竹の子の旬は短い。ハウス栽培をされない数少ない食材のひとつとなっている。しかし、旬を外れると見向きされることは少なくなる。県でははびこる竹林整備のため年間500円の税金を徴収している。
この竹、「地下茎を広げることによって生息域を広げる」ことで嫌われる。厄介者扱いになる。いたるところで田畑に迫り植林の奥深く侵入している。特徴のある葉の色と風に揺れる様子から知ることが出来る。
荒れるに任せた竹林を整備し、竹の子の産地としてよみがえらせる活動が始まっている。市内では観光資源に活用しようとするボランティア団体がある。竹炭にした利用は多い。粉砕して自動車のシート生地とする開発も進むとか。樹木と違い生育の早い竹の利用は、資源の少ない日本の助っ人になれそうだ。
竹の利用減のひとつに建材として使われなくなったことがある。土壁が新建材に変わり、竹が使われなくなって久しい。たまに見かけるとほっとする。50年余り前の我が家は、土壁用にわら縄を使って竹を編みあげる作りだった。それは頑丈そうな家に思える。
通りかかった竹林のそばに、切り倒され短く切られた生育中の竹の子が何ヵ所もおかれていた。哀れはかなき命ではあるが、所有者の思いは知らない。竹林には若竹が無数伸びている。まだ、切り倒す作業は続くのだろう。
(写真:切り倒され朽ちるのを待つ竹)