元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

練習

2011-07-31 | 仕事について

ブログを毎日更新することは、日々の当店の状況、私も思ったことを皆様にお知らせしたいという想いもありますが、文章を書く訓練にもなっています。

読んで下さっている方々を私の練習に付き合せてしまっているわけです。

ネタがある時もない時でも何か搾り出して書くことで自分の書くという能力を少しでも向上させようと思っています。

最近ではブログの師と仰ぐル・ボナーの松本さんのようにお笑い的な要素も取り入れようとしていますが、もがき苦しんでいる様子を読み取っていただけることもあるかと思います。

文章に笑いを取り入れて実際にそれを成功させることは本当に難しい。

でも私の目論見としては、慣れない笑いを取ろうと苦しんでいる姿が一番おもしろいと思っていただけるのではないかと思っています。

少し前から、一見無関係な写真が載るようになりました。

これも皆様には大変ご迷惑な話ですが、写真の練習をブログで行っているということになります。

文章と少しだけ関係のある自分の周りにある小物を撮ることが多いですが、写真も普通に撮れるようになりたいと思っています。

お客様方の中には、写真の造詣が深い方が多く、勇気のいることですが逃げていても仕方ない。

写真の拙さも面白く思って、心の中で「お下手」と笑っていただければ幸いです。


履歴書

2011-07-30 | 仕事について

就職活動をしている大学生の中には百数十社の入社試験を受けて、やっと内定が1つもらえたという人がいると聞きました。

それだけ今の大学生(だけでもないけれど)の就職活動は困難を極めているようです。

そんな大学生たちが就職試験を受ける時履歴書を提出する。

時間をかけて丁寧に書いている履歴書は一目見て分かるようで、そういった人は履歴書だけでなく、全てに気持ちが行き届いているのか、採用になる可能性が高いとのことです。

自分で書き残すものに意識がいくということはそれなりに物事に気が付くことができる人物だと言えなくもない。

恥ずかしい話、私が大学生の頃履歴書は必要事項を間違えずに埋めたらそれでいいと思っていたのかもしれません。

自分で書いた文字が残るということをはっきりと意識するようになったのは、ペン習字の堀谷先生に出会ってからかもしれない。

これも遅すぎて恥ずかしい話ですが。

履歴書を万年筆で書いてくる人は非常に少ないようで、数少ない万年筆で書かれた履歴書はとても丁寧に書かれていたそうです。

万年筆について、私は書き味についてばかり言ってきた。

でも本当は書き味よりも、その万年筆を握ってどんな気持ちになるか、丁寧に文字を書き残したいという気持ちにさせてくれるかどうかも考えないと片手落ちのような気がしました。

 


ヨーロッパへの憧れ

2011-07-29 | 仕事について

父と妹がドイツ、オランダ辺りを20日間ほど旅して帰ってきました。

旅の良いところのひとつは、その思い出をその共有者とともにいつまでも話せること。

だから旅は身近にいる人、たまには会える人と行くのがいいかもしれません。

いまだに谷本さんと会うと昨年旅行の話を飽きずにしている。

今年の北ヨーロッパはすごく涼しくて、ダウンを着ている人もいたとか。

そういえばF1ドイツグランプリでは気温が15度だといっていて驚きましたが、やはり向こうは相当な冷夏なのだ。

良かった。地球全体が暑くなっているのではなく、たまたま日本が暑いだけで。

でも今夏は去年よりもマシだという意見もチョコチョコ聞かれますね。

旅行の話に戻ると、子供の頃父はよくヨーロッパの方へ旅行に出ていた。

私たち家族は同行していなかったので、父のお土産がいつも楽しみだった。

旅行から父が帰ってくる楽しみがもうひとつあって、寝かしつけられる前にヨーロッパの街の中の様子などを臨場感豊かに話してくれることだった。

父の話を聞きながら、見たことのないヨーロッパの風景をイメージしていました。

それはどんな絵本よりもおもしろいと思ったし、今もその時頭の中で描いた風景はどこかの街の風景として心に残っています。

 


