元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

賑やかな土曜日の中

2010-02-28 | 仕事について
ワーグナー神戸大会にお邪魔してきました。
当店の近くの県民会館で行われるワーグナーの大会をいつも楽しみにしていて、表敬訪問ということになっておりますが、この場のおしゃべりをただ単に楽しみに行っているという感じです。
万年筆の魅力に引き込まれ、ここまではまり込んでいる人たちは、熱中できるものがなく、時間を浪費している人から見るととても幸せな人たちだと思っています。
そんな人たちのそれぞれのこだわりのコレクションをお話を聞きながら、見せていただくのは本当に楽しい、万年筆も悪くないといつも再認識して、店に帰ります。
県民会館からたくさんの人たちが来て下さり、当店は1年に数回しかないような賑わいを見せます。
そんな中、とても嬉しいお客様が来てくださいました。
当店では2月中、先月亡くなられた加藤製作所カンパニー加藤清さんへのお客様方からのお手紙を展示していて、それを加藤さんの娘さんが見に来てくださいました。
東大阪の方にお住まいということで、大変だったと思いますが、わざわざ来てくださったことがとても嬉しく思いました。
皆様の加藤さんへの想いが娘さんに伝わって、意気に感じてくださったことにとても感動しました。
皆様の想いが詰まったお手紙は、3月7日、私が加藤さんのご自宅を訪ね、奥様にお渡しすることになっています。

ネットショップ

2010-02-25 | 仕事について
朝9時から夜8時くらいまで店からでることがないため、外に出た時にはほとんどの店が閉まっています。
水曜日は休日ですが、1週間に1度の休みを楽しみにしている妻のことを考えると、自分一人で出掛けて買物をしたりするのは気が引けます。
そんなに贅沢をしたいと思っているわけではありませんが、ウィークデーをより楽しくしてくれる、服とか靴、鞄、文房具や刺激を受け続けるための本などを買える時間が不足しています。
日本中に私と同じように思っている人はたくさんいるだろうな、と想像しています。
1日中オフィスから出ることなく仕事して、外に出る時には店は閉まっている。
そんな私たちにとって、ネットショップというのは、良い気晴らしになります。
欲しいものが見つかるととても元気になりますし、注文したものが届くまでの時間は楽しみで仕方ありません。
忙しい人のためのネットショップ、当店ももっとホームページを充実させて、自分の同じように毎日を過ごしている人が、仕事の時間をより楽しく過ごせるようなものをもっと提供していきたいと思っています。

加藤さんへのメッセージ展開催中

2010-02-15 | 仕事について
先月現役のまま亡くなった加藤製作所カンパニー加藤清さんへのお客様方よりお寄せいただいたメッセージを展示させていただいています。
加藤製作所のペンを愛用されている方などの、加藤清さんを送る言葉をぜひ観に来てください。
2月19日(金)の延長営業日には、加藤さんの生前のお元気な姿、作業風景をビデオでご覧いただけるようにいたします。

定例会

2010-02-15 | 仕事について
常日頃から連絡を取り合っているわけはなく、何かあった時に相談するわけではありませんが、それぞれの近況はお客様を通じて、あるいはそれぞれのブログによって伺い知ることができます。
それらによって、元気に相変わらずでいてくれていることが分かればそれで安心しますし、変化があればとても気になります。
楔の永田さんが月1回は神戸に来られるので、それを機会に集まって食事に行くというささやかな集まりをいつの間にか定例会と言うようになっていて、、あればとても楽しい、お客様以外の人との仕事の繋がりを確認できることが少ない私たち個人事業者にとって、とても有難い存在です。
その定例会を谷本さんの無限にある引き出しにある、深江の焼肉店たじま屋でしました。
当店の閉店近くに、アルファロメオ兄弟の松本さんと谷本さんが来られました。
二人は相変わらず、私にアルファロメオを買うようにそそのかしていますが、最近は諦めてきたのか、私の物欲のなさを面白がって、「爪に火を灯すような生活」と言い出しました。
アルファという自家用車を超えた存在を手に入れた二人が、特に話を切り出すタイミングとか話し方がとても似てきたように思っているのは私だけでしょうか?
私は知りませんでしたが、七輪で焼くこの店は超有名店で、東灘の焼肉屋といえば一番に名前が出る店のようです。
確かにどの肉も美味しく、全員ご飯2杯を軽く平らげました。
次は元町の高級焼肉コース、カンダさんも誘うことで皆の意見が一致しました。

