最近は「よく降ります」と週末の雨ふりが挨拶の初めについていた。なにが狙われたのか週末になると天気が崩れ、イベントの関係者はやきもきされたことだろう。今日は久しぶり青い空が見られた。
現役のころ。冬の北陸への出張の朝、どんよりとした雲が見上げる空一面に広がっていた。重い気分を乗せて離陸した飛行機がその雲間に入る。重い気分をさらに膨らませ、不必要な不安さえ感じさせる。どこまで続くのだろう、と思っても窓外に見えるものはない。
突然、真っ青な空と白く輝く雲の絨毯が目に入った。まぶしい。雲間を昇りきった機体が水平に変わった。小型のプロペラ機の客は満席でも20人余り、それでもシートベルト着用のランプが消えると機内の空気が何か軽くなったように感じる。左手に大山の雄姿が見える。
青い空が嫌いな人はまずいないだろう。気分も体調もよく感じる。ぐずついた日和の後の青空は貴重な洗濯日。信号待ちで見えたベランダの干し物の数、にぎやかな家庭がそこに伺え思わず苦笑した。明日も青空という。
(写真:秋たけなわのような青空)