一期一会 ~万年筆店店主のブログ~

哲学、想いを発信している、Pen and message.店主吉宗史博のブログです。

冬枯れインク入荷

2008-05-30 | お店からのお知らせ

好評いただいていたにも関わらず、長い間品切れしていました冬枯れインクがやっと出来上がりました。
吸入しにくかった従来型のボトルを改め、今回からインクが少なくなっても吸入しやすいデザインになっている新ボトルでの発売になります。
冬枯れは日本の文字は黒でありたい、しかしノートいっぱいに黒の文字で書いてしまうと強すぎて、書いているときや読んでいるときに疲れてしまうというような方には待望の黒とグレーの間の色が特長です。
当店ではこのインクを雑記用と位置づけて販売しています。何か気が付いたことがあったり、感動したことがあったり、本を読んで影響を受けたことなどを思うままに書くことで、毎日書かなければいけない日記とは区別して、雑記と呼んでいます。
そんな義務に縛られない、気が向いた時だけ書く雑記は文字を書く理由、万年筆を使う理由としてとても良いきっかけだと思っています。
そんなふうに書くことを趣味ととらえる雑記に向いたインク冬枯れは、その色の印象から水墨画のイメージを重ね、名付けています。
もちろん雑記だけでなく、強すぎない黒い色は手紙でも相手に涼しげな印象を与えて、これからの季節に合っているのかもしれません。
お待たせいたしました、冬枯れ久しぶりの発売です。
 https://www.p-n-m.net/contents/products/OK0011.html

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具体的な数字で考える

2008-05-29 | 仕事の考え
今まで雰囲気が伝わればそれでいいと思っていましたし、自分自身アバウトな情報で満足していました。
そして数字は苦手だという気持ちもあって、生きていく上で必要な数字以外は積極的に見ることはありませんでした。
それは本当に些細なきっかけでした。
夕食後、食卓にある電子辞書で地名を入れて知っている街の人口や面積が出るので、調べて家族で遊んでいました。
大きな町、小さな町、賑やかか、そうでないかなど行ってみればその雰囲気で察しがつきますが、具体的な数字を知ることはその感じたことの裏づけになりますし、自分の勘違いだったと改めることもできます。
ずっと以前知り合いのイタリア人から日本人は自分の住む町にどれくらいの人が住んでいるのか気にならない人が多いと言われて、そう言えばそうだねと聞き流していました。
しかし、具体的に数字で言い表すことは、言葉よりも説得力のある共通の言語であると思いましたので、これからはなるべく具体的な数字で知ろうと思いました。
神戸市144万1000人、西宮市39万6000人、芦屋市7万9000人、、尼崎市47万4000人明石市28万7000人、加古川市26万1000人、高砂9万7000人、姫路市46万9000人、三木市7万8000人、三田市10万1000人相生市3万5000人、たつの市4万1000人、洲本市4万3000人、身近な街の人口を知るだけでおもしろいと思いませんか?
ちなみにデータは3年前のものだそうです。
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ラミーサファリ2008限定ライムグリーン

2008-05-27 | お店からのお知らせ
1980年に発売されたサファリが30年近くもロングセラーを続けてこられたのは、高いレベルの実用性と万年筆としては安価なわりにデザインが良く、好きで使っているというこだわりを使う人に感じさせるところがあるからだと思います。
そのデザインの良さを引き立てているのがボディカラーです。
1980年当時サファリのボディカラーはマットブラック、モスグリーン、マットオレンジの3色で、どちらかというとくすんだ感じの落ち着いた色合いでした。
年を追うごとにカラーバリエーションを強化し、廃版になってしまった色も含めると今年のライムグリーンを含めて、私が確認できただけでも14色のサファリが今まで販売されてきました。
年々華やかになっていくサファリのボディカラーと存在。毎年限定のカラーを発売することによって、万年筆が好きな人以外の人の目もサファリに向かってくれたら、結果的に万年筆に向いてくれたらと思っています。
今年の限定色ライムグリーンは予想と違って、大人のクリエイティブな心をくすぐる色だったと思っています。
落ち着いた印象も受けるグラスグリーンは、黒のアクセントと相まってとても良い印象を持っています。
イギリスならもっと深いモスグリーンにするでしょうし、イタリアならもっと強いストレートグリーンにするかもしれません。フランスなら、遊び心が感じられるパステルカラーにするかもしれないとかと考えると、ドイツ製品らしい色だと思います。
日本での発売分は同じ限定色のボールペンとのセットになり、万年筆だけでよかったという声も聞きますが、万年筆はご自身で使って、ボールペンは奥様やご主人、彼女、彼氏に使ってもらうというのはどうでしょうか?
ペンに興味のないお相手でも、スカッとした色のライムグリーンのボールペンを使うと、きっと気分が良いと思いますよ。
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雑記から6月号完成しました。