ブレイスブリッジ邸(ワシントン・アーヴィング著)岩波文庫

2010-02-11 | 仕事について
表紙に惹かれて何となく手に取り、読み始めました。
挿絵やその下に書かれた、ちょっとしたことを精一杯劇的に描写しようとしている見出し文が子供の頃寝る前の布団の中で読んだ福音館の少年文学全集のようで懐かしい気持ちにさせてくれました。
旧き良きイギリスののんびりした田園暮らしを描いた小説で、封建領主の屋敷が舞台になっています。
人物描写に文字数を割き、劇的な事件やドロドロした恋愛など全くなく、静かに、ゆっくりと、そして温かく時が流れていくようです。
それぞれの人が自分の置かれた状況に満足し、より良い暮らしを目指したり、成功を狙って人生の賭けをしたりすることなく、日々の暮らしを淡々と送っていけることに、少し羨ましく思いますが、遥か遠い平和な時代のことです。
身分制度がなくなり、好きな仕事に就ける現代の自由は、誰からも支配されることがなくなりましたが、誰からも守られることがなく、自分の暮らしは自分で守らなければいけません。
少し忙しい考え方をすれば、私たちは誰からも支配されない自由を手に入れた代わりに、ストイックに自分を磨き続け、今の暮らしを保つ努力、変わらないための努力をし続けなければいけないということになります。
でもたまにはこんなゆっくりした小説を読んで、のんびりした人々の生活を見るのも悪くないと思いました。

株式会社になっています

2010-02-10 | 仕事について
当店は開業当初の予定通り、今年から株式会社になっています。
店の営業自体会社組織になっても何も変わりませんが、私の気持ちとしては何か節目を迎えたよう気になって、今年は特別な1年になると感じています。
店を開けてから1日1日が特別に思えるようになっていましたが、2年経つと何となく慣れてしまいます。
そんな時のちょっとした変化で、また1日1日を特別だと思いながら歩んで行きたいと思っています。
会社になって、もちろん様々なメリット、デメリットがありますが、主体が個人でいつでも止めてしまうことができる個人事業に対して、続いていくことが最も重要な責務である会社になったことで、私のこの仕事に対する本気さをお客様にお伝えすることができれば、法人なりの目的が達成できたということになります。
開業前、金融機関を初めとするたくさんの書類に自分の名前を書き、印鑑をついて、その責任の重さを実感して、恐ろしくなりましたが、今回もたくさんの書類に印鑑をつきました。
2年3カ月前よりは気持ちも大きくなっているかも知れませんが、やはり責任の重さを感じずにはいられません。
年始のご挨拶で何も変わらないことをお約束しましたが、この店が会社組織になることで、改めて変わらずに継続することをを最大の目的としていくことをお伝えしたいと思います。

創業からのオリジナル商品

2010-02-03 | 仕事について
当店がオープンしたばかりの頃、オリジナル商品と言えるものがほとんどありませんでした。
今ではル・ボナーさんや分度器ドットコムさん、大和出版印刷さん、楔さんなどとの共同企画を含めると、相当な数のオリジナル商品があり、大変恵まれた状況であると思っています。
数少ない創業からのオリジナル商品である、ツバメA5方眼ノート(https://www.p-n-m.net/contents/products/PG0001.html)は愛用者も多く根強い人気を持っています。
これは店の名前がさりげなく入った普通のノートがとても粋だと思っています。
あるデザイナーがパーティーで自分の名前の入ったツバメノートを来賓に配ったという逸話からヒントを得て作りました。
日本の四季それぞれを色にしたオリジナルインクも創業時からの人気商品です。
暮らしの手帖でも取り上げられた冬枯れ(https://www.p-n-m.net/contents/products/IC0040.html)は、当店の感性を最も表した売れ筋です。
夏の色とした朔(https://www.p-n-m.net/contents/products/IC0038.html)はくすまないブルーブラックで、伸びの良い性質もあり、よくお勧めするインクです。
秋の色山野草(https://www.p-n-m.net/contents/products/IC0039.html)は、子供の頃の夏休みの終わり頃の山に咲く花をイメージした最も思い入れのある色です。
春を新たな門出のある晴れの季節として、晴れの色である朱漆(https://www.p-n-m.net/contents/products/IC0037.html)を春の色としています。
朱漆は販売終了商品としていましたが、非常にたくさんのリクエストがあり、販売を再開しました。
店の魅力はサービスもさることながら、そこでしか買うことができないオリジナル商品の有無も強く左右します。
これからも魅力があり、自分でも使いたいと思えるオリジナル商品を楽しみながら作っていきたいと思っています。