一期一会 ~万年筆店店主のブログ~

哲学、想いを発信している、Pen and message.店主吉宗史博のブログです。

お笑いエリートの中で

2011-04-30 | 仕事の考え

関西の人、特に女性はお笑いに厳しくて、何か話すにしてもちゃんと最後は落としてオチをつけないと、何か問題発言をしたのかと思ってしまうほど、オチがないことを責められますし、しゃべりのセンスのなさに呆れられてしまいます。

何か薀蓄を語れる知識よりも、笑いの話術は高い地位にあり、関西ではオチをつけてお笑いに繋げて話すことは、その人の教養の高さを表しているようです。

関西においてお笑いは、大人なら身につけておかなければならない嗜みなのです。

私はずっと、大阪、兵庫で暮してきて、生粋の関西人ですが、実はお笑いのセンスに悲しいほど恵まれていません。

お笑いのセンスは天から恵まれるものではなく、磨かれていくものだと思うのですが、42年間お笑いが文化的にもかなり重要な地位を占めている地方の庶民の中で育ったのに、全く磨かれていません。

確かに手相を見ると私にはユーモア線なるものが見当たらず、手相占いの信憑性と私のお笑いのセンスのなさを裏付けています。

お笑いで生計を立てる芸人でもない普通の人が、日常の会話の中でテレビでやっているレベル以上のお笑いを差し込んでくる。

そんな関西において、お笑いのセンスに恵まれず、磨く努力を怠ってきた私は肩身の狭い想いをしながら、今日も無口に暮しています。

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ベスト

2011-04-29 | 仕事の考え

ご案内できておりませんでしたが、ゴールデンウィーク中も通常通り営業させていただきます。
5月4日(水)は定休日になっておりますので、お気をつけください。

 

昨秋ツイードのベストをオーダーして作ってもらい、とても気に入って着ていましたが、ウールのベストは春夏には合わないということを知ってから、麻かコットンのしっかりしたベストが欲しいと思っていました。

今年の私の服装のテーマはベストを充実させると決めていますので、自分の日頃の服装に合っていて、きっちりとして見える、着まわしのできるベストを探していました。

ブルックスブラザーズで夏物のベストが入ったと聞きましたので見に行きましたが、明るいグリーンの色合いがどうも私には似合わないことが分かりました。

結構いろいろ見て回っていましたので、既製品でなければオーダーするしかないと思いました。

ツイードのベストを作っていますので、オーダーをしても私でも買えるくらいの値段でできることが分かっていますので、結構気楽な感じでお願いすることができます。

オーダーと言っても、私がしたのは形が2パターンくらいに決まっていて、生地サンプルの中から好きな生地を選ぶというものです。

でも出来上がると当然ピッタリですし、ポケットの中のタグに自分の名前が入っていて、満足感はとてもあります。

6月中旬完成とのことで、とても楽しみにしています。

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蜂蜜そして聞香会のご案内

2011-04-28 | 仕事の考え

子供の頃、長野のレタス畑の手伝いの休憩時間に食べた蜂蜜をかけた食パンが今まで食べたものの中で、最も美味しいもののひとつでした、と言えば大袈裟かもしれませんが、その時食べた蜂蜜の印象があって、とても好きな食べ物(?)のひとつです。

毎朝焼いた食パンに蜂蜜をたっぷり塗って食べ、スプーン1杯の蜂蜜を舐める。

家では「プーさん」と言われています。

細い蜂蜜の瓶に入る長いスプーンも買いました。

毎朝食べるための蜂蜜を休日に買うのが楽しみになっています。

アカシア、コーヒー、レンゲ、オレンジなどなど。

蜂蜜の素になっている花によって微妙に味が違って、それを味わっていると聞香会で沈香の微妙な香りの違いを聞き分けるのを思い出します。

蜂蜜も沈香も産地の違い、原料になるものの違いによって、微妙な味、香りの違いが出る。

それらを正確に味わい、聞き分けるのは今まで使っていなかった頭の違う部分を使っているような気がします。

4月30日(土)15時から17時まで香道師の森脇直樹さんをお迎えして聞香会を開催します。

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天ファスナーブリーフ その後

2011-04-27 | 仕事の考え

ル・ボナーさんの天ファスナーブリーフを使い始めて10日が経ちました。

これまでに雨だったり、雨が降りそうだった日が3日ほどありましたので、持ち歩いたのは6日ほどでしょうか。

バレクストラのブリーフケースでも雨の日でも気にせずに使っていたのに。

でもブッテーロは使って磨いて、光沢が出て、表面が硬くなるまでは、雨などがかかると、雨シミがついてしまうと聞いていましたので、非常に神経質に注意して使っています。

本当に大切にしたい鞄と出会ったという感じ。最初はゆっくりと使い慣らして、長く使っていきたいと思っています。

この鞄を手に入れて、最初にしたことは長過ぎるショルダーストラップを自分が使いやすい長さに切るということでした。

ストラップの長さを慎重に合わせてカッターで切り、トンカチで叩いて革に丸い穴をあけるもので、金具を通す穴をあけました。
こういうものをひとつ持っていると非常に便利でいろんなことに使うことができます。