「もしドラ」を読んで

2011-07-28 | 仕事について

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだらを読みました。

オタクアニメぽい表製とAKBのメンバーを主役に映画化されたなどの情報により、あまり近付かないでいました。

しかし、ビジネス書が映画化されるという話はあまり聞いたことがない。どういうものなのだろうという興味が持っていたのでした。

たくさんのビジネス書の元ネタ(?)になっているドラッガーのマネジメントを読んでいないという後ろめたさもあり、工房楔の永田さんも最近繰り返し読んでいるとのことで、読んでみました。

組織をマネジメントすることの難しさややり甲斐などを勉強しながら、唯一理解しているスポーツである野球が題材になっていることもあって、楽しく読みました。

チームは他の多くのチームがしているようなセオリー通りの作戦では勝つことができないし、意識改革なしには急激なレベルアップは望めないなど、野球部員の立場に立って考えさせられました。

ドラッガーのマネジメントのような難しい本を(読んでいないけれど)誰にでも分かりやすく解説しています。
これを唯一の正解と思わずに、自分が属するそれぞれの組織について考えて、自分なりの正解を導き出す考え方を教えてくれる本なのかもしれません。


黒い大きな虫

2011-07-26 | 仕事について

人が思っている以上にたくさんの虫が私たちの身近なところにいると思うし、人類が誕生する前から彼らはしっかりと根付いた暮らしをしていたと思います。

この地球上に虫のいないところなどあるはずがなく、それらに目くじらを立てて殺虫剤で殺していったとしてもキリがないことを私たちは知らばければならない。

でもそうは言っても家の中にけっこう大きなゴキブリが出てしまったとしたらやっぱり気になって殺虫剤で追い掛け回してしまうのも仕方ないか。

そんな夏の夜の出来事。

いつもより遅い時間に帰宅することになり、駅まで迎えに来てくれた妻が少しプンプンしている。

仕事で遅くなった私を「空気が読めない夫」と言う。

今日は誰の誕生日でもないし、結婚記念日でもない。

少し遅くなっただけで責任を追及される覚えはない。

聞いてみると洗面所に大きなゴキブリが出て怖くておちおちドライヤーもできない。

高2の息子も風呂に入れないという。

妻は息子のことを「頼りにならない男」と言ったけれど、きっと17歳で本人は一人前だと思っている男がひるむほど大きなゴキブリが洗面所にして、家族は私に体を張ってそれを退治することを望んでいるのだと思いました。

私は車の中で気持ちを引き締めました。

どんな大きなゴキブリがいて、私に襲い掛かってきても勇敢に立ち向かおうと。

数分後洗面所で天井を天地逆の状態で這うゴキブリを見つた。

 

難なく退治。

家族の賞賛を受けたのは言うまでもありません。


旅に携える万年筆

2011-07-26 | 仕事について

お客様や出入りしていただいている業者の方々とお盆や夏休みの話をするようになりました。

実際私たちのカレンダーには夏の長期休暇があることは当たり前になっています。

夏の長期休暇に旅に出るという人はかなり多いと思いますが、旅に出る時の準備として私たちが真っ先に考えるのは、何の本を持っていくか、どのノートを持っていこうか、万年筆は何本でどれにするか。

家族旅行の3人分の荷物をスーツケースに詰め込んでくれる役割の妻が聞いたら「気楽でいいね」と言われそうですが、スーツケースとは違う自分の鞄につめるもの、移動中や夜ホテルでの時間をいかに充実して過ごすかをいつも考えてしまいます。

本はそれほど集中力を持って読めるわけではないので、エッセイや写真が中心のもの、雑誌などがいいかもしれない。

旅の気分を盛り上げてくれる紀行文なんかも探してみよう。

そんなふうに思って、昨年ドイツ、イタリアに4冊ほどの文庫本をスーツケースに詰めたけれっど、1冊どころか1行も読まずに帰ってきてから読んだのを思い出した。

万年筆はどうだろう。

それはノートとともに意外と登場機会が多く、インクの色違い、字幅違いで3本は持って行きたい。

メモ書き用の太字のペリカンと手帳用の細字のブライヤー、もう1本は書き味が好きなアウロラ88か。

 


