元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

六甲アイランドの優雅な夜

2009-09-29 | 仕事について
少し前の話で恐縮ですが、堺市のHさんが、ル・ボナーさんの前の広場に大きな天体望遠鏡を設置して、星を観る会を開いてくださいました。
以前は当店の前で月と土星を見ましたが、今回は木星を観ました。
お仕事が終わってから、ここまで来てくださり、重い大きな望遠鏡を設置するというHさんの労力を考えると、本当に頭が下がり、感謝の気持ちでいっぱいです。
店が終わってから少しでも早く着きたいと思い、三宮からバスで六甲アイランドまで行きました。
しかし、三宮からは料金的に安く、早いと思っていたバスでしたが、当店のある元町からだと割高で時間も電車よりもかかることが分かりましたので、皆さまお気をつけください。
夜の六甲アイランド、アイランドセンター駅周辺はそれほど強い光がなく、ボーツと光る街頭が点々とあるだけで、それはとても夜らしく、涼しくて気持ち良い金曜日の夜でした。
広場の中ではいろんな人たちが思い思いの楽しい優雅な時間を過ごしていました。
ここはまるで、ヨーロッパの街の夜を絵画に描いたような景色でした。
私たちが望遠鏡を覗いていると何人もの人たちが声をかけてきて一緒に観たり、ハミさんが近所のお店の人を連れてきたりということが普通にできる場所でした。
冷たく、緊張感のある佇まいを見せる土星に対して、木星は柔らかくフワフワした印象でした。3つの衛星も強い光で観ることができました。
日頃から観ている、宇宙に輝く一際強い光の大きく近い木星のリアルな姿に感激しました。
秋の涼しい風で涼みながら、星を観て、話をしたりする六甲アイランドの広場での時間はとても優雅で、松本さんがいつもブログに書いているこの街の雰囲気が少し分かったような気がしました。

創業2周年のごあいさつ

2009-09-23 | 仕事について
創業というのも照れ臭いですが、本日当店がオープンして2年になりました。
開店当初は先のことなど考える余裕などなく、その日その日をただどうすればいいのかということだけを考えて、日を重ねてきました。
まだ2周年ということで、軌道に乗ったとはまだまだ言えないですし(これは何年経っても同じかもしれません)、相変わらず経済環境は厳しい状態ですので、我々中小の自営業者にとっては不安な日々が続いていますので、こうやって2年の月日を重ねてきたように、これからも1日1日を大切にして、月日を重ねて少しでも長く続けられるように営業していきたいと思っています。
この2年はあっという間だったような、とても長かったような不思議な時間的な感覚を感じました。
それは店として早く月日を積み重ねたいという気持ちと有り難くも忙しく毎日を過ごさせていただいたことからくる感覚なのかもしれません。
どんなに焦っても当店が急に、店として最も名誉ある称号である老舗になることはありませんが、その称号で遥か遠い将来的に呼ばれるように、ゆっくりと年月を重ねていきたいと思っています。

2年間当店を支え、維持することにご協力してくださったお客様方にお礼を申し上げるとともに、これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。

楔の奏でる木の文具

2009-09-20 | 仕事について
永田さんが渋滞に捕まって、朝8時からイベントの準備をするはずが、開店10分前に到着して、バタバタの中準備するというハプニングもありましたが、楔永田さんによる当店創業2周年イベントを開催しております。
今回は、昨年からお願いしていて購入することになっていた私用のスツールを作って持ってきてくださるということで、特に楽しみにしていました。
背もたれのないスツールは、調整をする時の作業椅子として使います。
シンプルな丸型で、控えめな木目のウォールナットというのも気に入りました。
ずっとパイプ椅子で我慢した甲斐があったと喜んでいます。
このような木製の作業椅子は安いもので数千円で買えると思います。
でもその何倍ものお金を払って買うのは作り、材質などに作り手の妥協のない情熱を感じるとともに、使い込むほどに味わいが出る楽しみもあります。
もちろんスツール以外にも、小判型ペントレーなど新作がありますので、残り2日になった楔の奏でる木の文具展にご来場ください。
いつもの当店とはまた違った、楔の木製品が醸し出す優しい雰囲気を楽しんでいただけると思います。

