元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

アウロラ“静かなるイタリアの巨人”

2007-06-24 | お店からのお知らせ
アウロラの大陸シリーズの新製品ヨーロッパが発売されます。
大陸シリーズは1回目のアフリカ、2回目のアジアに次いで3作目です。
アウロラの限定品は、どれも気がつけば完売していたという感じで、人気があり、今回のヨーロッパも同様に、注目度の高いモデルです。
価格は万年筆で73,500円、ボールペンで39,900円。ともに7,500本限定です。

アウロラについて、私は特別な思い入れがあります。
そのデザインに魅せられて、自腹で(他に方法がありませんが)緑のオプティマを購入したのが出会いでした。
他のメーカーの正統的なペン、146やM800と違った少し短いようなプロポーションで真面目一辺倒ではなく、中途半端な不良っぽさがあるところと、でも吸入ピストンなどはスムーズに作動し、リザーブタンクまでついているという真面目なところの二面性が魅力でもありました。それはイタリア製とドイツ製の良いところを合わせ持っているといった表現になるのかもしれません。
前述しました、リザーブタンクとはインクタンク内のインクがなくなってしまい、書けなくなっても吸入ノブを回転させてピストンを下ろすことによってインクがレポート用紙1枚書けるくらいは湧き出してくるという独創的なシステムです。
アウロラはこのリザーブタンク付きピストン吸入を88を復刻させた1988年に発表しています。
アウロラはその時代ごとに画期的というか、時代を先取りした、業界をリードするペンを送り出してきました。
88、アスティル、テッシーなどがそれですが、アウロラのすごいところは、ペンのカテゴリーの中でだけ認められたのではなく、他のカテゴリーを含めた全ての製品の中でその価値が認められたところです。
それは、アスティルとテッシーがニューヨーク近代美術館の永久所蔵モデルになったということが証明しています。
私達はアウロラを語るときに必ずアスティルとテッシーの近代美術館の話をしますので、言い飽きて、聞き飽きてしまった話ですが、日本製のペンが日本の有名博物館にその芸術性によって所蔵されているかを考えると、本当にすごいことだと思います。
少し冷静にアウロラについて分析してみますと、イタリア」のほかの有名メーカーと決定的に違うところがあります。
それは製品のラインナップです。
日本国内に輸入されているものだけでも、リーズナブルモデルのスタイルから価格帯ごとにラインナップされていて、ペンメーカーとして愛用者を育てる意思が強く感じられます。
自分達の製品をライティングジュエリーと称して高級ラインだけを出したり、ブランド化しようとしているほかのメーカーと違い、これは筆記具メーカーとしての誇りと言えるのではないかと思っています。
そんな姿勢を持っているアウロラを私は信じています。

しばしお待ちください。

2007-06-14 | 仕事について
ご無沙汰しております。
毎日何らかのスケジュールがあり、それなりに忙しくしております。
現在、ホームページ開設とショップオープンをほぼ同時進行で準備しており、素晴らしい人たちとお会いする機会も多く、ご報告したいことはたくさんありますが、仲間達から固く口止めされており、記事にすることができません。
もうしばらくお待ちいただきますよう、お願い申し上げます。