元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

リスシオ1紙製品発売

2009-06-30 | 仕事について

ルボナーさんhttps://www.kabanya.net/fla/contents/product/index.htmlも分度器ドットコムさんhttp://bundoki.com/?mode=cate&cbid=10557&csid=2&sort=nも少し前からホームページに出されていて、出遅れてしまいましたが、大和出版印刷が万年筆に合う紙として開発したリスシオ紙の製品をアップしました。https://www.p-n-m.net/contents/products/category2-3.html
試し書き用サンプルを店に置いていて、その書き味は非常に好評を得ていました。
まずはバラの用紙を使用頻度の高いサイズにカットして、パッケージしたものを発売しました。
今後便箋、ノートと展開していく予定ですが、バラ紙の汎用性、無限の可能性は捨てがたく、多くのお客様が面白さを感じられているようで、皆様も用途考えながら使っていただきたいと思います。
リスシオ1は柔らかい紙当たりと、インクの伸びの良さでとても気持ちよく書く事ができる上に、裏抜けしにくいなどの実用性も兼ね備えた最上品質の紙です。
大和出版印刷の武部健也社長がコストや効率などを無視して、ロマンを求めて作り上げた夢の紙がリスシオ1です。


描ける雰囲気 第1回「万年筆で描こう」開催しました 

2009-06-21 | 仕事について
下手なのを気にせずに屈託なく絵を描くことがこんなに楽しいとは知りませんでした。
Friday Workshop「万年筆で描こう!」と銘打った神谷利男さんの絵画教室の第1回目「お気に入りの万年筆を万年筆で描こう」を6月19日に開催しました。
夜7時から9時の2時間があっという間に過ぎてしまいました。
神谷さんがいつも持ち歩いて描いている、タイムシステムのA4サイズのノートの内容を見せていただいて、感激したのが今回の講座をイメージした始めでした。
毎日つける日記に自分で描いたイラストなどが入っていれば、後から見返した時に楽しく、書くことがない時でも絵を描くことで万年筆を使うことを楽しめると思いました。
皆さんにも神谷さんのようにいかなくても、文字を書くだけでなく、絵を描いて万年筆を使いまくってもらいたい、そして自分自身もそうありたいと考え、神谷さんにお願いしましたら、ひとつ返事で引き受けてくださいました。
中にはものすごく上手くて周りを驚かせた人もいましたが、日頃絵を描くことのない、そして絵を描くということを忘れていた私たち生徒を神谷さんは励まして、最後には全員が描き上げて、皆にその絵を見せることができました。
あの時、この店には絵を描くことができる雰囲気があって、誰もがこだわりなく描くことができたことは、先生をしてくださった神谷さんと前向きな生徒の皆さんが作り出す一体感のようなものから来たのだと思いました。
次の日、ワークショップに参加された方の何人かが来店されましたが、口々に楽しくて、あの場所に居合わせてよかったと言っておられました。
次回、第2回Friday Workshop「今日美味しかった料理を万年筆で描こう!」は7月17日(金)19時から21時です。

6月の予定

2009-06-19 | 仕事について
6月19日(金)は延長営業日です。
11時から21時まで営業しており、今回は以下の講座を予定しております。

Friday Workshop「万年筆で描こう!」シリーズ 
第1回目「お気に入りの万年筆を万年筆で描こう」 6月19日(金)19時~21時
グラフィックデザイナー神谷利男さんによる、手帳や日記帳を書くことを楽しくするFriday Workshopシリーズです。
日程は未定ですが、内容を変えて2回目以降も開催いたします。
神谷利男さんの万年筆の試し書きや、いつも持ち歩いて描かれているノートを見せていただいて、万年筆で絵を描くことが本当に楽しそうに思えました。
私は絵心が全くなく、今まで絵を描こうと思ったことはありませんでしたが、神谷さんのように(その100分1でも)日記帳や手帳に自由に絵を描きたいと思いました。
このワークショップでは、堅苦しいルールを抜きにして、万年筆で絵を描く事を楽しむ、日記を描くことを楽しむという内容にしたいと思っています。
ぜひご参加ください。(参加費無料 インクを満タンにしてきてください)


