元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

タイムシーン

2008-03-31 | 仕事について
グッズプレス(徳間書店)の別冊タイムシーンに当店とル・ボナーの松本さんが掲載されました。
タイムシーンという本は、ため息の出るような美しくも非常に高価な高級時計を特集をした本で、私たちが掲載されることはかなり異例のことだと思いますが、松本さんと親交のあるタイムシーンの主力ライターの名畑政治氏の執筆によって実現しました。
名畑さんとの出会いは他の多くの出会いと同じように松本さんを介してでした。
松本さんはある雑誌の取材で名畑さんと知り合い、親交を深めていて、松本さんの時計の先生でもあります。
そんなお二人と革工房ゲバラの高田さんと4人で鳥鍋を食べに行ったのが、名畑さんとの最初の出会いでした。名畑さんのモノにまつわるたくさんのおもしろいお話を聞かせてもらい、三宮駅で握手して別れてから、神戸に来られた時に店に寄ってくださったり、お友達のライターさんを紹介してくださったりと、行き来しています。
時計ライターということで、物ありきの人という先入観がありましたが、実際にお会いしてみると全くそんなことはなく、とても人間味のある人でした。
当店にある雰囲気、温かみを感じて、気に入っていただけたようです。

委託販売開始しました。

2008-03-30 | 仕事について
先日ブログでお知らせしましたペンの委託販売ですが、本数がある程度揃ったのと、什器の準備ができましたので陳列しました。
今回委託販売のスペースを作るためにまたしても古いガラスケースを1台仕入れました。
非常に古く、ボロのガラスケースですが、ガラス面が大きく、なかなか気に入っています。
話が逸れましたが、委託販売のために持ち込んでいただいたペンはなかなかの逸品揃いで、比較的手頃なものから、超高級なレアなものまで揃っていて、見ているだけでも楽しめます。
この品揃えは結構変化が激しいと思いますので、定期的に見に来ていただくと探していたものに出会うことができるかもしれません。

知識から刺激を受けること

2008-03-29 | 万年筆
自分の人生を振り返って、もう一度若い頃に帰りたいとは思いませんが、大人になってから知った、学ぶ喜びや楽しさを学生の時に知っていたかったとは思います。
今は自分の知識が増え、それに刺激を受ける自分の中での学習の連鎖反応が分かっているので、本を読みたいと思い、時間があれば活字を追いかけています。
読書に決まったテーマはないですが、様々なものを読みたいと思っています。
ある新書を読んで、今まで気にも留めていなかった侘び寂びの世界や千利休のことを知り、世界が急に広がったことを体感してからは、読書が生き方に影響を及ぼすことも知りました。
難解なものに憧れて、暗い階段教室で古い翻訳の本を読んでいる時の雰囲気はとても懐かしく、今も思い出しますが、その時に本当に知る喜びを知っていたかと思うとそうではなく、その本の雰囲気を楽しんでいたくらいに内容が残っていません。
本から刺激を受けるコツも分かっていなかったのですね。

成功と失敗の間

2008-03-26 | 仕事について
毎日ではありませんが、決断するときというのは結構あります。
大きなことも小さなこともありますが、失敗したらと思うと前向きな決断ができなくなってしまいます。
しかし、たとえ失敗したとしても100のものがゼロになるということはないということが分かりました。
ゼロになるほどの完敗はなく、その間という結果もあるという当たり前のことに気付いたのでした。
店を開ける前はゼロになることを恐れていましたが、中間もあるということに気付き、何となく気が楽になりました。
失敗しても全てを失うのではなく、一部を失うと思えば少しは気が楽になると思いませんか?

オープン半年の決算

2008-03-26 | 仕事について
昨年9月23日に店をオープンさせて半年が経ちました。
実感としてオープンまでの日々が迷いに迷う日々でとても長く感じられましたので、オープンしてからはあっという間に過ぎてしまったように思います。
しかし、店も半年するとさらに成長し、長く続いていくための問題点というか、課題が少しずつ見えてきました。
それらが見えてきたからといって、簡単に解決できることでもありませんし、問題解決には大抵お金が必要になりますので、できることできないことがあります。
ただいつも店で様々な場面を見ていますので、その問題点が見えていることがまだ幸せなのかもしれません。
オープン前にいろんな人に相談して、お話をうかがいましたがオープンして分かりました。
それはやった本人しか分からないということと、何が幸いし、災いするかわからないということ。
言い換えれば正解はないということです。
2つの選択肢があって、迷うということはそれはどちらを選んでも正解なのだと思いました。
ただし、選択するときにどちらが自分らしく、今の経営と辻褄が合っているかということと、少し先を見据えた時にどちらがこの時代に合っているかということを考えてから答えを出すべきなのかと思いました。
自分らしい答えを出すということは、その店のブランディングにおいて統一感を出すということに繋がりますし、時流を見据えることはビジネスにおいて当たり前なのかもしれません。
オープンから、この店は何も変わっていないように見えるかもしれませんが、ペンの品揃えはかなり変わりました。
それまで、私の経験から売れやすいものを中心に選んできましたが、この店の売れ筋とはかなりズレていました。
やはり店が変わればお客様も変わり、品揃えも変わります。
今までコアな万年筆マニアの方とお話することが多かったですが、この店では初めて万年筆を使う人や女性のお客様が多いので、その人たちに合ったものが自然に集まってきました。
先日のモンテグラッパの導入は、当店のお客様からかなり好評ですし、ビスコンティ、アウロラ、伯爵コレクションなども人気があります。
店はお客様が作るということを十分理解しましたし、新しく知り合ったお客様から刺激を受けています。
半年でも様々な変化があったのですから、この先ももっと変わっていくのだと思います。
私もこの店のこれからが、本当に楽しみです。

