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檀一雄『小説 太宰治』

2023年12月10日 23時14分56秒 | 文学
檀一雄『小説 太宰治』(小学館)を読んだ。
だんだんとおもしろくなった。
太宰治の素顔の感じが(もちろん私が知っているわけじゃないが)、よく出ていたように思う。
檀一雄が戦争に行っている間に、太宰治の仕事が評価されて少し置いていかれたような気分になるところ、は良かった。
檀一雄の最初の(?)奥さんが死んだときに、太宰が檀に葉書を書いて、

「女房が死んだなぞと、君、そんな何気ないふうの事では、いけない。大変なことなんだ」
と、そんな意味の文面だった。相変らず短い書簡の中に、人の感傷と愛情に、冴えた釘を打ち込むふうの書き方だった。
(212頁)

というところがもっとも感動した。
いいよね、太宰治、と思わせる。
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水江卓也『すぐやる習慣、はじめました。』

2023年12月10日 01時24分09秒 | 文学
水江卓也『すぐやる習慣、はじめました。』(すばる舎)を図書館で借りて読んだ。
あまり新しいことは書いてなくて、これまでの習慣化の本に書いてあったようなことを短くまとめていて、すぐに読めてしまう。
昔『小さな習慣』(スティーヴン・ガイズ著)という本を読んだときに、大体の人がいきなり始めようとするが習慣にしようと思ったらほんとにちょっとから始めろ、って書いてあって「これはいい」と思ったことがある。痛くもかゆくもないレベルから始める。この本もそれと同系列の本だろう。
ちょっとどうだろうと思ったのが、ご褒美の話で、ご褒美が目標になってそれで習慣化できるのかな、というのが疑問に思った。私自身がご褒美と聞くと「何もしないでだらだらすること」と思い浮かんでしまい、何かを習慣にするのにそのご褒美が何もしないということがうまく共存できないせいかもしれない。
だいたいこういう本を書く人というのは、人間はマシュマロを前にしたら5分も我慢できないという実験を信じてしまっているのでご褒美とはマシュマロのことだと暗に想定しているのだろうが、マシュマロなんかまずくて食えない私のような人間にはそういうご褒美の発想がよくわからない。
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