元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

1st. Anniversaryを祝って

2008-09-30 | 仕事について

著名、無名、二人のデザイナーの作品を当店の1周年記念の商品としてオリジナル化しました。
この2人の作品たちはどちらも自然がモチーフになっているというところに共通点があり、その数々の作品に共感しました。
当店の羽ペンのロゴマークをデザインしたのは、机禅オリジナルインクのラベルで、当店が大切にしたいと思っている日本的な美を表現してくれたシルバー作家のきりさんです。
それ自体は軽いけれど強く真っ直ぐな線を引く羽ペンをシンプルにデザインして、当店のマークとして定着させてくれました。
きりさんは美大卒業後、不動産会社、ショップ勤務などを経て、アートの世界に戻ってきました。
シルバーアクセサリーで日本人の心にある花鳥風月の美を表現しています。
作品のほとんどが1点ものなのでとても高価ですが、当店の1周年を記念して、量産の技法を用いて彼女にしては安価なキーホルダーを作ってくれました。
ロゴマークよりもフサフサした羽ペンは、当店が1年という時を経て、より多くのお客様に支持されることを願ったものですが、非常に繊細に作りこまれていて、その技術の高さを伺い知ることができます。
封筒をモチーフとしたプレートはメッセージを表し、羽ペンとともに当店名、Pen and message.を表現しています。
封筒の裏には、1周年ということで1本のローソクを立てたケーキとシリアルナンバーが彫刻されています。100個 の限定製作です。
https://www.p-n-m.net/contents/products/OK0028.html

ペリカンNo1ボールペンは、自然界にあるものをいつもデザインモチーフにしてきた、大御所ルイジ・コラーニの名作で、横顔がペリカンの顔になっているところがユーモラスです。
サイドノック機構を採用しているのは、比較的安価な価格を守りながら、ペリカンのシルエットを崩さないという狙いがあったと思われますが、このボールペンの実用上の特長になっています。
自然で滑らかな曲線を描きながら、グリップは三角形になっていて、握りやすさも考えられているところが、優れたプロダクトデザイナールイジ・コラーニの本領発揮といった見所であり、このペンが名作といわれる由縁です。
このNo1ボールペンに当店の名前を入れた白色を昨年のオープンの時に発売しました。
商品において、当店らしさが全く確立できていなかったオープン当初、唯一の当店の名前が入ったもので、まだ1年しか経っていませんが、とても懐かしく思います。
今年はこのブラックに当店の名前を入れて限定50本で発売します。
https://www.p-n-m.net/contents/products/OK0029.html

キーホルダーもNo1ボールペンも当店の美意識を体現している、小さな店のささやかな1周年を記念して製作したものです。


パイロットミュー90

2008-09-28 | 仕事について

数年前ポケマンという言葉をモノ情報誌、男性ファッション誌などでよく見かけました。
スーツの胸ポケットに差してサマになる万年筆を選ぼうといった内容のものが多く、私もそれについてサマになる天冠とクリップが洒落ているペンを選んで書いた覚えがあります。
今更胸ポケットに万年筆を差そうと言わなくてもほとんど万年筆にはクリップがついていて、ポケットに差されることが前提になっていますし、50年以上前からサラリーマンのポケットには万年筆、それがパーカー75の矢羽根のクリップなら少し鼻が高いということになっていて、新しい考え方でも何でもなく、以前カッコ悪いと言われていたことがある日突然モードになる、ある一定の周期を繰り返すファッションと同じようなものなのかもしれません。
日本の万年筆メーカー各社が、パイロットエリートに代表されるシャツのポケットに差しても底が当たらない、ボディの短い万年筆を発売し出したのは40年ほど前からでした。
シャツのポケットというところがポイントで、この時にはそれはお洒落やステータスを物語るものではなく、素早くメモを取るための実用の胸差しペンで、小さなメモ帳と一緒にポケットに入れられていたのだと想像がつきます。
私は日頃万年筆はペンケースに入れていますが、お客様との話の内容をメモするためにシャツの胸ポケットにいつも差しておきたいと思っていますが、ネクタイをしなくなって、シャツのポケットが浅くなっていることに気付き、この浅いポケットでも底が当たらない万年筆を捜していました。
ミニペンでは書きにくく、すぐにやめてしまいました。
胸差しメモ用万年筆の条件としては、取り出してすぐに書き出せるパッチンキャップ、丈が短いが書きにくくないという2つだけでしたが、それに当てはまるのは今はないパイロットエリートなどのようなショートタイプの万年筆だけだと思っていました。
そんな時に、ショートタイプの万年筆の中でも人気の高かったミューが復刻されました。
万年筆がメモという仕事の第1歩の作業に使われていた頃の実用的な考え方で作られた万年筆です。
書くときにボディをキャップにはめる時にもパチンと入って、ホールドしてくれますし、滑って仕方なかったボディはステンレスそのままということが気にならない,手にフィットする感じがあります、オリジナルモデルと比べて、細部の改良が施され、非常に使いやすくなっています。
ポケマンを意識して、キャップトップに人工宝石を入れているところもおもしろいと思います。
ボディ一体型のペン先はステンレスで、柔らかくはありませんが、書きなぐるメモ用万年筆に、金ペンの柔らかなフィーリングは不要なのかもしれません。
日々万年筆を使っていて、万年筆は実用の道具だと思っておられる方には、お勧めのメモ用万年筆です。
月産1000本で 合計9000本の限定生産です。入荷次第、順次お渡しさせていただく、予約受付商品になります。
https://www.p-n-m.net/contents/products/FP0084.html


