元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

すれ違ったオールデン

2011-10-30 | 仕事について

ブルックスブラザーズで、ことあるごとに見せてもらうお店用のカタログにコードバンの靴があってずっと憧れていました。

ブルックスブラザーズがオールデンに別注で依頼しているものは、オールデンが自社ブランドで発売しているものと細部が違っていて、オールデンを買うのならブルックスブラザーズのオリジナルモデルが欲しいと思っていました。

その日もいつものようにお店用のカタログをソファに座らせてもらって、見ていました。

大して買わないのに、いつもカタログだけ見せてもらっていて、申し訳ないといつも思っていました。

その日は、オールデンの別注モデルをそのうち欲しいと思っていることをお店の人に言うと、何と今年の3月で製作が打ち切られていて、もうかなり在庫が少なくなっいるとのこと。

私は憧れている場合ではなくなってしまい、自分に合うバーガンディのプレーントゥを探してもらうことに急遽なりました。

ただサイズがセブンハーフしかない。

レッドウイングは7でちょうどなので、すこしきつめのオールデンならセブンハーフでも大丈夫かもしれないという双方の期待によって、取り寄せてもらうことになりました。

靴をお願いして、入荷するまでの1週間、とても楽しく雑誌やインターネットを見ました。

もちろんお金の心配もして、でもそういうのも含めて楽しい時間を過ごしました。

靴が入荷して、お店に見に行きました。

買った靴はそのまま履いて、履いて行った靴は紙袋に入れてもらおうとまで考えていました。

靴を履いてみると、少し大きいような気がしました。

妻もお店の人も大きいのが見るからに分かると言う。

見るからに大きいのはよくない。なくなく諦めることにしました。

しかし、手にとって見たオールデン。

とても美しい造形と、良い色だったと思いました。

想いは募るばかりです。

 


WRITING LAB.とダイアリーカバー

2011-10-29 | 仕事について

初夏から駒村氏と必ず週に1度は会って打ち合わせを重ねてきました。

一緒に仕事をするという前提での会談でしたが、一緒に仕事をして私が駒村氏に迷惑をかけるようなことはないだろうかということを探るような感じででした。

そうやって話すうちに仕事に対する考え方も似ていて、共感し合え、共に良い仕事ができる関係が築けると思いました。

アパレル業界という異業種出身で、かなりのヤリ手のビジネスマンでありながら、駒村氏にはとても近いものを感じていました。

駒村氏が松本さん(まっちゃん)と新たに立ち上げたインディアンジュエリーのお店RiverMailでステーショナリーも扱うということで、展示会などにも一緒に行くうちにいろんなアイデアが出てきました。

共同で万年筆を使う自分たちやお客様方のためのモノ、コトを企画するブランドWRITING LAB.(ライティングラボ)を立ち上げる構想は、駒村氏と行動をともにし、話しているうちに、ステーショナリーの範疇で仕事をしていてもあまり広がりがないことを認識したことで始まりました。

また何度も打ち合わせをして、ブランドコンセプトや名前、商品の企画などを決めていく。

時間はかかるけれど、愉快な話の中で生まれていくものはたくさんあります。

そんなWRITING LAB.商品第1弾商品キャンバス地ダイアリーカバーが出来上がりました。

 

ペン語りで詳細を記述しています。https://www.p-n-m.net/contents/products/OG0052.html

 


ファーバーカステル250周年記念 エレメントオリーブ 入荷

2011-10-28 | 仕事について

ファーバーカステル250周年記念 エレメントが入荷しました。

ベースとなっているものはイントゥイションプラチノですが、ペン先サイズがペリカンM800相当のものになり、ペン芯もそれに伴って大型のものになっています。

ペン先がグレードアップされて、書き味も上質な柔らかく、重厚なものになっています。

発売前の写真で見るよりも、はるかに良い印象を受けました。

ファーバーカステルはこの250周年記念エレメントを皮切りに、新しく生まれ変わろうとしているのだと思いました。

代表的なモデルクラシックコレクションは、その独特な世界観を世に提示して、それには大変共感していましたが、実用的には他の万年筆と違いすぎるボディバランスなどがあって、万年筆の定番になるほどではなかったと思います。

毎年発売される限定万年筆 ペンオブザイヤーも希少性、出来の良さは評価されていましたが、値段が高い上に大きすぎて実用的にパーフェクトとは言えませんでした。

しかし、このエレメントは違う、そしてこのエレメントからスタートする新しい伯爵コレクションは、筆記性能を重視した質感を大切にした万年筆だと思っています。

あまり大きくないペリカンM600、アウロラオプティマくらいの大きさのボディに大型のペン先、小さな質感のある万年筆。

その存在はペリカンM700トレドのようです。

250周年という節目を祝うだけでなく、新しいファーバーカステルのスタートを飾る記念すべき重要な万年筆だと言っても言いすぎではないと思っています。

(万年筆157500円 F,M,B)


