元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

デルタブルース

2007-04-27 | 万年筆
学生の頃、戦前のデルタブルースに学院坂のローソンの四辻で出会い、私の血になっています。
ノイズだらけの録音の中から聞こえる、アコースティックギターの荒っぽい演奏とうめき声。未知の世界ですが、悪魔に魂を売ってブルースマンとして一人前になったという話も何人ものアーティストたちの伝説として伝えられていて、本気にしたくなるような鬼気迫る演奏を聞くことができます。
そんな伝説のブルースマンの一人、サン・ハウスが戦後再発見されて1965年に最後の力を振り絞って吹き込んだCDをデルタブルースの名盤として『ファーザー オブ ザ デルタ ブルース』をご紹介します。
万年筆とデルタブルース、全く異質で時代の中でも重なることのなかったものかもしれませんが、シンプルなものの中にこそ、本当に良いものがある。
私の感性は一貫してそのように働いてきました。

今後の方向性

2007-04-25 | 仕事について
今後の私の活動を気にしてくださっている方もおられ、有難く思っています。
一応今後の方向性といいますか、私がしようと思っていることをお話しておくと、6月中旬にホームページを立ち上げ、そこでペンを買っていただける環境を作りたいと思っています。
今それに向けて有能なホームページ製作の専門家2人に進めてもらっていますし、怖いほどキレるコンサルタントの先生にいろいろ教えてもらっています。
そしてこの3人は私よりも5歳以上年下で、3人の実績を聞いて、今まで自分は何をしてきたのだろうかと落ち込んだりしています。
主に私は取引先の開拓とネタ作りをしていますが、ロゴも決まっていない状態で本当に間に合うのやら・・・。
その都度ここでご報告しますので、温かく見守ってください。

退職の理由

2007-04-24 | 万年筆
今回の私の決断がすごく急だったと周りの人たちは思っているようですが、入社した時からイメージしていたことだったので、私自身それほど不自然なことではないと思っていますし、お客様方もそうするような気がしていたとおっしゃって下さっていますので、それほど自然に反したものではないと考えています。
ただ、多くの人たちに言ってきたことですが、社長になりたいとか、店を持ちたいという欲はなく、ただ自分自身をもっと世の中の役に立たせることができる方法があるのではないかと思っていました。
それが転職など他の組織に入ることによって実現するのでしたら、そうしたでしょうし、雇ってくださる会社があるのでしたら、喜んでそうしたと思います。
しかし、お世話になったナガサワ文具センターは会社としてはすごくたくさんのことを私にさせてくれたと思っていて、ここまで一人の社員に任せてくれる会社も他にないと思いましたので、独立という厳しい道を選択しました。
15年の会社員生活の中で感じ続けて、最後まで馴染むことができず、退職のひとつの理由になったことがあります。
それはそれぞれの会社によって文化があるということでした。
同じ100万円という金額の稼ぎ方が違うという問題は日常の仕事の仕方も違ってきますし、仕事の価値も違ってきますので、それは非常に根深いものだと思っていますし、理解されなかったらなかなか肩身の狭いものです。
私は会社文化を決して否定しませんし、会社のスピリットとして尊重していましたが、私にはできないということと、正解ではないと思っていたことが、最後まで馴染めず、自分を適応させなかった理由です。
しかし、それでも15年間もい続けた理由は、組織の中にいるという安心感を手放せなかったと言う他はありませんが、その組織にい続けながら反対だけしているのはただのへそ曲がりだと思いましたし、何も生み出さないただの評論家なのではないかと思い出した果ての決断でした。

15年で得たもの

2007-04-22 | 万年筆
会社のホームページで私が退職することが公になり、たくさんの人たちからお気遣いの電話をいただいたり、様子を見に来ていただいたりとか、とても心強く思いました。
皆様はどこの部署で仕事をしているか分からない私を探し出して、私の説明を聞きます。もし私が捕まらなければ、上司から説明を聞くつもりで電話されていきていると聞いて、その思いやりに感動しています。
私が15年間の会社生活で得たもの、それは素晴らしい人たちとのつながりだと思っています。
今は思い出がたくさん詰まっている、センター街の店で明るいスタッフたちと一緒に仕事をしています。
これから、このページで近況、予定など様々な報告をさせていただきますので、これからもよろしくお願いいたします。

