檀一雄『小説 太宰治』(小学館)を読んだ。
だんだんとおもしろくなった。
太宰治の素顔の感じが(もちろん私が知っているわけじゃないが)、よく出ていたように思う。
檀一雄が戦争に行っている間に、太宰治の仕事が評価されて少し置いていかれたような気分になるところ、は良かった。
檀一雄の最初の(?)奥さんが死んだときに、太宰が檀に葉書を書いて、
「女房が死んだなぞと、君、そんな何気ないふうの事では、いけない。大変なことなんだ」
と、そんな意味の文面だった。相変らず短い書簡の中に、人の感傷と愛情に、冴えた釘を打ち込むふうの書き方だった。(212頁)
というところがもっとも感動した。
いいよね、太宰治、と思わせる。
だんだんとおもしろくなった。
太宰治の素顔の感じが(もちろん私が知っているわけじゃないが)、よく出ていたように思う。
檀一雄が戦争に行っている間に、太宰治の仕事が評価されて少し置いていかれたような気分になるところ、は良かった。
檀一雄の最初の(?)奥さんが死んだときに、太宰が檀に葉書を書いて、
「女房が死んだなぞと、君、そんな何気ないふうの事では、いけない。大変なことなんだ」
と、そんな意味の文面だった。相変らず短い書簡の中に、人の感傷と愛情に、冴えた釘を打ち込むふうの書き方だった。(212頁)
というところがもっとも感動した。
いいよね、太宰治、と思わせる。