森脇直樹さんの記事(7月24日神戸新聞明石版)

2011-07-25 | 仕事について

毎月最終土曜日(8月のみ25日木曜日開催)に聞香会を開催して下さっている香道師森脇直樹さんが神戸新聞明石版に掲載されました。

なかなか大きな記事で驚きました。

当店でお渡ししております、雑記からでも森脇さんの連載がスタートしました。

まさに時を駆ける人、とても誇らしく思いました。

 

 


ファミレスの夜

2011-07-24 | 仕事について

近くのサイゼリアというファミリーレストランが12時まで営業していることが分かって私たちの夜は長くなりました。

今まで10時閉店の西村コーヒーが二次会の場所でしたので、自然と解散はその時間になっていた。

でも山科まで帰らないといけない駒村氏のことを考えるとあまり遅くなれない、前回は高槻までの電車しかなかったと聞いているので。

近くの焼肉店やまなかで食事をした後、サイゼリアで話しましたがこういう語り合える時間は楽しい。

仕事の、結構真面目な話中心になりますが、こうやって話すことによって相手のことが少しずつ理解できる。

たいていの人は私より鋭いので、相手は必ず私のことを理解してくれている。

ドリンクバーのおかわりをしながら、灰皿にたまった吸殻で時間の経過を知り、もう帰ろうという時間になる。

二人でこうやって話しているのはとても楽しいけれど、いつまでも二人でだけで話していてもラチがあかない。

一人でも多くの人を巻き込んで、手数多く物事を実行にうつしていきたいと思っています。

駒村氏はまた高槻行きの最終電車に乗ることになってしまいました。


いくつかのノート(ミケルリウス、オックスフォード)

2011-07-23 | 仕事について

ツバメやライフなどの日本のノートメーカは紙質の良さ、製本の技術の高さなどの理由でとても良いと思います。

でも書きたくなる雰囲気という点において海外のメーカーは上手いというか、サマになっているとよく思います。

それは紙質や印刷の良さなど技術的なことではないセンスの違いのようなもの。

モールスキンのノートと出会った時、その書きたくなる雰囲気を初めて感じました。

そしてゴッホ、マティス、ヘミングウェイも愛用していた。

今では世界中のお店で売られている最もポピュラーなノートのひとつです。

値段も決して安くない、厚手のノートが最もポピュラーなノートになっているということは、それだけ書くということが好きな人が多いということなのだと思う。

書くことが好きでないと、モールスキンのようなノートは買わないはずだから。

ミケルリウスやオックスフォードノートを先日の展示会で見て、当店にも並べたいと思い仕入れました。

太いリングでたくさんの用紙が束ねられたもので、書き込んだ後ちぎってファイリングできるように穴が空けられている。

自分で空けたら済むことだけど、ちょっとしたことで手間が省けるし、使い方を提案してくれているようで心惹かれる。

このノートにたくさんの文章や企画を書いて、ちょっと悦に入る自分を夢見てしまう。

ついついノートを買ってしまうのは、そんな気分にしてくれるからなのだと思う。


FridayWorkshop“万年筆で描こう水彩画編”卒業制作展(8月19日まで)

2011-07-22 | 仕事について

絵が下手で、絵を描くということに興味を持てませんでした。

絵を描くということがどこか別の世界のできごとというか、自分がすることではないと思い込んでいました。

当店で神谷利男先生に万年筆画教室を始めていただいたのは、毎日書いている手帳やノートによりイメージをはっきりと残せる絵を描きたいということからでした。

最初人前で絵を描くということにとても抵抗があって、恥ずかしかったのを思い出します。

でもそれを乗り越えて1枚でも完成させると、楽しくなる。

それは私のような上手く描くことができない者でも、もっと描きたいと思えるのです。

今まで避けていた、絵を描くということを、そしてその楽しみを教えて下さった神谷先生には本当に感謝していますし、このワークショップをより楽しいものにしてくださっている参加者の皆様にも感謝しています。

(写真は作品の一部のみを撮影しています。)