元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

旅の扉更新しました

2011-11-29 | 仕事について

トロンコとボンクの旅や日常の物語「旅の扉」(http://writinglab.jp/)更新しました。

今日は朝6時に家を出て大阪の業者さんに、RiverMailの駒村氏とお邪魔してきました。

帰ってから店を開けないといけないということで、朝8時からの商談に応じて下さり、親切に気持ちよく対応して下さった担当者の方にとても感謝しています。

WRITING LAB.の商品の材料の仕入れのためですが、とても良いものが見つかりました。

今はこれを早く皆様に見ていただきたいと思っています。

今年中に仕上がる予定の企画になっています。

 


旅の扉のために

2011-11-27 | 仕事について

WRITING LAB.ホームページ(http://writinglab.jp/)の登場人物トロンコやボンクについて考えることが多く、彼らのことをもっと知りたいと思うと言えば、白々しいかもしれませんが、なかなか彼らについて知らないことはたくさんありますので、彼らのことを知るためにも関連の書籍(?)を読んだりしますが、なかなか面白い作業です。

私たちには、モノや旅への探究心は必ずあると思っています。

自分に与えられた最小限のモノやスペースで満足して日々淡々と暮していくのは、尊く日本人らしい美徳であるのかもしれない。

しかし、それでは面白くない。

毎日使っていて嬉しいと思えるモノばかり使って生活したいし、足元ばかり見て暮すのではなく、時にはドキドキするようなサバイバルに出て、思い出を作ったり、スリルを楽しみたい。

我慢して、あるいは自分の中に芽生えたモノを欲する心を抑え込むのではなく、それを手に入れることを楽しむ。そしてそれを使うことを楽しんで人に語る。

トロンコとボンクにはそうあって欲しいし、そのような楽しい生き方を自分もしたいと思います。

我慢すること、欲を持たないことは尊敬すべきことだけど、そうではなく手に入れたいと思ったものを手に入れて、それを使ってより日常を楽しくする。

時には、手に入れないことよりも勇気の要るけれど、 エイッとしてしまう。

そんな生き方を、ボンクとトロンコはしてくれると思います。                                                                                                   

 


カントリーブーツ

2011-11-25 | 仕事について

革靴のエントリーモデルと言われる、トリッカーズのカントリーブーツを履くようになって1週間が経ちます。

イギリスのカントリージェントルマンの生活を支えるというその出自に惹かれて履きだしましたが、イギリスのカジュアル靴はそういう背景がどれにもあることが分かってきました。

でもカントリーブーツの良いところは気にせず履けるということで、張り出したソールが靴本体を守ってくれるし、傷などが目立たない少し派手に入っているメダリオンも理由があって好きです。

この靴を履いて、イギリス湖水地方のピーターラビットに出てくる風景の中を歩きたいと思ったりします。

すでに足に馴染んでフィットしてきた感じがあって、慣れてくるのが少し早すぎるかと思いますが、良い香りでも分かるのアッパーの革に素材の良さを感じます。

もうひとつある冬用の靴、レッドウイングのチヤッカブーツの方が足を包み込むような感じがあって、形はこちらの方が自分の足の合っているのかもしれないと思いますが、カントリーブーツを履いて出掛けることができるのはそれだけで楽しみに思えます。

