落葉樹は秋から冬にかけて葉が散る。その散った葉のことを落葉という、のは誰もが知っている。公園にはその落葉の溜まり場が見られる。それは舞台裏で出番を待つ役者のようで、風が吹いてくれるのを待ってようだ。
落葉といえば童謡にうたわれた「落葉たき」を思い出す。
♪ (1) 垣根の垣根の 曲がり角 たき火だたき火だ 落葉たき
あたろうか あたろうよ 北風ピープー ふいている
(2) さざんかさざんか 咲いた道 たき火だたき火だ 落葉たき
あたろうか あたろうよ しもやけ おててが もうかゆい
(3) 木枯らし木枯らし 寒い道 たき火だたき火だ 落葉たき
あたろうか あたろうよ 相談しながら 歩いてる ♪
今の子どもたちは都市も地方も含めてあまり目にすることのない光景だろう。やすやすと焚火のできるこの頃ではない。さざんかの垣根は高く積まれたブロック塀に変わり、焚火という風情にもなじまなくなっている。
祖父は寒くなると、登校時間の少し前になるとよく焚火をしてくれた。燃やす物は落葉や薪の切れ端、松葉くずなどいろいろだった。近所の子どもが集まり、温もった勢いをかり、学校へ向かって駆けた。霜の降りた朝は焚火のまわりがじめじめになるが、手をかざして温めた。
落ちないで枯れたまま枝に残っているのが枯葉、と呼ぶことも皆が知っている。風に吹かれ地上を舞っている落葉もいいが、風に揺れる枯葉には何か想いを感じる。桜の落葉を集めている人に出会った。聞くと「堆肥」にするという。落葉が喜んでいるように見えた。
(写真:遊具と遊んでいる落葉)