2008-05-26 | 仕事の考え
ご来店いただいたお客様、通販でお買物いただいたお客様にお配りしています雑記からの6月号が完成しました。
毎月20日頃になると締め切りに焦りますが、楽しんで下さっている方もおられますので、必ず続けていきたいと思っています。
今月は時代に乗れなかった学生生活を送った大学時代の話です。
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MUCUのフールス紙ノート発売

2008-05-24 | 仕事の考え

MUCUの革表紙のノートに、待望の万年筆と相性の良いフールス紙仕様が発売になりました。
ざっくりとした自然のままのあまり高級でない(これがポイントです)革を表紙に使用したリングノートはその物の考え方が好きで継続して愛用したいと思っていましたが、今まで万年筆で使い易い紙のものがありませんでしたが、多くの方のリクエストに応えての新発売です。
MUCUの製品を企画、製造しているKデザインワークスの榎本さんの自宅にある工房兼オフィスを訪ねてお話した時に、お互いのモノに対する理想とか美学がすごく近いと思い、共感を持ちました。 MUCUの革表紙ノートに顕著に表れている紙製品は素材感を生かした、加工し過ぎない物作りをポリシーとしています。
ほとんどの製品がきれいに作られ過ぎていて、素材感を失っていますのでとても希少な存在だと思っています。自然のままに仕上げること、それはとても勇気の要る物作りの姿勢であり、私は大いに賛同しています。
もしかしたらあまり多くの人の共感を得られないのかもしれませんが、MUCUの物作りの美学の中に侘び寂びに感じ入る日本人らしい感性を感じます。
MUCUの物作りで唯一不満だったのが、万年筆と相性の良い紙がないということでした。使ってみたいという紙製品はありますが、万年筆のインクとは相性が悪く、非常ににじみが大きくなってしまいます。万年筆と相性の良い紙が必要だということに榎本さんも気付いているようでしたし、私もきっと欲しいと思っている人はいるはずだと伝えていましたが、それが実現しました。
万年筆用の紙として優れているフールス紙を中身に使った本革A5リングノートとハード表紙のA6変形サイズのノートを扱い出しました。
本革表紙のリングノートはせっかくの革の表紙を長く使うことができるように、中身の差し替えサービス(MUCUに直接依頼)を行っていますので、使い込んで良い風合いの出た革の表紙を使い続けることができます。
今まで多くの万年筆と相性の良い、思考や雑記の助けになるものをご紹介してきましたが、MUCUのフールス紙ノートもそれに加えたいと思います。
https://www.p-n-m.net/contents/products/category4.html

 

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自分がしたいこと

2008-05-21 | 仕事の考え
「万年筆に出会ってなかったら何をしていた?」と聞かれて考え込んでしまいました。
在籍していた会社を辞めなければならなくなった時、自分に万年筆がなかったら何をしようとしていたのかと考えるのはあまり愉快なことではありませんでした。
仕事の経験を生かして転職ということになるのかもしれませんが、前の仕事で自分にはこれができると言えるものが見つからなかったとしたら、転職も厳しいものになっていたと思います。
自分が好きでしたいと思うこと(趣味ではなく)だから、リスクを負うことができるし、努力することを何とも思わず、仕事にすることができるということに最近気付き、自分にそれがあって幸せだと思いました。
自分の仕事を作るためには好きだと思うことを作ればいいし、自分の好きなことを仕事にしていくのだから、どうせならとことん突き進んでいきたい。
自分の得意分野で、大げさな言い方になるかもしれませんが、日本を変えることができるのかもしれません。
自分のやっていることが、何らかの形で社会に作用して、社会にわずかながらにも影響を及ぼすということは、それが直接的でないかもしれませんが、どんな仕事でも可能だと思います。
以前経営の最前線にいた友人のSさんがまたその世界に戻っていくという話を聞いて、彼なら日本を変えるくらいの野心を持って、そしてそれを本当にやるだろうと思って、話を聞いていました。
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ワーグナー関西地区大会に行ってきました

