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先日、元上司の元気な姿を見てある雨の夜のことを思い出した。
その上司の家に不幸があり通夜葬儀の打ち合わせを終えて帰路についた。昼過ぎからの雨は小止みなく続いておりあすの天気を気にしながら車を動かした。小高い丘の団地の下り坂はとっぷりと暮れ街灯の明かりが頼りだった。
さして時間のたたないうちに、団地内の幹線道路への道順が分からなくなっていることに気づく。右左とハンドルを切り暗い道を進むが同じような道筋が出口を阻む。迷路に入ったようだ。無駄な走りは止め、高い位置から方向を確認しようと団地の上の方へ向かうと決めた。
上方への道だろうと考えながらハンドルを切ては曲がった。数回目にこれまでとは違う明るい道が少し先に見えた。幹線道路だった。迷った時に出口が見つかった嬉しさを初めて体験した。
葬儀の日は快晴だった。道に迷ったことは誰も知らない。雨の夜道が「迷ったときには1つの方向を決めて進め」と教えてくれた解決方法、ひと昔前のある1日を思い出しながらその背中を見送った。
(写真:市内に幾つもある団地のひとつ)