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鑑賞用としての薔薇の花を愛でない人はいない。鑑賞の対象は薔薇園であれ花束であれ部屋に活けられたものであれ、その区別はない。「薔薇が恋人」という知人がいる。人を引きよせるその容姿は花の中では一番だろう。
その薔薇も花が終わると次へ向けて準備を始めるのはほかの花と同じ。ここの薔薇園はその季節になるとローカル放送では、見事な咲きそろいがどの局からも放送される。
久しぶりに訪ねた。園内を誘導する標識は残されたままだが、薔薇を感じさせたり思わせるものはない。咲きそろった頃を知っている者には無残とも思える枝を切り落とされた裸木が、初春の日を浴びている。
一つの株でも枝の大きさはまちまち。切り口もまちまち。そこからどんな咲き方かをするか、薔薇のいろはも知らない自分には無造作に切り取られただけに見えるが、そこには管理する人と薔薇との二人三脚があるのだろう。
酷暑酷寒を乗り越えた薔薇たち、どんな花姿でお目見得するだろうか。
(写真:いい花を咲かせるために忍ぶ姿の薔薇たち)