ポロ2

2011-10-25 | 仕事について

小さくても上質な車に乗りたいと思っていました。

装備、見た目の豪華さではなく、その車の本質的なところがしっかりしたもの。

どこか真似ではなく、オリジナルなもの。

日本のリッターカーはその分野で世界をリードするすごい存在ではあるけれど、小さな車=コストダウン、という当然の制約がある。

装備などが充実しているものが上質という価値観とは違う、そういったところから外れたものを探していて、唯一欲しいと思っていたのがフォルクスワーゲンポロでした。

私はもちろん専門家ではなく、車に特別詳しいわけではないけれど、自動車評論家の意見に左右されず、自分の価値観で車を選びたいと思うむこうみずなところがあって、いろんな車を見ても自分の車選びが揺らぐことはありませんでした。

その気持ちは車に乗り出した2ヶ月弱でも全く変わらず、ドイツ製の変哲もない車を楽しんでいます。

最初不審に思った足元でカラカラなるDSGの動作音にも慣れました。

2ペダルのミッション車ということになるDSGは、オートマチックの車よりも変速お切り換わりが早く、マニュアルモードで運転するとミッション車のように運転できます。

気分が盛り上がったり、ワクワクしたりという演出が皆無なポロのコックピットですが、そういうものがない分、長く使うための飽きにくさに繋がると思っています。

例えばポロをどこかの駐車場に停めて遠くから見た時、まとまっていて良い車だと思う。

まあ、無条件にこの車が好きで乗ること、見ることを楽しんでいる。

乗る人をバカにさせてくれる可愛い存在であることには間違いないようです。


土曜日の打ち合わせ

2011-10-23 | 仕事について

毎土曜日は打ち合わせの日になっていて、夕方駒村氏スケジュールをやり繰りして京都から来てくれます。

リスシオダイアリーを見ると7月3日の夜に香道師の森脇さんと3人で紅茶専門店ムジカで話してから全ての土曜日は会って話している。

その時々の議題を決めて、いろいろ話を脱線させたりしています。

最初外に食事に行っていましたが、最近はデリバリーを頼んでピザをつまみながら話すようになり、人数も増えて賑やかになってきました。

昨日は旧居留地にショップ兼アトリエ ベラゴhttp://www.bellago.jp/を構える革職人の牛尾さんにも打ち合わせに参加してもらいました。

牛尾さんとは9月中旬に二人で訪ねていて、自分たちが思っているものを何とか作ってもらおうとお願いしていました。

今回はまた違うアイデアを用意していて、牛尾さんがこれは作りたいと思えるものかどうか気になっていましたが、ひとつはすぐにでもモノになり、もうひとつは少し時間はかかるけれど実現可能の返事をいただき、試行錯誤しながら形にしていくことを約束してくれました。

牛尾さんはストレートな性格で、その辺りははっきり言ってくれるので分かりやすい。前回持ち込んだ企画は「難解ですな」を連発していたことを思い出しました。

長田のアンチャン風の牛尾さんが、ざっくばらんにいろいろ話し出すととても面白い、今月はじめに焼肉に行った時学生時代の学ランの話で盛り上がり、「ディスる」(?)という言葉を初めて知った。

店にいろんな人が来てくれて、いろんな仕事の話ができるクリエイティブな場所になってくれればいいとずっと思っていましたが、何となくそれが形になってきています。

最近会っていない人たちがいて、その人たちも巻き込みたいと思っているけれど、この集まりが少しずつ大きくなって、嬉しく思う毎土曜日の打ち合わせです。


雨の日

2011-10-22 | 仕事について

今秋は雨の日が多いような気がします。

以前、全く気にしていませんでしたが、最近天気予報を気にするようになりました。

それは傘を持って出るかどうかに始まって、朝の支度が違ってくるからです。

雨の日とそうでない人は鞄が違う。

ル・ボナーさんのブッテーロ革鞄は止めておいて、デニム地のトートバックに替えないといけないし、ベストもシルクの背中のものは雨染みができたら嫌なのでコットンのものにします。

靴は他のものほど気にならないけれど、レザーソールのものなどは止めておきます。

土日はバス停まで10分ほど歩かなければいけないので、強い雨のなどは足元がビシャビシャになるので、LLビーンのビーンブーツを買おうかと思うほどです。

ビーンブーツはなかなか魅力的です。

完全な防水性が保証されているし、普通の雨靴とはかなり趣が違っていてかっこいい。

雨の日が楽しくなりそうな感じ。

ただ普段の私の服装にビーンブーツが合うのかどうか分からない。

でもメイドインUSAというところが気に入っていて、ほとんどの工業製品がアジア製になっている中で、何かロマンがあるような気がしています。

アメリカ製のこういう日常生活にはオーバースペックの超実用品は見ているだけで嬉しくなります。

話を戻すと大切なものを雨から守る意図で雨用の装備があるけれど、この雨用の装備もこだわり出すとなかなか楽しい。

使い出してまだ1年しか経っていないけれど、ブルックスブラザーズで見つけた折りたたみ傘は雨の日の超お気に入り。

水をきれいに弾いてくれるし、たたんだところが細くてかっこいい。

どこかの老舗メーカーのものに違いなく、ブルックスブラザーズが別注でオーダーしたもの。

雨の日はうっとうしいけれど、何とか楽しめるようにしたいと思いますね。

 


