毎月最後の土曜日に香道師森脇直樹さんに来ていただいて、聞香会を開催しています。今月は26日です。
普通聞香というのはお座敷に正座して、張り詰めた厳粛な雰囲気の中で執り行われますが、当店での聞香会は椅子に座って、リラックスした雰囲気の中で行っています。
それは本物の良質な香を作法に縛られず、皆さんに気軽に聞いていただきたいという森脇さんの想いがあるからです。
森脇さんが厳選した香を毎月聞かせていただいて、本物の香の香りを知ることができました。
それは今まで嗅いだことがある人工のものとは全く違うもので、本物のお香を知ると今までのものがとてもわざとらしいものに感じられます。
お香を聞き分けようとすることで、今まで使っていなかった頭の中の部分も使います。
私はなかなか慣れないですが、香りを頭の中で分類しようとする作業は今まで経験したことのない頭の使い方だと思いました。
森脇さんとは毎月の聞香会やペン習字教室、お茶のお稽古、WRITING LAB.での活動で一緒に行動していて、聞香会は始めてからもうすぐ4年になります。
森脇さんが理想の万年筆店を探して当店を訪れてくれたとき、今ではもう見慣れた和服姿でした。
居合わせたお客様方が森脇さんの服装に興味を持って、色々質問したり、話しかけたりして、とても暖かい、和やかな雰囲気になったことがとても嬉いかった。
でも普通和服で歩いたり、店に入ったりすると奇異に見られ、その場の雰囲気が一変することもあるようです。
そういったことも気にせず、自分のスタイルを貫いて、香道を追究したいという目標を持って生きている森脇さんを私はとても頼もしく思います。
森脇さんは私の母校に在籍していますが、私が21歳の時は全く違っていました。
私が21歳の頃、44歳の大人の人と行動を共にすることなどなかったし、当時の私が今目の前に現れても一緒に何かしようと誘うことはないだろうと思います。
でも20歳以上下の若者です。何となく息子と一緒にいるような気持ちになることもあります。