現役のころから続く飲み会、高校のクラスメートで市内に住む者の集まりは20年以上かもしれない。数名は彼岸へ渡って寂しくなったが、彼らの分まで盛り上げている。夏はビヤーガーデン、冬は小料理屋で場所は固定、最近は飲み放題なのでいける口の者は会費に気兼ねなく杯を重ねれるが、年々酒量は右下がり、健康や体調への気配りが話の端々に出る。
後継の技術指導者として残留を求められ昨年の春まで勤務した一人が最も長く勤務したことになる。資格保持者でなければできない仕事は、資格取得の教育も必要となり指導には年月を要したという。小企業では技術的後継者を計画的に育てるなどは非常に困難なことを実感する。在職中に工場の安全安定のため「資格取得制度」の規則作成にかかわった。稟議が通過した日、「経費がかさむ」と肩をたたいた経理課長の顔を思い出した。
5人ほどが菜園を楽しんでいる。このところの異常気象に苦労しながらも収穫の喜びをそれぞれが話す。話の内容は土作りから防虫などセミプロ農家かと聞き間違うほど高度な内容に思える。高校時代の姿からは想像できない変身だ。一人が「菜園で儲かるか」と聞くと全員が即座に否定。子や孫に送ったり近所で食べてもらえる喜び、安心で新鮮なものが食べれる、健康で菜園に足を運ぶことなど、話すそれは好々爺。
回を重ねると話は繰り返しもあるが、日々の楽しさが伝わる。熱心に聞いた菜園の話が届いたかのように帰宅直後、採りたての野菜が届けられた。家内の、いただいた野菜を並べる嬉しそうな顔が明日の一品を決めているようだ。