暮しの手帖

2008-09-25 | 仕事について
暮しの手帖という雑誌を母が毎号買っていて、それは家にある唯一の雑誌でしたので、子供でしたがパラパラと見ていました。
この本の名前を聞くと子供の頃を思い出し、とても懐かしい気持ちになり、母を思い出させる数少ないもののひとつでもあります。
表紙の独特のイラストや中の写真、記事など他の雑誌とかなり雰囲気の違う本だということは子供でも分かりました。
暮しの手帖が広告を載せず、読者のための記事を書き続けているということはよく知られていることです。
そんなまさに生活する主婦のための良心の本、暮しの手帖のすてきなあなたにというコーナーで当店が紹介されています。
とても優しく温かい文章に、書かれたSさんのお人柄が現れていました。
人と人との繋がりから生まれた、優しい気持ちで書かれた、優しい文章です。
ぜひ、皆さん暮しの手帖36 10-11月号を読んでみてください。

雑記から10月号も完成しています。ぜひご来店、ご利用ください。

開店の時の感謝の気持ち

2008-09-23 | 仕事について
皆様からいただいたたくさんのお花を飾って、店をオープンさせてから1年が経ちました。
人間生きていれば勝手に齢をとっていきますが、店が齢を重ねるにはその店を使ってくださるお客様と手伝ってくださる関係者の人たちがいて初めて可能になるということが分かりました。
過ぎた時間についてあれこれ考えることはあまり好きではありませんし、今までやってきませんでしたが、1年前店を立ち上げて、来てくださったお客様に持った感謝の気持ちは忘れてはいけないと思いました。
江戸時代からの貴重な教え商人八訓の中に、開店の時を忘れるなというものがありますが、その教えの意味を体感しています。
この1年でお客様はもちろん、本当にたくさんの人に感謝しなければならないことがありました。
心強い精神的な支援もたくさんいただき、この店はすごいお客様と関係者の方に守られていると思いました。
非常に身近な存在になってしまい、その感謝の気持ちを口に出すのが照れ臭くなってしまいましたが、ル・ボナーの松本さんとは2005年に出会ってから、たくさんのことを教えていただきましたし、店を開けると決めた時から相談に乗ってくれて、店を運営するにあたって大切なことも教えてくれました。
松本さんの幅広い人脈を紹介していただいて、その方たちと仕事することができたこと、ル・ボナーを訪れるお客様に万年筆の楽しさを広めて当店を紹介してくれたは本当に助かりました。
仕事は人と人との繋がりとよく言いますが、それを早いうちに感じることができて幸運だったと思っています。
松本さんはご自身のブログで、ご自分のことをお節介な関係者と書かれていましたが、松本さんからのたくさんの恩恵により、お客様から見た時の魅力にもなっていて、より力強く時を重ねることができていると思っています。
松本さんが教えてくれた、相手の成功を助けるという協力の連鎖を私もつなげていけるようにしたいと思っています。
万年筆やその他のことについて見知らぬ人同士が語り合うことができる貴重な空間を大切に思い、当店をご利用下さったお客様方は、ご自分たちの力でこの変わった憩いの場を維持されて、1年無事に迎えさせてくれたと思っています。
これからも迷いながら、たくさんの人に助けられながら店を少しでも長く続けていけるように努力していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