万年筆で描こう 9月18日(金)19時~21時

2009-09-17 | 仕事について
自分で好きなものを描くという題材はとても自由で、簡単そうに感じられて、実はとても難しいことが考えれば考えるほど分かってきました。
それは何を描くかということです。
神谷さんにその題材を言われた時、非常に喜びましたが、今はとても迷っています。
今一番気に入っているものは実はあって、最近履きだしたばかりのビルケンシュトックの靴はお気に入りになっていますし、この靴のために用意した革の靴べらも気に入っています。
万年筆では胸ポケットがある服の時はいつも差しているM450。
休日用のル・ボナーの鞄。取り出す時に嬉しい、ホワイトハウスコックスの財布などなどきりがないですが、なかなか決められずに困っています。
でもこうやって考えると、自分の身の回りにあるものがさらに愛おしくなってきます。
そのものを持ってくることができなければ、写真でも結構です。皆様ぜひご参加ください。

創業2周年週間の企画

2009-09-15 | 仕事について
9月23日(定休日ですが)で、当店が創業して2年が経ちます。
昨年の1周年の時も楔の永田さんが記念イベント開催してくださいましたが、今年も9月19日(土)から22日(火)まで当店に常駐してくださり、イベントを開催します。
お馴染みのパトリオットペンやコンプロット10はもちろん、イベントのために作っている新作もありますので、ぜひご来店ください。
私個人的には、昨年オーダーして以来うるさく言い続けて、やっと作ってくれたスツールと小判型ペントレイがとても楽しみです。
他にも今まで見たことのないものに出会えると思いますので、楽しみにしていてください。

リスシオダイアリーを使い始めました

2009-09-14 | 仕事について
分度器ドットコム、大和出版印刷、Pen and message.3社共同企画のオリジナルリスシオダイアリーをすでに使い始めています。
マンスリーとウィークリーは2010年版ですので、まだ使うことができませんが、デイリーダイアリーはフリーダイアリーなので、予定表代わりのカレンダーのコピーがあれば、すぐに使うことができます。
カバーは本命のル・ボナー製のものが10月中旬完成予定ですので、以前使っていたクォバディスのものを引っ張り出してきて使っています。
私のこのダイアリーの使い方は、とてもいい加減で、仕事のことも、本を読んでインスピレーションを得たことなどを全てゴチャ混ぜで書いています。
たくさん書く日もあれば、あまり書かない日もあって、こういう時にフリーダイアリーというのはとても便利で、フレキシブルにページのやり繰りができます。
ある程度書き溜めた時に何もかもこの1冊に収まっているという安心感は何事にも代え難いと思っています。
メモやタスクなどは手近にある太字のペンで書くことが多いですが、このダイアリー、このリスシオ紙には細字のペンでギッシリと書くのが醍醐味なのかもしれません。
リスシオ紙はとても滑らかで、他の紙で書いた時に少し引っかかるくらいの細字のペンでも快適に書かせてくれます。
ページの開きやすさも快適な書き心地を助けていて、1日が終わった時、その日を振り返ってこのリスシオダイアリーに何か書き込むのが、楽しい日課になっています。
今まで手帳に挫折した人の中でも、これならずって継続できるという人も多いと思います。

