元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

名古屋行き

2023-03-20 | 実生活

 

ペン先調整の機械は同じような仕事をする人が少ないこともあって、既製品はなく、使っている人それぞれがオリジナルの仕様のものをそれぞれ違う人に作ってもらっています。

私が使っている機械は名古屋の機械製作会社さんが作って下さったもので、ペンランドカフェさんのところにあるものの兄弟機とも言えるものです。

2015年頃、新たに調整機を作りたいと思っていたところに、ペンランドカフェさんがオリジナル仕様のペン先調整機を作られたと聞いて、当時ペンランドカフェさんの社長だった高木さんに調整機を作ってくれる会社を紹介してほしいとお願いしました。

ライバル店とも言える当店からの申し出に関わらず高木社長は快く応じて下さって、ペンランドカフェさんで機械製作会社の尾崎さんに会わせて下さいました。
高木社長にお願いした私も厚かましいような気がしますが、何かそういうことも受け容れてくれるような人間の大きさを高木社長に感じていて、何のためらいもなくお願いしていました。

名古屋を訪ねた私を高木社長は歓迎してくれて、大須の街を案内してくれたり、奥様も同席して下さってお昼をごちそうになりました。

間もなく機械が出来上がってきて、それから7年間本当に酷使してきました。
砥石やアタッチメントを換えていろいろなものを試したり、一番良い使い勝手を模索しながら使ってきて、これが最も使いやすいやり方だと決まったのは、使い始めて数年経っていました。愛用を超えて、自分の一部になったと言うと、大袈裟かもしれないけれど、自分の仕事のシンボルのような存在になっています。

大切にしているわりにただ酷使するだけで、KURE5-56も吹いていないと言うと笑われましたがそれくらい私は機械音痴で機械の面倒を見て下さる方の存在は本当に有難い。
メンテナンス、オーバーホールに数時間かかるということで、尾頭橋駅から電車に乗って名古屋駅周辺をブラブラしている妻と合流しました。

名古屋駅は多くの人が行き交っていて、大阪駅よりも人が多いのではないかと思いました。
大阪駅周辺と違って、全ての鉄道が名古屋駅に集中しているからかもしれませんが、コロナ禍から街が立ち直っている様子を見ると明るい気分になります。

少しブラブラした後、お客様に教えていただいた鈴波という味噌漬けの魚を焼いて出してくれる店で夕飯にしました。
きっと地元では有名なお店で、早めに行ったにも関わらずすぐに満席になっていました。
たしかにびっくりするくらい美味しくて、二人大満足で店を出ました。

工場に戻るとメンテナンスはできていました。尾崎さんにお礼を言って名古屋を後にしました。
気持ちの良い人たちばかりを知っているからだし、当店のお客様も名古屋の方が多く、名古屋にとても良い印象を持っています。
神戸から新幹線で1時間ほどで行ける距離なので、行こうと思えばすぐにでも行けるのに今まで名古屋に遊びに行くことがなかった。
いつかまたゆっくりとこの街を訪ねてみたいと思っています。