この鞄は基本的に手で提げて歩きたい、でも電車の中などでメモを書いたり、本を読んだりする時に両手をあけておきたい。
ストラップはそんな時に必要になります。

ストラップを使わない時に、邪魔にならないようになるべく短くしました。

手で提げて歩いて一番感心しているのは、その取っ手の長さと太さでした・。

非常に持ちやすく、、見た感じも悪くない。

膨らんで形が崩れないように、中にいれるものを少なく工夫したり。
とても気に入って使っています。

 

 

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ルーペ

2011-04-26 | 仕事の考え

毎日の仕事なので調整に関しての話出せばいくらでもあります。

私にとってペン先調整は趣味の延長とか、好きでしているといったものではなく、生きていくための手段であり、唯一私が世の中の役に立てることなので、今の仕事が趣味の延長だと言われると少し違和感を憶えます。

そういうものなので、調整に使う道具も実用以外の何ものでもなく、特にルーペは調整を始めた時から使い続けている国産のものです。

某メーカーの万年筆工場で使っているもので、25倍のレンズは中央だけはっきり見える仕様になっています。

本当に何でもないルーペですが、もっと良いものを使いたいと思ったことがありませんでした。

仕事のコンディションが変わるのを無意識のうちに嫌がったのかもしれません。


最初はピントを合わせるのも難しかったルーペを今では目の一部のように無意識で使えるようになりました。

ペン先調整は、目の技術だと思っていますのでルーペは調整にとって最も大切な道具です。


小さなルーペからのぞいて見える光景はペン先の先端についているイリジュウムを中心に見ているわけですが、この形は本当に1本1本違っています。

工業製品である万年筆ですが、ペン先は手作業で調整されて出荷されるわけですので、それぞれ仕上がりが違って当然なのかもしれません。

こうやってペン先ばかり見てきて、書かずとも書き出しが出ない、引っ掛かるなどの症状が分かりますので、そういった現象が目に見えるものは直して店に並べます。

見慣れたルーペから見える景色には、いまだに感嘆と落胆があって感情を揺さぶられます。

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毎日のこと

2011-04-25 | 仕事の考え

もっと出て欲しいとか、少なくなって欲しい、引っ掛からないで欲しいと思って焦れば焦るほどペン先は逆の方向に向かおうとします。

たくさん削りたいと思えば軽くグラインダーに当て、インクを出したいと思えば軽く締めるくらいの気持ちの余裕を持たないとペン先は言うことを聞いてくれません。

楽勝だと思ったものには苦戦して、難しいと思ったものは結構短時間でできたりとたいてい思ったことと逆になるようです。

この10年以上毎日やってきたことの中で学習したのは、簡単だと思ったものには用心深く、難しいと思うものには腰を引かずに大胆に、それくらいの気持ちで挑んだ方がいいということでした。

ペン先調整というのは、技術的に難しいことをしているわけではないけれど、目の鍛錬、限界を見極める経験が必要なのだと思っています。

H先生はもっと細く、きれいな線が書けるように、Kさんは50度の角度で書いた時にできるだけ太く、というように調整の要求は人によって様々で、これに応えるのがペン先調整をする者にとっての仕事のひとつであり、面白いところでもあります。

なるべく要望に近付けるように、万年筆は何度も私とお客様の間を行ったり来たりします。

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杢との出会い

2011-04-24 | 仕事の考え

アウロラ85周年レッドとマーレリグリアが再入荷しました。
やはりとても存在感のある美しい万年筆です。イリジュウムの筆記面に少し当たりをつけて調整するとアウロラ独特とカサカサした書き味がなくなり、滑らかな書き味を楽しんでいただけると思います。



物の形やデザインにばかり捉われていた私は職人さんたちとの出会いで、素材を楽しむことを知りました。

工房楔の永田さんとの出会いでは、今まで最も馴染みのなかった銘木の楽しみ方について知りましたが、永田さんと最初にお会いした時、何て偏った考え方を持つ人だと驚きました。

私は今まで木の万年筆は長年使うと艶が出ていいですよと言ってきて、木というものを一くくりにしてきたところがありましたが、永田さんの考えは木の中でも杢のおもしろいものでないと使いたくないと言わんばかりの態度でしたので。

でもひたむきで、強気な発言をする永田さんと、デザインにこだわり木それぞれの木目の面白さを楽しむ素養を持ち合わせていなかったその時の私とは相容れるものなどなかったのかもしれません。

今ではたくさんの種類を揃えているパトリオットボールペンは、同じ形だからこそ木の違いを楽しむことができるということを理解しています。
こちらの方が玉杢がたくさん出ていておもしろいですよと、少し通ぶった説明ができるのも、辛抱強く木の見方を教えてくれた永田さんや木に詳しいお客様方からいろんなことを教えていただいたからなのです。