ル・ボナーの革製品

2009-09-11 | 仕事について

今進行している企画の数々はル・ボナーの松本さんがいなければ実現しないものばかりで、少し忙しい想いをさせてしまって、気の毒に思っています。
しかし、ル・ボナーさんの革製品は他のお店でよく見るような工場で大量生産して、使っていると型崩れしていくものとは、作りも革の使い方も違い、使い込んで自分のものになっていく時の気分がとても良いです。
私たちも、多くのお客様がそうであるように個人的にもル・ボナーさんの革製品に惹かれ、松本さんとハミさんの人柄に惹かれて、自分たちの店でル・ボナーの革製品を扱っています。
先日休みであるにも関わらず、松本さんが納品に持ってきてくれたデブペンケースhttps://www.p-n-m.net/contents/products/category2-5.html
は分度器ドットコムの谷本さんとともにぜひ店で扱いたいと思ったもので、二人でお願いをして、かなり多めに作っていただきました。
風変わりな形と、オーバーなくらいの大きさ。そして良い革の質感と作りの良さ。
ファスナー式ペンケースの革のものを使うことが、何となく大人の行為であるような気がしていて、そういう時に大量生産でない、質感を大切にしたものを使いたいと思います。
松本さんは現在オリジナルのリスシオダイアリーのカバーも作ってくれていて、こちらは試作もどんどん完成度を増していっています。
鞄作りでも忙しいのに、いつも急かしてばかりで本当に申し訳ないと、松本さんには思っています。


ライフワークの思想(外山滋比古著)

2009-09-11 | 仕事について
神谷さんが教えてくれた、外山滋比古の「ライフワークの思想」が最近の混沌としていた私の思想をすっきりとさせ、覚悟をはっきりとさせてくれました。
店をオープンさせて、ある程度安定してきてからの私は仕事のことでも、生活のことでも邪心を持っていたように思います。
何か迷いがある時に、道を間違えそうになっている時にこうやって導かれるきっかけを示してもらえたことは有り難いことだと思っています。
私は自分が唯一社会の役に立てると思って始めた仕事で、違うものを得ることばかりを最近考えていたような気がします。
自分のライフワークだと人に公言できるものがあるだけで幸せなことで、そのライフワークを結実させるために人生の折り返し地点を折り返した自分の人生を賭けなければいけないはずなのに、間違った思想を持ちそうになっていました。
「ライフワークの思想」では、ライフワークを結実させるために必要なことは自分の繰り返しの毎日をいかに忠実に自分らしく黙々と生きながら、考え、自分を磨くことだと教えてくれています。
静かだけど情熱を絶やさずに、繰り返しを考え、努力し続けることが、毎日を偉大なる繰り返しにし、ワイフワークを結実させる唯一の方法だと教えられました。

オープン2周年イベント

2009-09-05 | 仕事について
9月23日で当店は開店して2年になります。
すごく長い時間をこの店で過ごして、毎日本当にたくさんの人と出会い、いろんなことがありましたので、まだ2年しか経っていないということが信じられません。
もっとたくさんの時間が過ぎたような気がするような、でもあっという間だったような不思議な感覚です。
しかし、お店にとって2年というのはまだ始まったばかりで、誇れるほどのものではない、通過点のひとつです。
とは言っても2年間この店を続けることができているということはとても有り難いことで、当店をご利用して下さっているお客様には心から感謝しています。
そしてお客様以外にも当店を助けてくれている仲間たちのおかげでもあります。
そんな仲間たちのうちの一人、工房楔の永田さんのイベントをオープン2周年企画として開催します。
日程は9月19日(土)~22日(火)の当店営業時間中です。
イベントの期間、楔の作品を充実させ、永田さんが常駐して、お客様に説明などしてくださる予定になっておりますのでぜひご来店いただきますよう、お待ちしております。

リスシオ・ワンダイアリー完成

2009-09-05 | 仕事について

分度器ドットコム、大和出版印刷との3社共同企画で進めていましたオリジナルダイアリーが完成しました。
https://www.p-n-m.net/contents/products/category2-3.html
大和出版印刷が万年筆のために開発した紙リスシオ・ワンと開きやすさと丈夫さを併せ持った同社の製本技術を使って作り上げました。
分度器ドットコムの谷本氏がその形、サイズに理想的なダイアリーの姿を見た正方形サイズで、分度器ドットコムと当店のノウハウを表したダイアリーフォーマットも特徴になっています。