元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

時間は流れる

2022-05-29 | 実生活

横浜に出張販売に行っていた夜、妹から父が心筋梗塞で緊急手術をしたと連絡が入った。

何かしたいけれど横浜にいるのでどうしようもなく、対応を妹にお願いした。
幸い術後の経過は良好で、手術をした病院の前に行ったかかりつけ医の駐車場に駐めたままになっている車のことを心配していて、神戸に戻ったら引き取ってくることになった。

午前中に日課になっているジムでウォーキングマシンをしている時に心臓が痛くなって、そのうち激しい肩こりがして、脂汗が出始めたそうです。シャワーを浴びて家に帰ってから、かかりつけ医に診てもらおうと電話したら、夕方なら空いているという。

5時にかかりつけ医に行って診せたら、すぐに救急車を呼ばれて大きな病院に行ったとのことで、それで車が駐めたままになっていたのだ。
かかりつけ医には、次はすぐに救急車を呼ぶように言われたそうです。

手遅れだったと言われても仕方ないほど時間が空いてしまったけれど、運がよかったのだと思います。
本人は「まだ生きていていいということか」とあっさりしていて、元気に動き回っているので本当によかった。

ウチの家系は変な体力だけはあって、皆丈夫で、多少無理しても倒れないことは恵まれていて有難いことだと思っています。

私も店を始めて、熱を出すことはたまにあっても、店を休みにしなければいけなかったことはなかった。

親指にシャーペンの芯を刺して、中に残った芯を取り除いてもらうために、店を半日抜けたことはあったけれど。
オートマチックシャープで、指に刺さった時に自動的に芯が出て、さらに深く刺さったので、オートマチックシャープの扱いには気を付けた方がいい。

今年79歳になる父は、まだまだ元気で丈夫だと思っていた。でも時間が流れて自分も齢をとっているので、父もその分齢をとっているので、こういうことも当然あるのだと思う。

タフだと自分では思っているけれど、数年前の代官山の出張販売の時、貧乏性のため少し無理なスケジュールを組んでしまい、3日あるスケジュールの2日目に熱を出したことがあった。
暑い日だったのに、震えながら仕事したことは教訓になっていて、あまり無理は利かなくなっているのだと思うようになりました。

自分が何歳まで元気に店をやっていられるか分からない。ゆっくり余生を過ごしたいとは全く思わないし、私たち自営業者にゆっくり余生を過ごす年金はないのであてにはしていない

80歳を目標にしているけれど、いくら元気でも世の中に求められなくなったら、自分で察知して身を引かなくてはいけないと思っている。

 

 


出張販売

2022-05-25 | 仕事について

 

横浜の590&Co.さんとの共同出張販売 & in横浜 を終え、6/4(土)ナニワペンショー6/11(土)12(日)の札幌出張販売に向かっています。

通常の店の営業に飽きているわけではないですが、腰を据えてじっくりと作り込んでいく店の仕事に対して、出張販売は道なき道を開拓していくような刺激のある仕事で、こういう仕事も好きです。

横浜の出張販売ではたくさんのお客様が来て下さり、本当に嬉しかった。
この2年神戸から出ることが出来なかったので、久し振りに会うことができた旧知のお客様もたくさんおられました。
やはり首都圏にも当店と590&Co.さんのお客様はたくさんおられて、有難いことだと思いました。

コロナウイルスとの共存ということで、ネットワークを使った様々な試みが生まれて、人のたくましさのようなものに明るい兆しがありましたが、やはり経済に限らず日本の国に元気がないような気がしました。

私自身元気いっぱいというタイプではないので、私が元気という言葉を使うのも可笑しな感じがしますが、このままだと日本が沈んでいってしまうような危機感を持っています。
元に戻らないこともあると言われていますが、なるべく早く元に戻していくということが必要なことではないかと思っています。

地方都市の小さな店がたったひとつで、あるいは近くの個人店と協力して何か動きを出しても、その影響力はかすかなものなのかもしれないけれど、活動を元に戻したいと思っておじさんがもがいているということを伝えたいという想いが今年から再開した出張販売にはあります。

& in横浜では、当店はボランティアで出張販売を手伝ってくれたYさんのまさに獅子奮迅の働きもあり、それがなければ当店の出張販売は成り立たなかったけれど、590&Co.の谷本さんに大いにも大いに助けられました。

谷本さんのことは気の合う友人として、とても付き合いやすく、お互い自然体でいられるし、同業者としても私より遥に才能のある人だと尊敬しています。
仕事も早く、出張販売のポスターやフライヤーなど全て谷本さんが作ってくれているので申し訳ないような気もしますが、谷本さんのセンスを気に入っていて、自分にはとても作れるものではないので仕方ありません。

当店と590&Co.さんはどちらもペンを中心としたステーショナリーショップで間違いないけれど、当店は万年筆、590&Co.さんはペンシル系という他に店主のキャラクターという決定的な違いがあって面白いと思っています。

同業者である友人との関係性を保つのは難しいこともあるかもしれないけれど、相手のことを尊敬できて、その成功を心から喜べるかどうかということだと思います。相手を羨んだり、妬んだりする気持ちがあるとその関係は長く続けられなくなってしまいます。

私にそのような気持ちを抱かせないのは、谷本さんの人柄ということもあるけれど、&の企画を長く続けるために私は自分の仕事もきっちりと採算をとっておくということも友情とは無関係に見えて、関係があることだと思います。