仕事の一部

2008-09-23 | 万年筆
店をオープンさせてしばらくたった時、ル・ボナーの松本さんたちとKOKUBUへ行き、こんな世界があったことに驚きました。
今まで仕事仲間と食事に行くときは居酒屋以外考えられませんでしたし、バランザックのようなバーに行くこともあり得ませんでした。
もちろん私は無理せずして、KOKUBUへ行っているわけではなく、相当な勇気が必要ですが、こういう所に日常的に来ている人もいるということさえも知りませんでした。昨年は松本さんのおごりでしたが、今年はこの1年間お客様方が当店で使ってくださった本当にありがたいお金でKOKUBUに来ました。
お客様方のお金で来たからには、それをご報告しなければいけませんし、そう考えると私や松本さんがおいしいものを食べて、それをブログに書いて読んでいただくことはもしかしたら、それは仕事の一部なのかもしれません。
KOKUBUのカウターに座ったのは9ヶ月ぶりですが、マスターもお母さんも店も変わっていなくて、時間の経過を忘れてしまいそうでした。
前回来た時は古山さんが同席した他のお客様に自分の万年筆を書かせていたのがとても可笑しかったのを思い出します。
前回の経験から、500gは余裕で食べることができてしまうと思っていたので、差し入れにいただいたとても美味しい豆大福を谷本さんと食べてから出かけることにしました。
完全な空腹状態よりも、お腹に何か入っている方が心に余裕を持って肉のケーキと言われた極上肉を味わうことができると思いましたし、私以上に食べそうな谷本さんへの親切心でもありました。
全員何の迷いもなく200gを注文し、野菜の焼き物(それも大変美味しいですが)で焦らされながら、目の前の鉄板で他のお客様の肉が焼かれるのを見ていました。
見た目にもバランスの良い美しい霜降りの肉が焼かれるのを見るのは、その味への期待感がブンブンと煽られます。
神戸で最も良い肉が入るというKOKUBUには余計な演出や凝った内装など要らないと思いました。
この期待感と匂い、そして肉の味だけに、私たちが余所行きで食べるランチの10倍の値段をたくさんのお客様方は払うのです。
当店を出る前に、ル・ボナーの無料コンサルタントFさんと肉を食べながら白いご飯を何杯も食べる幸せについて語り合っていて、KOKUBUでも肉が出た瞬間に白いご飯を注文すると宣言していましたが、マスターと肉と白いご飯の無敵のハーモニーについて語り合っただけで、ご飯物はラストのガーリックライスまで待つしかありませんでした。
肉の甘みと肉汁お豊かな、とても美味しい肉を食べ終わった後、なぜか私たちはそれぞれが贔屓にする王将の話になりました。
ここで語るまでもなく、王将はチェーン店でありながら、各店で味も定食の内容も違い、それも魅力だと思っています。
御影の王将、垂水の王将など、それぞれが美味しいと思っている王将が結構あることを知りました。
ちなみに私のお勧めは、大学生の頃から行っていた地元元町の王将です。
いつもの夜の最終章、バランザックへ行きました。
バランザックは一人で考えごとなどをするのにも良いお店で、黙っていれば放っておいてくれる店だと思いますが、私は数人で行って、この静かな大人の空間でおしゃべりばかりしています。
店を出るときに肉について語り合ったFさんご夫妻と合流しました。
Fさんは市内某大手大企業でマーケティグのお仕事をされていて、そのお話は私たちの心を掴み、松本論を展開してくださり、自分の仕事のことも考えながら、バランザックの時間を大いに楽しみました。
行くたびに薄く入れてくださいというアルコールの量が少しずつ増えているように感じるのは気になりますが、全くノンアルコールしか飲まなかった私がアルコール入りをお願いするほど、バランザックはお酒が好きになれる場所だと思いました。
今回は松本さんも強めのお酒を飲んで、いつもよりもグルグル回られているようでしたし、永田さんの婚約者のKさんもおられたので、早めの撤収することになりましたが、神戸の夜は充分に更けていました。

永田篤史の木の世界スタート(~9月23日)

