元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

英語講座 Kobe Writing Club 

2018-01-19 | お店からのお知らせ

愛用の英語道具。袋は靴の袋から自作しました。

 

仕事に必要なスキルとして英語は自分の課題としてあり続けてきましたが、仕事で英語を駆使するようになれるまでにはすごい時間と努力を要するものだということを岩田先生と出会って、海外とのメールのやり取り、電話の応対などそのお仕事ぶりを見ていて思い知りました。

これは自分が今から取り組むべきものではない、それよりも他に自分にはするべきことがことがあると思いました。

しかし、世界共通の言葉としてとても便利な英語から逃げていて良いはずはなくて、世界を相手に仕事をしたいと思っているのなら辞書でも、google翻訳でも使って、相手の言っていること、書いてくる内容を理解して、こちらの意図は伝えられるようにできないといけない。

当店で開講します英語講座「Kobe Writing Club」はそんな私のような人をイメージしていて、英語を万年筆で書いて楽しむことを中心とした講座で、数か月で話せるようになるというものではありません。

ここ数日岩田先生が用意してくれた課題をノートに書き写して、それを訳しています。
まとまった時間はとれないので、寝る直前までの時間に音楽をかけて、コーヒーを飲みながらしている。
とてもモタモタしているけれど、本当に楽しい。

筆記体は書いているうちに手が思い出してきました。
若い頃はもう少しは覚えることができたと思うけれど、なかなか単語が覚えられなくなっていて、同じ単語を何度も調べています。

万年筆をこんなに思う存分走らせる機会はそうそうないと思いますので、万年筆で書くことを楽しむために英語講座「Kobe Writing Club」にご参加いただければと思います。

2月の募集はあと1人で締め切りですが、他の月(6月まで)はまだ空きがあります。

以下ご案内になります。

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~手で書くことから始まる英語の楽しみ英語講座~ Kobe Writing Club開講のご案内

 

万年筆で、筆記体で綴りながら、音読を楽しみ、みんなで意味や感想を話し合う英語講座を始めることになりました。

講師は、当店の輸入交渉をお願いしている岩田朋之先生です。

岩田先生は、旅行代理店などで勤務後、独立して現在日本企業の輸入をサポートする会社アジアンロードを経営しておられます。

企業の英語トレーニングなど、英語講師としても実績があります。

岩田先生は帰国子女などのネイティブではなく、仕事の中で英語を再勉強して身に付けたので、英語を習う人が難しいと思う所などがよく分かるそうで、それは英語講師として大変な強みだと思います。

万年筆店であるPen and message.での英語講座 Kobe Writing Clubへのご参加のお申込みをお待ちしております。

 

カリキュラム(120)

1.    ウォーミングアップ 

2.    今週の課題についての解説

3.    ライティング練習

休憩

4.音読

5.歓談(英文の意味や感想についてできる限り、英語で楽しく話し合います)

6.講師まとめ 英文の出てくる重要単語や構文などについて整理します。

受講料3500(講座で使用するノートは別途お買い求めいただきます) 

 

日程

毎月第2木曜日 18:3020:30 1120

2回目3月15()

3回目4月12()

4回目5月10日(木)

5回目6月14日(木)

 


仕事について

2018-01-15 | 仕事について


南禅寺水路閣

 

AIの進化でなくなる仕事があると言われている。

今までも機械化やコンピューターの発達で私たちが子供の頃あった仕事も最近見ないというものもあるので、時代の流れというものなのかもしれないけれど、その中で私たちは何を価値として仕事していけばいいのだろうと思う。

例えばスーパーのレジが無人化されるという話も、無人レジが多くの店舗に置かれるようになって、誰もが本当にそうなるのだと実感していると思います。

7年前にドイツに行った時、スーパーのレジの女性たちが皆椅子に座って、ほとんど動かずに客がベルトコンベアに載せた商品をただスキャンして、代金を受け取るだけという光景を見て、あまり良い感じがしなかった。

椅子に座らせることで時給を下げることができるのかと考えたけれど、きっとお客さんがレジの女性に何も期待しないのだろう、あれなら無人レジとさほど変わらないのかもしれない。

年末年始の買い物で妻とスーパーに行きました。

レジに並ぶ時に、妻に促すレジに並びました。何でと聞くと、そのレジの担当の女性がテキパキとしていて、渡してくれるレジ袋の大きさも数も適切で、応対してもらって気持ちがいいとのことで、知っている人は他のレジが空いていてもその人の所に並ぶという。

確かに丁寧だけど、早くて気分が良い。
無人レジが増えてもこんな有人レジなら価値はある。

通勤ではいつも電車バスを使うけれど、それぞれの運転手さんも本当にそれぞれだと思います。
特にバスは、ブレーキや発進にデリカシーのない運転が荒っぽい人がいて、そういう人の運転するバスにはなるべく乗りたくないけれど、反面ものすごく上手い女性の運転手さんもいて、そういう時はラッキーだと思う。