委託販売開始します。

2008-03-25 | 仕事について
新しいペンが欲しいけれど、使っていないペンがあるので後ろめたくて購入に踏み切れない。すでに廃番になったペンに魅力を感じるなどのお客様の声は以前から聞いていて、使われていないペンを使いたいと思っている人に回したいと思っていました。
それを解決できるひとつの方法として、ペンを委託販売することにしました。
お客様が手放してもいいと思われているペンを当方にお持込いただき、ご希望とされる価格で販売いたします。
ただし、当店への手数料が発生し、販売価格30,000円以下なら一律6,000円、販売価格30,001円以上なら販売価格の20%を申し受けます。
陳列期間は2ヶ月で、2ヶ月経っても買い手がつかない場合は価格を変更して1ヶ月延長するか、引き取るかを決めていただきます。
以上のような方法で近々陳列を開始したいと思っていますので、ご使用になられていないペンがありました、ぜひお持込ください。

柱時計

2008-03-22 | 仕事について
この店に時計がないのは別に大した理由があるわけではありませんでした。ただ単に店の雰囲気に合うものがなかっただけでしたし、自分の時計を見ていましたので、私自身は必要を感じていませんでしたが、お客様にはご不便をおかけしていたかもしれません。
少し前から古い、小さな柱時計を置くようにしました。
占領下の日本製ということで、昭和20年代前半に製造されたものだと思われ、60年以上が経っています。
文字盤に2つの穴があり、そこに鍵を入れてネジを巻くことはわかりましたが、マニュアルがなく、時間の合わせ方が分かりません。
でも来店されるお客様一人一人が少しずつ知識があり、だんだん分かってきました。
時間は長針を逆に回して合わすこと、右の穴が時計のぜんまい、左の穴が時報のぜんまい。振り子の長さを調節して時間の進み、遅れを修正すること、突き出ている針金を押し上げることで時報だけを進めることができるということなど。
必要な知識は揃いました。
時々傾きが変わって、気がつけば止まっていることがありますが、動いていればとても正確に、そしてとても良い音で時を知らせてくれます。
扱うのがとても面倒な昭和の道具ですが、今のオートマチックなものには代え難い味わいを感じることができます。

趣味の文具箱Vol.10発売

2008-03-21 | 仕事について
趣味の文具箱Vol.10が3月21日発売になります。
今回は先日取材をしていただいた当店が見開き2ページで紹介されているとともに、当店周辺のお店も紹介されていて、神戸、元町ツアーのガイドにも使えそうな内容となっています。
コラムも書かせていただいていて、今回は国産万年筆特集です。
今までずっと皆様にお伝えしたかった国産万年筆の魅力や各メーカーの違いをご説明しています。
他にも一昨年お会いしてとても印象に残った人、松江の中屋万年筆店久保勝彦氏のことを古山浩一氏のおなじみの文と絵で紹介していたり、セーラー万年筆の神様長原宣義氏への清水編集長のロングインタビューがあったりと、人にスポットが当てられた記事が多く、おもしろいと思いました。
Vol.10という記念号ということもあり、編集部の思い入れも今まで以上に強い、趣味の文具箱最新号をぜひ、ご一読ください。

ミネルバボックスの革小物

2008-03-19 | お店からのお知らせ
ル・ボナーさんの廃番になってしまったショルダーバックを通勤でも、休日でも愛用しています。ミネルバボックスという革を使っていて、その革の手入れ方法は水拭きです。水で濡らして、固く絞った布で磨きあげるようにこすると、非常に美しい光沢が現れます。そんな光沢を出した鞄はどこに行っても好評で少し鼻が高い想いをしています。同じミネルバボックスの革を使った革小物を扱っています。ル・ボナーさんの製作ではありませんが、以前からよく知っている国内のメーカーさんの手によるもので、手頃な価格ながら良い物だと思っています。私もコラムペンケースを使っています。柔らかな革の感触のあるペンケースにずっしりと重くなるほどのたくさんの文房具を入れて持ち歩いていますが、なかなかの使用感の良さに満足しています。もちろん水拭きして、光沢を出して使っています。 https://www.p-n-m.net/contents/products/category5.html