2008-09-22 | 仕事について
永田さんの作品は木の最も美しい部分、木目をペンというキャンバスに最大限に生かしたものだと理解しています。
木に良さをたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちから、多くの人が日常的に使って手にする、そしてかなりの銘木でも比較的安価に手に入れることができるペンを作り始めました。
それを専業とする木工家は家具や器などを作ることが多く、永田さんもそういった木工家が集まるクラフト展に出品することが多いそうです。
木工の世界では、10年以上活動してきた永田さんですが、アプローチしてくる方向が違うと同じペンでもそのお客様が全く違い、ステーショナリーの世界でその作品を目にすることはありませんでした。
木の素材の面白さ、原木段階からある欠けや傷、虫食いも面白さとして、敢えて残して利用する永田さんのペン作りは、ステーショナリーにこだわる方の中でも、そういったものが面白いと思う、日本人独特の不完全な美を理解する成熟した感性を持った当店の多くのお客様の心を掴んだと、ある時期に思いました。
永田さんの木に対する愛情やうん蓄、こだわりはバランザックや愛園などでお腹いっぱいになるほど聞いていて、お客様方も興味を持ってくれると思いましたので、今回のイベントを永田さんから申し出てくれた時、とても嬉しく思いました。
しかし、永田さんの作品を私も最初から理解していた訳ではなく、お客様方から後押しされて、扱いを始めたという経緯があります。
たいてい平日昼間の空いている時に来てくれて、二人共通のアイドルボンジョルノM氏の噂話で盛り上がる(たいていのお客様とこの話で盛り上がります)お客様のSさんが、私が使っていた永田さんからもらったパトリオットペンに非常に興味を持ったことがきっかけでした。
「吉宗さん、これはすごいものだから扱うべきだよ」
確かそんな感じで言われたと思います。筆記具の世界に長く居過ぎていて、お客様が感じる面白さに無頓着になってしまっていたのかもしれませんが、自分にその声を聞くだけの耳がまだあって良かったと思いました。

9月20日朝の8時半から準備を開始するという約束通り、永田さんが車で到着しました。
大きめのミニバンの座席を全て倒した広大な荷室全てが埋まっていて、大量の荷物に驚きましたが、全国のイベントに参加していて、このような会場の設営に慣れている永田さんはとても手際良く、準備をしていきます。
オープンまで30分を残して準備は完了し、余裕を持ってお客様を待つことができましたが、イベントが始まってからはあっという間に駆け抜けたような、一日がとても早く終わったと思えるほど、楽しい時間を過ごすことができました。
永田さんは職人独特の気難しさがなく、自然体で木へのこだわりを多くのお客様に話していました。
作品への理解を深めてもらうためのイベント。そんな落ち着いた熱気のあるイベントになっていると思いました。
閉店前にいつものように、集まってくる仲間たち。
KOKUBUの極上の肉と、バランザックの極薄アルコールカクテルが待っている夜へ繰り出す準備ができつつあります。

工房楔展 永田篤史の木の世界

2008-09-19 | 仕事について
この店では毎日が特別だと思い、この1年特にイベントなどはしてきませんでした。実際、毎日新たな出会いがあり、多くの方がここで静かな時間をすごされましたし、心通うお話もすることができました。
遠くから来ていただいた方もおられたり、居合わせたお客様同士が楽しくお話されたりしていて、このブログのタイトル通り、ひとつひとつの出会い、時間が一期一会だと実感しました。
そんな毎日を過ごしてきましたので、この1年あっという間すぎてしまいましたが、その1年の節目ということで、9月20日から23日まで、楔の永田篤史氏を招いて永田篤史の木の世界を開催します。
当店初のイベントということになりますが、永田氏の作品は今まで本当に多くのお客様から評価をいただいていましたので、ご期待に応える良い機会だと思っています。
聞くところによると400本以上の本数が用意できているとのことですので、皆様どうぞご来店いただきますよう、お待ち申し上げます。