2008-05-19 | 仕事の考え
昨年から開催されるようになっていて、行きたいと思っていましたが、何となく気後れして行けませんでした。
しかし、昨年のオープン前にはすなみさんが写真を撮りに来てくれて、その写真を森さんがブログに載せて当店を紹介してくれて、大変励まされたことのお礼を言いたいと思っていましたので、今年は出かけることにしました。
会場の会議室に入るとちょうどすなみさんと森さんが話していて、すぐに昨年のお礼とご挨拶を言うことができました。
ご自分のペンをトレードしようとされている方は、会議室の中のテーブルに陣取って、ペンを並べています。ポップなども飾られ本格的なお店のようでしたが、提供される方の商品知識のレベルが高いので、お店の人以上の手応えのある会話をすることができます。
マニアックな人の集まりで、何か入って行きにくそうな閉鎖的なものをイメージしていました。でも実際はとても和やかな雰囲気の会で、初めて来た人も歓迎してくれる暖かい雰囲気のある、楽しいおしゃべりができる社交的な大人の集まりでした。
森さんは調整の道具類をとてもきれいに整理されていて、調整を希望される方の要望を熱心に聞きながら、ペンの調整をしていましたが、それを仕事とする者として、見習わなければいけないとても真摯な姿勢だと思いました。
万年筆を愛して、もっとたくさんの人に万年筆を使ってもらいたいと思っている、私と同じ想いで、ペンやそれを使う人に接している人たちの集まりが、そこにありました。
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ステーショナリーマガジン004発売

2008-05-15 | 仕事の考え
出版のステーショナリーマガジン004が5月12日に発売になりました。
記事の対象を万年筆に絞った趣味の文具箱もいいですが、より広い範囲の物が紹介されているステーショナリーマガジンも楽しいと思います。
今回のステーショナリーマガジンでは、私の仲間たちが紹介されていて、自分の店が趣味の文具箱に紹介された時と同じくらい嬉しいものでした。
大和出版印刷は、六甲アイランドの工業地帯にある銀色の社屋が目立つ会社で、昨年営業の川崎さんと知り合ってから、交流を続けています。
当店のオープンに際しては、武部社長をはじめとする皆さんから多大な応援をいただいた恩のある会社です。
その大和出版印刷がル・ボナーの松本さんの提案を受けて実現させた万年筆用上製本ノートが見開き2ページで紹介されていました。
万年筆を愛用する人のためのノートのこだわったところ、出来上がるまでのエピソードなどが公開されていました。
私もこのノートを愛用していますが、装丁も価格も書く人に相当の覚悟を必要とさせるノートですが、とても大切な自分の思考やすごした時間の記録を永久に残すのに値するノートだと思います。
分度器ドットコムの商品も多数紹介されていました。
分度器ドットコムの谷本さんと知り合って1年ほど経ちますが、デザイン感覚の鋭さに感心しています。
そんな谷本さんの感性が発揮されたオリジナル商品や独自に輸入した商品たちがたくさん紹介されていました。
特に谷本さんと加藤製作所との共同作業によるペンシルエクステンダーは大きく紹介されていましたが、加藤製作所らしさを谷本さんの得意分野である鉛筆の補助軸で表現したのは痛快で、キャップを閉めた状態は万年筆そのものでありながら、キャップを開けると鉛筆が姿を現すのがとても愉快です。
当店のお客様にはすでにお馴染みで、それぞれファンがいる両社ですが、今まで大和出版印刷や分度器ドットコムを知らなかった人にも知ってもらうことができるいい機会だと思いましたし、2つの会社がこれからもユニークな活動をして、おもしろい製品を生み出していく助けになる記事だと思いました。
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委託販売のペン

