列王記第一 3章
ネパールの大地震、日を追うごとに犠牲者の数が増えていきます。送られて来る救援物資が必要な人に届かないと報じる記事を読み、もどかしさを覚えます。緊急援助の先には、地震で壊れない住居のために日本ができることがあるのでは、と思うのですが…。
「あなたに何を与えようか。願え」と神から問われたソロモンは、「善悪を判断してあなたの民をさばくために聞き分ける心を…」と願います。改めての発見ですが、彼はここで、「あなたの民を」と言っています。イスラエルは王であるソロモンのものではなくて、神のものだとソロモンは考えているのです。ソロモンは、自分には民を治め、さばく能力があるとは考えていません。自分を「しもべ」「小さな子ども」だと言い、「おびただしい民」「あまりにも多く」などと言っています。
自分の小ささや弱さがわからなければ、真に神に頼るのは難しいことです。ですから、ソロモンがここで自分の小ささ、託された務めの重さに打ちのめされようとしているのは大切な自覚だと思うのです。
神に頼るのは、自分がここまでできたのであとはよろしくお願いしますとか、自分の努力に付け加える保険のようなものではないのだと教えられます。だから、小ささや弱さを自覚するのははじめの一歩。でも、自覚してそこでとどまっているのではなくて、天を仰いで神に頼ることが肝心なのですね。