カランダッシュエクリドールコレクションアンモナイト

2008-09-19 | 仕事について

筆記具の中には全く変わらない歴史のある、そして定番的な存在になっているものがあります。
それらにはそれを使っている人の主張や人柄を代弁してくれる、独特の雰囲気、存在感があり、良い筆記具にはそのようなものが備わっていると常々思っています。
万年筆で言えば、モンブラン149、146、ペリカンM800,M400,ラミー2000、アウロラオプティマなどがそうですが、ボールペン、ペンシルにおいてはそのような存在のものが少ないのかもしれません。
カランダッシュエクリドールシリーズは、モンブラン164、クロスセンチュリークラシックなどと並ぶボールペンの数少ない定番のひとつです。
この手のペンが太軸に少しずつ移行していく中にあって、これらのペンは細めの軸にこだわり、特にエクリドールは鉛筆という筆記具の基本サイズを忠実に守り続けている貴重な存在です。
エクリドール愛用者の多くがその特長として挙げるのがボールペン芯“ゴリアット”のフィーリングの良さです。
他社のものを凌ぐ滑らかさとインクの着きの良さを誇り、カランダッシュは特にこの芯の性能に自信を持っていて、販売員向けのマニュアルなどではこの芯の良さをアピールするように指示されていました。
そんなエクリドールコレクションで、廃版になっていたアンモナイトが数量限定で復刻されました。アンモナイトは、他のエクリドールがコーティング仕上げの銀張りになっているのに対して、コーティングされていないスターリングシルバーのボディを採用しています。
コーティングされていない純銀のボディは、放っておくと当然黒ずんできますが、使い込むと永遠の輝きを約束されたコーティング仕上げにはない味わいが出てきます。それは好みの分かれるところかもしれませんが、革のエイジングや、木軸の艶などと同じように、銀の使い込んだ風合いは愛着をさらに強くさせてくれる、使う喜びを満足させてくれるものだと思います。
そんなスターリングシルバーボディのアンモナイトの滑らかな書き味のボールペンと精度に定評のある0.7mm芯のペンシルが数量限定で復刻され、10月中旬に発売予定になっています。
ただいま予約受付中です。
アンモナイトボールペンhttps://www.p-n-m.net/contents/products/BP0043.html
アンモナイトペンシルhttps://www.p-n-m.net/contents/products/SP0005.html

 


ブックマーク新規追加しています。

2008-09-17 | 仕事について

私はあまりテレビを見ないのと同様に、インターネットも決まったホームページ、ブログしか見ず、しかも自分のブログの更新の時にパソコンを立ち上げた時だけ見ていました。
それはただ単に、本屋さんに行って読みたい本を見つけて、期待に胸を膨らませて家に持って帰って読むという気分と習慣が好きなので、時間が取れないというだけの理由ですが、これからはパソコンの前にいる時間が長くなりそうです。
偶然にも当店のお仲間お二人が新たにブログを始められました。ブックマーク(リンク)に追加しています。
つきみそう様http://panasy.blog.eonet.jp/kumamekuri/
another person様http://anotherperson7610.blog60.fc2.com/blog-entry-85.html
少し前から密かに、たこ吉様の万年筆評価の部屋も加えています。
http://pelikan.livedoor.biz/
当ブログともどもよろしくお願いいたします。


パイロットウルトラ

2008-09-16 | 万年筆
10数年前、初めて復刻されたこのペンを見ました。
まだ20代で、自分には縁のないペンだと思いましたが、良いペンだということはその存在感、良いものが放つオーラで分かりましたが、それほど太くはない、黒いボディの抑えた感じが自分の好みとは違っていました。
完全に市場から姿を消してしまったこともあり、それからずっとそのペンのことを忘れていました。
当店が委託販売を始めて少し経った時、私の目の前に再び姿を現しました。
持ち込まれたウルトラを書かせてもらいましたが、10数年間たくさんのペンを試してきた中でもかなり良い部類に入るペンだということが今頃裏付けられました。
硬いのに柔らかく感じる豊かなインク出、ペン先の厚さからくる落ち着いた滑らかさ。
本当に買う寸前まで心が動き、このペンを使っている自分をイメージまでしましたが、委託販売に持ち込まれたペンを店主自身が自分のものにしてしまったら、この委託品コーナーは育たないと思いましたので、他に欲しいと言われている方がおられたことを幸いに諦めることにしました。
昨日のブログに書いたように、国産旧型万年筆の中でも、プラチナプラチナ、カスタム72、ウルトラはいつまでも追い求めるペンになるような気がしました。
もちろん今のペンの方が快適に使えることでは上かもしれませんが、国産の魅力的な旧型には、安全策では勝負しないという国産メーカーの気概を感じます。
そんな時、開店1周年のお祝いということで、私の元に突然ウルトラがやってきました。
いつも来てくださる、奈良の先生が2本持っているからと言って、1本プレゼントしてくれたのでした。
金額的にも全く釣り合いがとれておらず、お恥ずかしい限りですが、10年前に新品で手に入れたプラチナプラチナ(小)をお渡ししました。
私がこの仕事をしているせいだと思いますが、お互いのペンを交換することは友情の証だと思っていて、私が使っているペンをお渡しすることで、お互いこの日を思い出に残るようにしたいと思いました。