運動しないと2

2011-10-20 | 仕事について

10月から垂水のフィットネスクラブに夫婦で行くようになりました。

こういったことを始めるきっかけは人それぞれで、健康維持のため、ダイエットのためなど様々で、私たちもこれらの理由によるところもありますが、私の本当の目標は100kgのバーベルを上げれるようになるためです。

冗談ではなく真剣に思っていて、せっかく鍛えれば筋力がアップするのだから自分の体のポテンシャルを向上させたいと思いました。

妻もマシンでする運動を楽しんでいるようですし、スタジオで行われているヨガやボクシングエクササイズに興味があるようでした。

私は同じことを延々とするのが苦手で、ウォーキングマシンやエアロバイクを何十分も続ける根気が続きません。

マシンを次々と替えていろんな運動、特に上半身の筋力アップにつながる運動ばかりをして、妻やインストラクターの方を呆れさせています。

なかなか時間がとれないため、定休日の水曜日に行くことになりますが、買ったばかりの車もなるべく洗いたいので朝6時に起きるたいそう忙しい休日になっています。

でもこういうことをすると意識も変わるので、普段の日に腕立て伏せや腹筋など簡単な運動でも続けたいと思うようになりました。

でも久し振りの筋トレは厳しく、休憩してばかりいました。

先日行った時は昼間の時間だったため、お年寄りが多かったですが、ロッカールームで見た皆さんの体は皆引き締まっていて、恐れ入りました。

急激にはせず、ゆっくりとでもいつかは100kgのバーベルがあげられるようにがんばろうと思っています。


ペン習字教室作品展開催中(11月4日まで)

2011-10-18 | 仕事について

毎月第1金曜日に開催しております、ペン習字教室の作品展を開催しています。

百人一首、方丈記など各人が好きな歌を書にしています。

それぞれが選んだ歌を堀谷龍玄先生がお手本にして、それを何度も練習しました。

私個人的な話になりますが、このような行書を自分自身が書けるようになると思いませんでした。

でももうすぐ1年になるこの教室で、堀谷先生に教えていただいて、自分なりにきれいな文字が書けるようになって、行書にもチャレンジしていることがとても嬉しく思っています。

でもこれは私に限らず誰にでも書けるものだと思います。

ご自分の字にコンプレックスを持っておられる方もぜひペン習字教室にご参加いただきたいと思います。


オマス ボローニャコレクション サーティーファイドエディション

2011-10-17 | 仕事について

こういう万年筆を見ると、万年筆はやはり趣味の道具だと思います。

そのモノの役割は文字を書くという、かなり崇高な行為に使われるものですが、万年筆を愛でながら使う心は子供の頃夢中で遊んだおもちゃのそれとあまり変わらないのかもしれません。

とくのこのオマスボローニャコレクションサーティファイドエディションはそういった要素が強いのではないかと思います。

14金のペン先ユニット(首軸ごと)を外して、付属のボールペンユニットをつけるとローラーボールペンとしても使うことができます。

万年筆をわざわざボールペンに入れ替えなくても良いではないかと思われるかもしれませんが、愛用している万年筆用インクをボールペンでも使うことができというのは、大いに面白い要素だと思いませんか?

通常のボローニャコレクションよりもひと回り小振りのスターリングシルバーのボディになっていて、その持ち心地は小さいのにずっしり重い。

通常のボローニャコレクションのサイズでは重くなりすぎると、オマスは考えたのかもしれませんし、小さい方が面白みが出るとおもったのかもしれません。

この万年筆のテーマになっている、ボローニャは昔から中央政府とは距離を置いた地方自治精神の強い土地柄として有名です。

街の中心部はアーケードのように屋根のついた小道が巡っていて、雨の日でも濡れることなく街を歩くことができますが、道に不案内な人は太陽が見えないため、方向感覚が奪われ迷子になりやすい。実際昨年のボローニャ、オマス社訪問で何度も道に迷いました。

そのアーケードをポルテコと言い、その起こりはある人がボローニャ大学の生徒を下宿させるために通りに覆いかぶさるように2階に部屋を増築したことが最初で、それがボローニャ中で流行って、気付けば通り全部がポルテコに覆われていた、といったところなのではないでしょうか。

でもその街並みは自然発生的に偶然にできたとは思えない美しさを持っています。

独立心が強く、自治意識の強いちゃんとした人たちが住んでいる、道に迷いやすい街ボローニャ。

ボローニャの街に思い入れのある人はもちろん、ない人も楽しめるおもちゃのようにいじる楽しみのある万年筆がボローニャコレクションサーティーファイドエディションです。

(Bが入荷しました 99750円)