元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

オマス ボローニャコレクション サーティーファイドエディション

2011-10-17 | 仕事について

こういう万年筆を見ると、万年筆はやはり趣味の道具だと思います。

そのモノの役割は文字を書くという、かなり崇高な行為に使われるものですが、万年筆を愛でながら使う心は子供の頃夢中で遊んだおもちゃのそれとあまり変わらないのかもしれません。

とくのこのオマスボローニャコレクションサーティファイドエディションはそういった要素が強いのではないかと思います。

14金のペン先ユニット(首軸ごと)を外して、付属のボールペンユニットをつけるとローラーボールペンとしても使うことができます。

万年筆をわざわざボールペンに入れ替えなくても良いではないかと思われるかもしれませんが、愛用している万年筆用インクをボールペンでも使うことができというのは、大いに面白い要素だと思いませんか?

通常のボローニャコレクションよりもひと回り小振りのスターリングシルバーのボディになっていて、その持ち心地は小さいのにずっしり重い。

通常のボローニャコレクションのサイズでは重くなりすぎると、オマスは考えたのかもしれませんし、小さい方が面白みが出るとおもったのかもしれません。

この万年筆のテーマになっている、ボローニャは昔から中央政府とは距離を置いた地方自治精神の強い土地柄として有名です。

街の中心部はアーケードのように屋根のついた小道が巡っていて、雨の日でも濡れることなく街を歩くことができますが、道に不案内な人は太陽が見えないため、方向感覚が奪われ迷子になりやすい。実際昨年のボローニャ、オマス社訪問で何度も道に迷いました。

そのアーケードをポルテコと言い、その起こりはある人がボローニャ大学の生徒を下宿させるために通りに覆いかぶさるように2階に部屋を増築したことが最初で、それがボローニャ中で流行って、気付けば通り全部がポルテコに覆われていた、といったところなのではないでしょうか。

でもその街並みは自然発生的に偶然にできたとは思えない美しさを持っています。

独立心が強く、自治意識の強いちゃんとした人たちが住んでいる、道に迷いやすい街ボローニャ。

ボローニャの街に思い入れのある人はもちろん、ない人も楽しめるおもちゃのようにいじる楽しみのある万年筆がボローニャコレクションサーティーファイドエディションです。

(Bが入荷しました 99750円)