靴は本当にたくさんの種類があって、その選択肢は無数にあります。雑誌など、靴の本を見ているのは本当に楽しい。

次に欲しいと思うものもたくさんありますが、自分の好み、ライフスタイルに合うものを見極めてこれから少しずつ増やしていきたいと思っています。


インクの色

2011-11-24 | 仕事について

昨日は祝日でしたが、水曜日ということで定休日とさせていただいていました。

普段家族3人で出掛ける機会がありませんので祝日の水曜日はちょうど良い機会でした。

それでも年に1,2度はこうやって学校の休みと水曜日が合うことがありますので、家族3人で出掛けて息子の服を買うというのが、行事のようになっています。

神戸市西部の垂水から、少し遠いですが、こういう買い物は最近西宮ガーデンズに行くことが多くなっています。

祝日などの出かけられるメリットは、様々な店のイベントに出会えること。

阪急百貨店の文具売場で、セーラー万年筆の石丸治さんのインク工房が開催されていました。

インク工房とはお客様のご希望の色のインクをお伺いして、その場でブレンドして作るというものですが、始められて7年経つとのこと。

7年という年月を聞いて、初めから知っているものとしてはなかなか感慨深いものがあります。継続させること、それが最も偉大なことだと思いました。

当店のオリジナルインクの色決めでお会いして以来でしたので、4年振りの再開で懐かしい。既に来られていた万年筆コレクターのSさんも交えてインク談義。

私はあまりインクの色を替えて楽しむ方ではなく、ブルーブラックかブラックんぼ色しか使っていなくて、それで満足しているところがありますが、インクの色に意味を持たせることによって、自分の精神性や世界観を表すものになる。

そう思って石丸さんに想いをお伝えして、インクを作ってもらいましたが、とても気に入っています。

最近メモ用に一番使っている金キャップのM300と同じくメモ用のペリカン60に入れて使っています。


WRITING LAB.ブログ 「旅の扉」更新しました

2011-11-22 | 仕事について

WRITING LAB.のブログ「旅の扉」http://writinglab.jp/更新いたしました。

「旅の扉」は毎週火曜日を更新日にしています。

トロンコとボンクの旅は始まったばかり、これからどんなところで何に出会うのか楽しみにしていてください。

明日(11月23日)は祝日ですが、定休日です。お気をつけください。

 

 


若かりし頃の憂鬱

2011-11-22 | 仕事について

昔のヒット曲がふと頭の中で鳴ることがありますが、そのメロディとともに思い出されるのが当時の記憶です。

具体的な出来事よりも、その時の感情やその頃全体を覆いつくすようにあった将来への不安。

10年後どころか、来年自分が何をしているのか分からない。

それよりも何をしていいのか分からず、何もしないまま漠然とした不安の中に住んでいて、二度とあのような時間を過ごしたくないと、若い頃のことを思い出すたび思います。

今は将来の不安は、危機感になってより重くなっているのかもしれませんが、何もせずただ時間が流れていく焦りよりも、やりたいことがある今の方がはるかに良くて、昔を思い出したくない自分の人生は常に今が一番幸せなのだと思えることはとても恵まれていると思います。

先日中学3年生の時の委員長から電話がありました。

同窓会をするという連絡でした。

あれから30年近く経ったのかと思うと、懐かしい皆が老けた顔を見たかったけれど、私はお店がありますので参加は叶いません。

でも若い頃(中学から大学卒業まで)の自分を思い出すのは、ほろ苦い気持ちになります。


トリッカーズカントリーブーツ

2011-11-18 | 仕事について

ビルケンシュトックで満足していたのに、靴専用の部屋があるという駒村氏の影響で、ここ数ヶ月靴が欲しいと思って色々物色していました。

一時オールデンを買う直前まで行きましたが、生産終了したブルックスブラザーズの別注モデル狙いだったためサイズが合わず断念。

それからも本を見たり、ネットを見たり、いろいろ調べていました。

オールデンの短靴を履きたいと思っていましたが、調べたり、自分の服装や好みについて考えているうちに冬の靴が欲しくなってきました。

自分の服装に合うブーツ。

ブーツでもいろいろあって、アメリカンなワーキングブーツからドレッシーなチャッカブーツまで。

トリッカーズのカントリーブーツはずっと気になっていました。

ハンティングなどで、野山を歩くようなライフスタイルを持つ人のために作られた(?)ブーツのため、トゥに傷が入っても目立たないようにメダリオンや足裏を保護する厚いダブルソールなどの仕様も好みでしたし、何よりもカントリーブーツという名前が好きでした。

カントリーという言葉がつく商品はいくつもあって、その言葉がつくだけでとても魅力的に感じられる。

今思い出せるのは、アディダスのカントリーというスニーカー、シビックカントリーという車、ジョージ・ハリソンが愛用したカントリージェントルメンというギターなど、カントリーという言葉には何か、タフで実用性を大切にする人のためのモノという響きを感じます。