税理士さんのご紹介

2009-06-19 | 仕事について

当店の税務、会計顧問をして下さっている神戸合同会計さんのホームページができましたのでご紹介します。
店を開けると決めた時、少し贅沢かと思いましたが、難しいお金のことなので相談できる専門家が欲しいと思い、ル・ボナーの松本さんから紹介していただいたのが、神戸合同会計の大原先生でした。
自営業をされている方は、税理士の先生にお願いしているという人が多く、誰にとってもこの分野の専門家に自分の会社のことを理解してもらっているというのは心強いようです。
もちろん毎月顧問料を支払わないといけませんが、税務、会計にあたっている自分の時間が節約できるだけでなく、仕事の相談相手が、しかも他社に情報が漏れる心配のない相手ができるということは、とても良いことだと思います。
税理士の先生との相性や人柄はとても大切で、何でも言いやすい人に相談に乗ってもらえる方が良いと思います。
税理士、会計士の先生をお探しの方はぜひ覗いてみてください。
http://kobegodo.zei-mu.com/index.html


強気と弱気

2009-06-17 | 仕事について
谷本さんの気持ちはものすごくよく分かりました。
どこのメーカーのものよりも戦闘力の高い商品を作らなければ誰も買ってくれないし、知って下さっているお客様だけがお付き合いで買って下さっても続いていけない。
少しでも良いもの、弱みのないものを作りたいという気持ちを強く持ちながらも、リスクはなるべく回避したい。
何もしなければ落ち込んでいくのではないかという、何かに追いかけられているように感じる毎日の中で、強気と弱気が自分の中から交互に出てきます。
私たちのような小さな店は失敗すればすぐに消えてしまうという不安な気持ちも持ちながら、私たちはその不安をバネにして、楽しみながら何かを作り出していこうとしています。
楽しまなければ、良いものは生まれないということも分かっているからです。
狭い生田新道の焼肉屋さんで、トアロードの半オープンカフェで話しながら、企画は1つ進んで、10歩戻りました。

万年筆博物館訪問

2009-06-11 | 仕事について
万年筆コレクターすなみまさみちさんとは私が万年筆の仕事に携わり出した頃からよくお話させていただいていました。
何も知らない若造にとても親切に熱心にいろいろなお話をしてくださって、たくさん勉強させてもらっていました。
店をオープンさせてからも変わらずお付き合いしていただいていて、今回の私たちの訪問も快く承諾してくださいました。
木曜日の午前中という無茶な日程にも関わらず、お忙しいお仕事のスケジュールを調整してくださり、私たちを迎えて下さいました。
最寄の駅に、ル・ボナーの松本さんとグラフィックデザイナーの神谷利男さんと待ち合わせました。
お二人ともすなみんさんのコレクションをとても見てみたいと思っておられて、声を掛けたら二つ返事で同行してくださることになりました。
事前にメールで送ってくださっていた地図に従って歩いていくと迷わずにすなみさんのお家に着きました。
テレビや雑誌で取り上げられたものを実際に目にすると、媒体の方がたいてい良いように見えていたりするものですが、すなみさんの万年筆の部屋はその逆で、放送や紙面ではこのすごさが表しきれていないということが分かりました。
1万300種類以上(本数にしたらもっと多くなります)の万年筆はキャビネットに納められ、ディスプレイ、看板、ポスターはきれいに飾られていました。
資料はきれいにファイルに整理されて収められていて、万年筆の歴史の全てがこの部屋にあるようでした。
部屋の隅には思考に集中したり、作業をするのに適した大きな机があったりして、とても魅力的なクリエイティブな気持ちにさせてくれる空間でもありました。
私なら何時間もここで過ごすことができると思いました。
非常にたくさんの万年筆を持っていて、その数が多すぎて1本1本に愛情などないのではないかと思ってしまいがちですが、すなみさんは全ての万年筆をとても大切にしていて、しかもまだ欲しいという情熱も持っておられました。
一番好きな万年筆はどれかと聞かれて、オマスのコロラドやオノトブルドックなどのすごい万年筆ではなく、古い小さなシェーファーを手に取られたところにすなみさんの原点と素朴さを見たような気がしました。
一度にあまりにもたくさんの万年筆を見た私たちが軽いショック状態から抜け出すのに、駅までがちょうどいい歩く道のりになりました。
しかし、時間がまだまだ足りないとも思っていました。
夢のような午前中を終え、それぞれ仕事に戻っていきました。