2008-05-13 | 仕事の考え
委託販売コーナーは現在販売されていないペンや、希少な限定品もあって、来店される方は要チェックのコーナーになっています。
もともと委託販売を始めたきっかけは、万年筆を何本か持っておられる方が使っていないものがあって、新しいペンは欲しいけれどそれが気になって購入に踏み切れないというお客様の話を聞いたことでした。
そんな使われていないペンでも、他の人にとっては欲しかったペンだったりすることもあり、ペンを人と人との間を流すことができたらと思いました。
使われていないペンに新しい持ち主を見つける委託販売を始めましたが、なかなかおもしろい、お客様との会話の弾むものだということが分かりました。
以下が5月13日現在委託販売でお預かりしているペンです。在庫状況は日々変わりますのでご了承ください。
セーラートライデント767、パイロットエリート透明イエロー、パイロットミュー、パイロットミューレックス、パイロットミューレックスレディ、カステル240周年記念オリーブ、カステルペンオブザイヤー2004アンバー、ビスコンティオペラチェリージュース、パーカーデュオフォールドオレンジインターナショナルサイズ、シェーファーレガシースターリングシルバー、デルタソラリス、モンブランノブレスゴールドプレート、オマスセルロイドコレクションブルーダーマサイズ、ペリカンM405ブルー、パイロット77周年ウルトラ、アウロラ85周年レッド、モリソン屋久杉、加藤製作所象牙
価格はお電話(078-360-1933)でお問い合わせください。
受け渡しは当店頭でのみ行い、現金販売のみの扱いとなります。
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本の重み

2008-05-11 | 仕事の考え
私の店舗予定地を見に行って意見を聞かせてくれたり、ル・ボナーさんに行ったり、今までお会いしていませんでしたが、見えないところでとても私のことを気にしてくださっている方でした。
「それはボタンひとつでいつ消えてしまうか分からないから。」とその方が私が過去に書いたものの構成をまとめ出したのは1年程前でした。
神戸から遠い土地に住んでおられる方で、宅急便で原稿をやり取りして、少しずつ校正していきました。
ちょうど会社を辞めた時で、今までの人生で最も不安だと思った日々を過ごし始めた時でしたが、その時に自分が書いてきたものを読み返す機会をくれたその方の計らいはとても有り難く思いました。
情熱だけが先走って読み苦しい文章だった前半、後半は文章的な間違いは少なくなりましたが、どこか壁にぶつかっているような感じのある所もあり、その時の心理状態、仕事環境が見え隠れします。
以前、アルティマさんがその時の文章で私が前向きに仕事しているとか、少し気が重くなっているとかすぐに分かったと言ったことがよく分かりました。
そんな原稿が完成して、これから製本家に依頼するという旨のメールをいただいてから8ヶ月、その完成した本を持って、その方は神戸まで来てくださいました。
痛まないように厳重に梱包して持ってこられた2冊の本は、革の背表紙と色違いのマーブリング紙の表紙のとても美しい仕上がりの厚い本でした。
私のために1冊、そしてもう1冊はご自身が持っておくために。そして私に好きな色の表紙を選ばせるために、重い本を雨の中、遠いところから2冊持ってきてくれたのでした。
本を渡すと用事があるからと言って、すぐに行ってしまわれ、ゆっくりお話ができなかったのは残念でしたが、私が今までの生涯で唯一継続してやり遂げることのできたものがとても美しい装丁の本になっているのを見るのはとても感慨深いものでした。
これを書いていた時と、今の私では、環境が何もかも変わっていますが、これを書いていた気持ちを持ち続けなければいけないと改めて思い、気持ちが引き締まりました。
無口で恥ずかしがり屋なその人が持ってきてくれた本は、私が書いていたものを大切に思ってくれる人たちがいるということを知らしてくれました。
その本は店に置いて、誰でも読めるようにして欲しいと、その方が言ってくださったので、お客様のテーブルに置いておくことにしました。
この時の自分自身を超えるものを生み出していくための励みになるものだと思いました。
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