運転の上手い人は、お客を乗せているという意識が強いのか、降りるときも気持ちよく声を掛けてくれる。

AIが進化して、無人レジや無人バスが一般的になったら、今度は有人の良い仕事をする人が居るところが差別化できるのかもしれない。

レジやバスを例にとったけれど、それは他の仕事にも言えることで、AIの進化で並の仕事は淘汰されるけれど、その中でも良い仕事は残るのではないか。

それらの良い仕事の元にあるのは何かと思う。

心掛けとか向上心、あるいは危機感などなのかもしれないけれど、私は優しさだと思う。

お客様への型通りでない、心からの思いやりが良い仕事になって感動を与えるのではないか。

AIは優しさの担当ではなく、そこに優しさを求めるのは可笑しいけれど人には求める。

それに応えられる仕事をする人、なくなるのは業種ではなく並みの人による仕事なのだと思っています。
私たちは思いやりのある仕事を心掛けないといけない。


仕事の根源

2018-01-14 | 実生活

蹴上奥の発電所から見た平安神宮の鳥居

 

店をこうしたいとか、万年筆を多くの人に使ってもらえるようにしたいとか言いながら、私は家族を養うために仕事をしていて、その根本的な理由と自分を動かしているエネルギーの源は変わっていない。

家族の小さな生活を守るために万年筆の仕事をしている。

自営業は良い時も悪い時もあるけれど、何とか生活してくることができて、息子を大学に行かせることができたことは恵まれていたと思っている。

これで逃げ切ることができたわけではなく、まだまだ生きて行かなければならないので、あと30年くらいは今のレベル以上は保たないといけないと思っている。

お金のことに関して、私も妻も本当に楽観的で、結婚してから何とかなるだろうと思ってやってきました。

結婚したばかりの時も若かったせいもあるけれどほとんどお金がなかったし、息子が生まれた時もなかった。

ローンを組んで家を建てたけれど、そのローンは私が69歳まである。
あのまま会社にいたら払えなくなっていたと思うと、今考えると本当に怖いけれど、その時は何とかなると思ったし、今は何とかすると思っている。

自分の人生を振り返ってみて、金持ちだったことはなかったけれど、こうやって家族3人で元気に暮らしている。

自分の仕事を良くしたいとか、新しい万年筆を輸入するとか、夢やロマンを持って仕事していて、傍から見ると道楽でやっているように見えるけれど、本当は生きていくため、生活のために万年筆屋をやっている。

そうやって考えると好きなことばかりやっているわけにもいかず、嫌だと思うこともしないといけないのかもしれないけれど、したくないことはしない贅沢をしてきた。きっとそれでいいと思っている。

 


明けましておめでとうございます

2018-01-06 | 仕事について

今年最初の営業日を迎えています。

年末年始の休暇はゆっくりでいて、今年は京都に行っていました。

大晦日に京都でお気に入りの店に行ったり、元旦は家族で15,6kmも散歩したり、普段行くことができない水曜日定休日の店に行ったりしていました。

店から離れた場所で自分の仕事についていろいろ考えたいと思いましたが、日常から離れるとなかなかそのような思考にならず、結局頭が空っぽのまま新年の営業日を迎えてしまいましたが、今年もこうして営業を始めることができることを恵まれたことだと、とても幸せに感じています。

私はただ店に居て、来て下さるお客様方の応対をして、なるべく喜んで帰っていただけるようにしているだけで、それができる環境にしてくれている人たちがたくさんおられて、そういう人たちに恵まれていることは自分の運の良さだと思っています。
今この恵まれているものを大切にしたいと、新たな気持ちで今日を迎えています。

ホームページを見てお気付きの方もおられると思いますが、アメリカのブランド ウォール・エバーシャープを新たに扱うことになりました。12月中に入荷する予定がズレ込み、新年早々に入荷する予定でしたが、まだ入荷していないという海外メーカーとの取引らしい洗礼を受けていますが、商品が揃い準備ができましたら、ご案内させていただきます。

おそらく日本では当店以外に扱っている店はないものだと思います。
こういったこれまでの10年とは違うことも、今年は楽しみながらやっていきたいと思っています。

私は万年筆は気持ちよく書けるという大前提があった上で、楽しみも提供してくれるものであって欲しいと思っています。そして、その万年筆が自分の理想やポリシーを表現するものであって欲しいと思っています。

自分の生き方や理想を表現するものは人によって違っていて、それは万年筆でないかもしれないけれど、私は万年筆屋なので万年筆によってそれを表現する暮しを提案している。

よく書ける筆記具はずっと前に充分に揃っているし、安い部品を寄せ集めて万年筆の形に組み立てたものでも、普通に文字は書くことができるかもしれないけれど、それに自分の理想やポリシーは反映できない。

私たちはなぜ万年筆を使うのだろうといつも考えているし、理想の万年筆とは何かをいつも考えています。

それはきっと人によって違っていて、何通りもの答えがあると思いますが、そんなことを引き続き考えていきたい。

もっと具体的にそういったことを皆様にお見せしたいけれど、まだはっきりと形が見えていません。
でも、お見せできるようにしたいと思っています。
今年も何卒、よろしくお願いいたします。