日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

あれから21年

2021年07月12日 | 回想

 ある会合で昼食がセットされた。広い部屋にセットされていたのは向かい合わせの席。ドアは3カ所開放、透明なアクリル板が頭よりも高くセットされ、向かい合わせを仕切る。そして隣の席とは酌をしづらいくらい離れている。私を含む大方のメンバーはノンアル、静かな昼食会だった。コロナ禍になって初めての会食だったが配慮された処置に心配せず料理をいただいた。

 会食した会場は、現役の時は仕事でよくお世話になった部屋だが、それとは別に特別な思い出がある。21年前の秋に定年を迎えたが、その年の7月に1回目の送別会がこの部屋だった。本社からのある出張者が「君の送別会をするチャンスがないから」と、仕事外の親しい人も含めて、少し早いが思いがけない送別会を催してもらった。それは錦帯橋を眺められる4階の角のこの部屋だった。

 職場の親睦会による送別会が現役で最後の宴、会場は4階の角、はじめと終わりが同じ部屋というのも何かの縁かと思う。所属長が「職場以外の私のすべての送別会が終わってから」ということで、その日は定年退職日の前日だった。何十回と送ってきたが、わが身の時は想像すらしていなかった。女将さんからの丁寧なごあいさつに驚いた。

 アクリル板で仕切られ、隣席との話も難しく、ただただ箸を動かす。久しぶりの宴会場から錦帯橋を眺めながら、酌み交わし声を出しての歓談したころを懐かしく思い返した。錦帯橋の姿は変わらないが、周囲の樹木が錦帯橋の視界を遮るほど高くなり、時間の過ぎたことを思いしらせる。
コメント (2)
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