海を見ながら

2007-04-20 | 仕事について
そういう人がおられることは、何年も前から知っていましたが、深くお話しするようになったのは昨年からでした。
法律事務所でバリバリ働いていて、不良債権の回収業務、投資会社のコンサルタントなど生き馬の目を抜くような業界で、多くの業績を残してきたS氏。
彼が事業を始めたのは大学1年生の時で、それを大成功させ、いわゆる勝ち組(彼はそう言われるのをひどく嫌います)という人たちの先頭をずっと走って来られました。
しかし、お金稼ぎゲームに虚しさを感じ、今は鞄修理職人という肩書きで自己紹介されますが、私にとっては経営アドバイザーであり、マーケティングの師匠です。
そんなS氏から「海でも見ながら、仕事の話でもどうですか?」とメールをいただき、お会いすることになりました。
勝手にS氏はBMWに乗っていると思い込んでいましたが、待ち合わせ場所にはベンツが停まっていました。
車の中で現状の報告をし、限られた情報の中から問題点を指摘していく彼の頭の回転の速さに驚きました。
垂水の埋立地のショッピングモールのカフェでどんな本にも載っていないような貴重な話を聞き、時には車やペンの話をして、あっという間に時間が過ぎていきました。
彼は私のしてきたこと、やりたいことに理解を示してくれて、アドバイスしてくれている。
そしてそれに夢やロマンという、マネーゲームと違う価値を感じてくれているようでした。

ル・ボナー!

2007-04-17 | 仕事について
4月だというのに、肌寒さを感じる日でした。
冷たい風の吹く住吉駅を降りて、六甲ライナーに乗り換え、六甲アイランドに向かいました。
六甲アイランドには、今回の目的地であるル・ボナーがあり、昨年の夏にご主人と知り合ってからずっと憧れの店でした。
ル・ボナーは思った以上の雰囲気たっぷりの店で、私たちはゆっくりおしゃべりしながら、気が付いたら非常に長い時間いてしまいました。
ご主人の松本さんは、古山画伯の影響で万年筆の魅力の虜になっていますが、その道楽がもの作りにも生かされていました。奥様のハミ様はそんなご主人を温かく見守っている。そんな理想的で憧れのご夫婦に感じられました。
そして、万年筆に関する様々な計画は松本さんの広い人脈から、どんどん大きくなっているようでした。
「協力するよ。」とさわやかに言ってくださった松本さんご夫妻に励まされ、昼過ぎの六甲アイランドを出ました。

ル・ボナーさんのホームページhttp://www.kabanya.net/

とてもいい会社

2007-04-11 | 万年筆
その女性は高校卒業後すぐにその会社に就職しました。
それから42年間働き、先日定年退職を迎えました。
在職中、結婚、出産、育児と会社から離れなければならないこともありましたが、会社は彼女の席を空けてくれていて、戻った時、気持ちよく迎え入れてくれました。
家庭を守りながら、会社で働くことは並大抵のことではありませんが、そんな彼女に理解を示してくれた会社と同僚たちに心から感謝していました。
「とてもいい会社です。」
もちろん大企業でしょうが、42年間勤めあげた彼女からそんなふうに言われる会社が本当にあります。
私たちは違う方向でもいい、定年まで働いてくれた人がそんなふうに言える会社を増やしていかないといけないのだと思いました。

インクの色

2007-04-10 | 仕事について
インクの色はそのメッセージを書いた人の個性や想いを伝える力になるべきだと思っています。
いくらいいペンを使ったとしてもそれはそのペンの使い手の自己満足のためだけにあり、メッセージの読み手には関係ありません。
そのことに多くの女性は気付いています。
彼女たちのインクの色への深いこだわりは、自分の好きな色やアイデンティティーカラーだけをひたすら追い求める男性とは違い、季節感を取り入れたものだったり、メッセージの内容に合ったものだったり、とてもスマートにカラーインクを使い分けています。
今年は特にピンク色がもてはやされているようで、春の訪れの喜びが感じられました。

朝型を宣言

2007-04-03 | 万年筆
店の営業時間が10時から21時になり、レジを締めたりして帰ると、23時過ぎの帰宅になってしまいます。
それから夜食を済ませ、風呂に入ると0時半とかかなり遅い時間になってしまい、その後のメールチェックや文章作りが眠気と戦いながらの作業になってしまいます。
何とか惰性で目的を果たすと3時とか4時ということも珍しくなく、翌朝7時には起きるので、ここ数年続いていた慢性的な寝不足状態もあり、この生活を続けるのが困難になってきました。
何とかしたいと思って出した結論が、笑われそうですが、朝型生活です。
ずっと宵っ張りの生活を続けてきた体にとっては、すごい結論なのです。