女性にとってのカントリーと、男性にとってのカントリーとはとても印象が違うと思う。

靴の知識はほとんどありませんし、誰からもトリッカーズを勧められたわけではなかったけれど、カントリーブーツという名前にやられて購入しました。

靴底はレザー、ダイナイト、コマンドと3種類の中から選ぶことができましたが、一番丈夫そうなコマンドソールにしました。

野山を狩猟しながら歩く、イギリスカントリージェントルメンのためのカントリーブーツ。

私はこれで野山を歩きたいと思わないけれど、その気になればアウトドアで過酷な使用にも耐えるだけのタフさがあるというところが魅力です。繊細なものは好みではない。

カントリーブーツ、万年筆で言うとタフでハードな使用に耐える、そして誰もが知るペリカンM800のような存在なのかもしれない。

ありふれているけれど、誰もが手にして、誰もが愛用している。それこそ信頼するに値する道具の大切な条件だと思っています。

靴にいろいろあって、万年筆と同じような楽しみがあることを知った次第です。靴を履いて出掛けるのがとても楽しくなります。 

 


WRITING LAB.のブログ 「旅の扉」始めました

2011-11-15 | 仕事について

WRITING LAB.(ライティングラボ)http://writinglab.jp/のブログが始まりました。

WRITING LAB.というのは当店と山科のインディアンジュエリー、ステーショナリーのお店River Mailとの共同企画のブランド名で、ステーショナリーに限らず、万年筆を使う人が面白いと思えるモノやコトを企画していきたいと思っています。

ブログ「旅の扉」では、主人公となるキャラクター トロンコとボンクが旅の中や日常生活で出会った物や場所、人を紹介していきます。

絵本のような世界の中で、モノにこだわるトロンコとボンクの楽しみや気持ちに皆様が共感していただけたらとても嬉しく思います。

始まったばかりのトロンコとボンクの旅が今後どのような展開になるのか私たちにも想像がつきませんが、毎週火曜日には新しいストーリーをお届けする予定になっています。

ちなみに毎回ストーリーには、そのシーンを描いた挿絵が入りますので、それも楽しんでください。

こういったストーリーでいろんなモノを伝えるものがあればいいなあとずっと思っていましたので、「旅の扉」の今後の展開は私もとても楽しみにしています。

 


あじ名刺

2011-11-14 | 仕事について

活版印刷の見所は活字が紙を押した凹みで、その凹みをいつまでも撫でたり、見ていたいと思える面白さです。

これは名刺という印刷物ではないような。

活字の力強さも、見る人にかなりのインパクトを与える迫力があります。

活版印刷のあじ名刺をご注文して下さったお客様第1号分が出来上がりました。

お名前によって、サンプルとはまた違う雰囲気ができて、この名刺を見てお客様と「やっぱりエエなあ」とうなずき合いました。

100枚12600円で普通の名刺に比べるとかなり割高ですが、値段以上のものがこの名刺にはあると思います。

活字の力強さ、凹みの感じが写真ではなかなか出せませんが、この感動が伝わるでしょうか?


文章を書きながら

2011-11-12 | 仕事について

今、ある雑誌の文章を書いています。

最初の頃は気負って原稿用紙や立派なノートに書いたりして、スタイルが定まらずにいましたが、ここ3号分は大和出版印刷の薄型リスシオノートを使い切りで使うようになってきてしっくりくるようになりました。

リスシオノートにMのインク出の多い万年筆で小さな文字をビッシリと書くというのが、私の好みで、そうすると文字が潰れてしまうけれど、そうやって紙面が埋まっているのを見るのは楽しく、完全な自己満足の世界。

長い文章を書くにはあまり軽いものや、細軸のものは手が痛くなり、そういうものはメモを書く用になるのだと改めて思いました。

こういう文章を書く時に私はいつも自分らしく書きたいと願いを込めて万年筆を選びます。

私の中でタフな男の万年筆と位置づけているアウロラ88クラシック、ペリカンM800、カステルエボニーなどを交換しながらただ書きたいことをノートにチマチマと書き込んでいくのは楽しい時間。

家族が寝静まったダイニングで、閉店後の店の中で、行き帰りの電車の中で。

先日の夜電車が1時間半動かなかった時は結構この仕事がはかどってとても助かりました。

こうやって、毎号原稿をノートに書いて、後は苦しいパソコンでの清書が待っています。

なかなか難しいけれど、前号よりも今回、今回よりも次回は面白いと思ってもらえるものを書こうと深刻に思っています。