かされた内容をどう国民は受け取ったか、直後の報道各社の世論調査が如実に示した。改ざんではない書き換えと表現を続ける政府と一部報道機関の姿勢は世論と離れている。
さらにこれを追っかけるように、年金データの不備が指摘され受給者へ大きな迷惑を及ぼした。年金取り扱い組織を変えても中身は変わっていかったことになる。高齢者にとって年金は生活の基盤をなすもので、データ間違いでしただけの問題ではない。この制度は信頼を失うと国の基盤が揺らぐし、後期高齢者数が高齢者数を逆転のなかでしっかり運営して欲しい。
こうして考えると、働き方改革は働くもの自身、特に役所で公務に従事する官公吏の仕事への意識改革がなされ、正確で忖度のない情報を納税者に提供してこそ審議が実を結び生産性が向上する。改革法案はそれからでも遅くない。時に逸脱もあるが民間の多くは常に生産性向上を心掛けている。