夏休みの初日

　台風一過、くっきり晴れた青空。「晴れんにゃあいけんが暑うていけん」、と日傘をさし買い物袋が重そう知り合いの高齢女性が不満そうに愚痴る。「ほんと暑いです」と返事を合わせてすれ違うものの薄くなった頭髪からそれを実感している。

　台風１１号の影響で１学期の修業式が１日早まり、それにつれ夏休みも早まる。子どもらは「もうけた」そんな気持ちになったかもしれない。几帳面にラジオ体操に大勢の子らが集まる。プール学習などの影響か、健康そうに黒く日焼けした子もいる。これから４０日あまり、こうした子どもらの声が楽しみだ。

　身体つきから小学校低学年だろう４０人ほどがサッカーの練習中。通りかかったときは赤と青のゼッケンに分かれ練習試合の最中、監督かコーチか、指導者らしき人の大きな声が飛ぶ。ボールを追う子、攻める子、守る子、どの子も真剣な顔つきだが声を掛けあっている。やがて世界のピッチ、そうゴールラインとタッチラインに囲まれた芝の上に立つ子がいるかもしれない。熱中症になるな。

　氏神様の祇園祭。子どもころに太鼓飾りの山車を大勢で引いた。山車は荷車に積まれ、それに設えられた長い紅白の紐を引いた。引き終っての冷たいラムネ瓶が嬉しかった。最近の山車は時代に見合った軽トラに乗ってお出まし、紐を持つ子らにけがをさせないよう気を使いながら運転をしたことがある。夕方、巡行してくれる神輿に手を合わせ、同道のつづら作りの賽銭箱に賽銭を入れる。この祇園祭が終わるとこの地区の子どもらの夏休みが本格化する。