日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

お斎と母の味

2012年01月30日 | エッセイサロン
2012年01月30日 中国新聞「明窓」掲載

 毎年、年の瀬に「親鸞聖人報恩講」が営まれ、退職後は欠かさずお参りしている。昨年も寒い朝だったが、参拝者で堂内はいっばいだった。法座が終わるとお斎を頂いた。野菜や穀類を中心とする精進料理。この日も地元でとれた新鮮な材料がおいしく調理されていた。このお斎を頂くと肉や魚をそれほど口にできなかった終戦直後の食卓を思い出す。

 わずかな広さの畑で両親が作る大根や玉ネギ、ジャガイモなどがおかずの中心だった。保存できるサツマイモやサトイモもよく並んだ。これらが煮しめや、おひたしになって食卓に上った。キュウリやカボチャ、トマトなど色鮮やかな季節野菜が加わると食欲が増した。

 同じ食材を使いないながら、毎日の食事を工夫していた母はすごかったんだな、とつくづく思う。こうした親の愛情のおかげでひもじい思いはしなかった。

 豊かさが当たり前のようになっている現在、私たちの命をつないでくれている食べ物と、それを作ってくれる人たちへの感謝を忘れてはいないか。お斎を頂き、しばし懐かしい思い出に浸りながら、わが身を振り返らせてもらった。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今日載っていたんですね (金ちゃん)
2012-01-30 12:35:13
朝読む間が無くて(汗)
帰ってからゆっくり読みますね。
ようやく「花水木」を手にしました。今年も期待していますよ~
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ちゃあんと (まな母)
2012-01-30 22:42:47
見つけましたよ。朝一新聞にお名前を^^
?0歳になった息子に味や料理を思い出してもらえるtatu-no-koさんのお母さんは、お母さん冥利に尽きますね。
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金ちゃんさん (tatu_no_ko)
2012-01-31 19:20:57
読まれたら感想をコメントください。
例の自転車も入手ですか。どんな紙面配達なるのでしょうか。
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まな母さん (tatu_no_ko)
2012-01-31 19:23:50
貧乏くさい話しですが腹いっぱい食べれたことに感謝しています。
料理とはいえないでしょうが、味、それは田舎の味でした。
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