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丸山眞男『福沢諭吉の哲学 他六篇』感想

2012年07月16日 14時41分02秒 | 文学
丸山眞男『福沢諭吉の哲学 他六篇』(岩波文庫)読了。
福沢諭吉の思想で大切なのは、個々の出来事に対する判断ではなく(そこだけ見ると一貫していないように見えるので)、個々の出来事に対する対し方を見るべきであるということが、よくわかった。少なくとも丸山眞男はそのように考えていることがわかった。
ある出来事があった時に抽象的な判断から決めるのではなくて、その時代その場所に合ったヨリ具体的な判断をすべきなのだ。そうすることで、後から見れば福沢諭吉の判断は日和見だというふうにも見られるのだが、そうではない、という話だった。
確かにそうなのだろうと思った。

ちょっとだけ書かれていることが猛烈に興味を引き起こすことがあり、この間内田樹のブログに大江健三郎の『日常生活の冒険』について書かれていて読みたくなった。伊丹十三についての講演で出てきた話で、内田樹が大江健三郎が好きだったという話を知らなくて「へえ」と思った。同じく大江健三郎好きで、『日常生活の冒険』がおもしろいとは加藤典洋が昔言っていた。
しかし新潮文庫でいま品切れのようだ。そのうち読んでみよう。
そのようなことがこの本を読んでいてもあり、中野重治の『鴎外 その側面』が名著だと丸山眞男が話のついでのように言っていて興味を惹かれる。が、これもちくま学芸文庫で品切れ。
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