聞香会

2009-06-06 | 仕事について
森脇直樹さんの3回目の聞香会を開催しました。
お香というものを一人でも多くの人に知ってもらいたいという目的を持って、当店のような場所で香道に馴染みのない人に向けた活動をしています。
森脇さんはまだ大学生で、私の子供であってもおかしくない年ですが、その若さで人生の目的を見つけているということは本当に素晴らしいことだと思いました。
大学生の頃の私にはまだ見つかっていなかったと、自分の若い頃の迷路のような時間を苦々しく思い出しました。
森脇さんの聞香会は日常の生活の中で嗅ぐことのできない、とても高価な沈香などの香木を聞くことができるということもありますが、講座の中で話が脱線したり、聞香会の始まる前と後での会話で森脇さんの近況を聞くことができ、それが若い友人との再会のようで心が温まります。
それにこの聞香会をいつも包んでいる優しい雰囲気もとても良いと思っていて、この雰囲気の中に身を置いて、この場に居合わせた人たちとの一体感を感じることは幸せな時間でもあります。
何の道でもそうだと思いますが、それが目的としているものは自己研鑽であると思っています。
同じことを繰り返し稽古して、少しだけ上達していく自分に気付き、その道が指し示す精神修養をしていくのが道で、香道が森脇直樹さんという素晴らしい青年を育て、さらに成長させている。
それを見ることができるのも、私たち年上の生徒の楽しみでもあります。
この店が聞香会を開くのは、人と人とのつながりをお香というもので繋ぐことができるからであり、これからも続けていきたいと思っています。

土星の環

2009-06-03 | 仕事について
堺市のHさんがとても大きな望遠鏡をパサートワゴンの荷台に積んで当店に来てくださり、店の前の駐車場にセットしてくれました。
前回の六甲アイランドル・ボナー前で行われた星を観る会に参加できなかったのが残念でしたので、楽しみにしていました。
かなり日が長くなっていますので、閉店の7時では空が明るすぎました。
7時半頃まで待ってHさんのOKが出ましたので、居合わせたお客様Hさん、Fさんも交え、まず月に焦点が合わされている望遠鏡を覗きました。
強い光を放つ月の表面は刷毛で撫でたように滑らかな部分とクレーターの集まっている部分とあり、月にも地形の起伏があるのが非常によく分かりました。
ひとつのクレーターでも直径が何kmもあり、大きな山だったり、盆地だったりするのだと思い、最も近い星であるにも関わらず、宇宙の神秘を感じます。
望遠鏡は次のターゲット土星に合わされました。
月ほど大きくありませんが、レンズの中にきれいな環のある土星があり、一際明るい衛星がひとつ観ることができました。
その姿はいくら観ていても見飽きない、想像力を刺激してくれるもので、未知のものであるための不気味さとその静けさを持った外観が今も目に焼きついています。
火星、木星よりも遠い土星までの距離を知りませんが、宇宙の大きさを感じ、それらに何の影響も与えることのできない、その片隅でうごめく人間のちっぽけな存在を思いました。
いつも本やビデオを貸してくれたりしてくださるHさんからは本当にたくさんのことを教えてもらっています。
今回の星を観る会では、日頃あまり意識しない、とても大きな宇宙を感じることができました。
大変な思いをしている人の多い神戸の街の真ん中でこんなにのんびりした心豊かな時間を過ごすことのできている私たちは本当に恵まれていると思いました。