元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

何も欲しない静かな暮らし

2006-06-20 | 万年筆
日本的なものが好きで、庭園や建築を訪れることがよくあります。
以前ある日本庭園を訪れた時、茶席のある小さな建物に行き当たりました。
その建物は全てが小ぢんまりと作られていて、どの部屋にいても同居人の気配を感じることが出来るくらいの広さです。
中庭に面した縁側からは、きれいに造られた山水の庭園を見ることができます。
そんな小さな日本建築を見ると、そこで営まれる静かな生活を夢見てしまいます。
よく晴れた冬の日には縁側に注ぐ陽の光を浴びながら寝転がって本を読む。夏の夜は蚊取り線香を炊きながら、遠くの花火大会の花火を見ながら本を読む。秋の夜は虫の声を聞きながら、また本を読む。
横には長年の連れ合いがやはり本を読んでいる。
読書の合間に、ちょっとした世間話や、今読んでいるそれぞれの本の話をする。
おいしく点てたお茶をすすりながら、ゆっくりと時間は流れていく。
がつがつと時間を急がない、何も欲しない暮らし。
そんな静かな暮らしによって育まれる日本人らしい心、感性。
最低限のものしか持っていないけれど、かけがえの無いものがある。そんな暮らしを最近繰り返し、イメージしています。

座談会の夜

2006-06-04 | 万年筆
私は人前で話をするのが何よりも苦手で、あがり症ですが、ペンドクターとともにお客様の前に出て、座談会なるものをしてしまいました。
できれば人前で話をするのは避けたいと思うほうですが、ペンドクターにお話を依頼した時、話の弾みでこういうことになってしまいました。
ペンドクターだけに話をさせて、自分は横でただ聞いているというのがすごく悪い気がしましたし、その方が皆さんも喜んでくれるかと思いました。
それで無謀な企画を立ててしまいました。
時間中は自分の用意してきた質問がネタ切れになりかけて、早く時間が経てばいいと思っていましたが、私の代わりに質問をしてくれるお客様方、私たちの代わりに応えてくれる方、笑いに反応してくれる全員の方々の温かい気持ちがすごく伝わってきました。
慣れないことをしている私を助けてやろうという会場の皆さんの気持ちがすごくありがたく感じました。
人前で話すのは何度やっても慣れないでしょうが、懲りずにまたやってしまうかもしれません。