吉川英治の『宮本武蔵』(四)と(五)を読んだ。
四巻は吉野大夫という遊女が登場し、宮本武蔵を助けるのだが、その場面が長くて退屈した。最後に吉野大夫が琵琶をぶっ壊して、武蔵に説教する場面も、退屈だった。
五巻は佐々木小次郎に興味を持った。佐々木小次郎は前髪を残していることと派手な衣装を着ていることが毎回描写されるが、彼がなぜ前髪を残して、もう大人なのに子どもの格好をしているのかは説明されない。佐々木小次郎が死ぬときは、彼の青春が終わるときなのだろうなと想像する。佐々木小次郎が自分の強さを自慢していろいろなひとに嫌われるのも若いってそういうことなのだなと思う。
又八とその母親のお杉婆は、どんなことがあっても宮本武蔵を憎む方向に考えが進むのだが、こういうひねくれた親子って実際にいるだろうなと感じる。
宮本武蔵は子どももきちんと殺す。すごい。しかもいまのところそんなに後悔もしていない。
井上雄彦のマンガ『バガボンド』はこの小説を原作にしているのだが、小説を読む限り、もう小説だけでよいかなという感じがしている。二度も読む物語ではない気がする。
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