当店は工房楔の永田さんと出会って、万年筆と同じくらいかそれ以上マニアックな木の世界の入り口を店の中に設けることができました。

工房楔の作品を手にして木の楽しみを知ることは、通好みの物を手にする喜びだと思っています。

工房楔の永田さんが東京のイベントの参加されますので、お近くの方はぜひお立ち寄りください。http://www.ozone-craft-m.com/

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無骨なペリカン

2011-04-23 | 仕事の考え

コートはウールがいいし、靴や鞄は革であってほしい。

たとえそれが重かったり、最初硬くて馴染むまで時間がかかっても。

そしてデザインにはトラディショナルなものがいい。

そういうものは長く飽きずに使うことができるので、しっかりとした作りであってほしい。

それは万年筆に求める条件でもあります。

デザインは変わったものでなくてもいいし、極上のフィーリング(書き味)を持っていなくてもいい。
それよりも安心して使い続けることができるものを理想としています。

インクは吸入式でたくさん入れることができれば、筆記中のインク切れでペンを交換しなければいけなくなる回数が減るので望ましい。

そんなふうに考えると、これにあたる万年筆は意外に少なくて、私の万年筆コレクションが同じようなものばかりであることに納得していただけると思います。

そんな私の心の狭い万年筆好みに入るもののひとつがペリカンです。

私が考えるペリカンの万年筆の良さは、インクによっての性能の変化が少ないこと、いつ取り出して書いても同じようにかけることなど、タフなところが気に入っています。

ものすごく柔らかくてうっとりするような書き味でもないし、デザインも無骨で洗練とは程遠い感じがしますが、長い期間、安心して書くことができる性能においてはペリカンという万年筆は抜きん出た存在であると思っています。

万年筆は筆記具で、それは書く道具以外の何ものでもない。

でも人生の中の長い期間使うに足る耐久性と格を身につけていないといけない。

ペリカンの万年筆からはそんなメッセージが伝わってきます。

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そればかり考える

2011-04-22 | 仕事の考え

他の人はこんなことを考えるのかどうか分かりませんが、何ヶ月かに一度自分が使っている手帳のシステム(そんなに大袈裟なものではないですが)について考え、組み立て直したいと思ってしまいます。

それは今まで使っていたものが上手く機能していても関係なく、定期的に頭の中に起こる思いつきで、それに頭を悩ませるという感じではなく、それを考えることはとても楽しい作業なので、暇さえあればそればかり考えています。

私の手帳の組み合わせは、メモ帳、記録用ノート、アイデアノートの組み合わせで、それぞれの役割はその時々で、大きくなったり、小さくなったりしますが、メモ、記録、アイデアストックの3つの要素の組み合わせは何年も変わらずにきています。

アウトプットを多くしたいと思っている時はメモをなるべく簡易的なものにして、アイデアストックへの書き込みを極力少なくします。

アイデアストックへの書き込みはとても危険で、書き込んだことに満足して、安心してしまうところが私にはあります。
思ったり、考えたりしたこともメモに書かなければ、アイデアストックの中に埋もれて、古くなってしまします。

今はメモの機能はそのままに、記録をもっとシンプルで機動力のあるもの、アイデアはもっと有効活用できるものにしたいと思っています。

これに合う道具を色々物色するのは、仕事と言いながら、最早趣味と言えます。

 

 

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着まわしの楽しみ ベスト

2011-04-21 | 仕事の考え

ベストの着こなしをル・ボナーの松本さんの服装から知りました。
それまでの人生でベストを着ることなど一度もありませんでした。

いや、子供の頃母親からチョッキを着せられて、それがお坊ちゃんぽくて気恥ずかしかった記憶はあります。

でも大人のベストは春から秋のシャツ1枚の服装のときに着ることで、よいアクセントになります。
シャツ1枚よりもおしゃれに見えますし、着方によればキチンとして見えたりしますので、いろんな着まわし楽しませてくれる便利なものです。

昨秋にブルックスブラザーズでオーダーしたツイードのベストをとても気に入っていて、春にも着たいと思っていましたが、春にウール素材のベストは暑苦しくて、何かおかしい。
そう言われて、コットンのベストを探していました。

ベストと一口に言ってもいろんな雰囲気のものがあります。

デザイン的に私の年齢に合わなかったり、アウトドア要素が強かったりして、自分に合うものがなかなか見つかりません。

昨日、妻のカゴ風の鞄を探しに本町辺りをブラブラ歩いていた時にたまたま入ったセレクトショップでやっと見つけました。

綿素材で、適度にカジュアルでオーソドックスなデザインのもの。
そして、インクが飛んでも目立たない紺色。

今月末にはブルックスブラザーズの新作のベストが入荷する予定で、買うことにしています。
それはきれいなグリーンのものなので、インクが飛んだりする店での仕事では着ることができませんので、仕事で着ることができるものを見つけたのでした。

まだ夜になると寒くなりますので、シャツにベストではまだ薄着過ぎる。
早く暖かくなって欲しいと思っています。

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