元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

時代は動いている

2006-11-30 | 万年筆
100億円の売上を誇る会社は、101億円の売上の会社の前では値打ちがないし、ペン1000本の在庫をアピールする店は1001本の店の前では値打ちがなくなります。
今の時代がそうなのか、ずっとそうだったのか、企業やビジネスの値打ちがお金の額で決められていて、その金額が少ないと値打ちがないように思われます。
いわゆる負け組の負け惜しみに聞こえるかもしれませんが、自分や自分の勤める企業が負け組みだとは思っていません。
自分のすることや、私の属する企業の判断基準がお金の価値でしたら、必ず負け組みになっていくと思われますが、人々に何を訴えることができたか、どんな感動を提供できたか、ということが活動の基準になっていけたら、将来は明るいと思っています。
今日、ある鞄修理職人で、デザイナーで、物書きの元法律家というおもしろい経歴の人と話していて意気投合しました。
彼はそんな時代がそう遠くない将来に必ず来ると言っていました。
私も世の中が、静かに確実に動いていると思っています。

漆布塗りのトレイ

2006-11-19 | 万年筆
大阪であったある掘り出し物市で漆布塗りのトレイを見つけてペンの演出用に購入しました。
木地に布を張って、その上に黒漆を塗り、その上にラフに朱漆を塗ったとても味わい深いものでとても気に入っています。
最近このような日本の伝統工芸のものの魅力に取り付かれて、深く入り込んでいきそうです。
日本の美のあり方、渋さ。そんなところに私達日本人は帰って行くのかもしれませんね。

飯碗

2006-11-11 | 万年筆
生まれて初めて陶芸のようなことをしたのが9月。
忙しくて窯元に行くことができませんでしたが、やっと今日都合がついて取りに行ってきました。
作る前にイメージしたのは、ご飯でも抹茶でも使うことができるものでした。
肉厚を薄くしすぎてよれよれになってしまったり、ろくろのスピードが早すぎて形が崩れたり、何度もやり直しましたが、何とか形にして帰ってきました。
出来上がったものを見せられて、思わず笑みがこぼれてしまいました。
かっこよくできたとか、名作だったということではなく、自分が作った器を見るのがすごく嬉しかったという素朴な喜びを感じました。
少しいびつですが、素朴な侘びを感じます。

親父

2006-11-07 | 万年筆
あるペンドクターとの仕事が終わり、ペンドクターは家に帰る暇もなく、四国に発ちました。
私はその人を親父にような存在だと皆さんに紹介しましたが、今回の仕事でその想いはさらに強くなりました。
私が仕事において煮詰まっていると感じると、その人は私自身への啓発だけでなく、さらに突っ込んだ行動に出て、私を活性化させようと各方面に働きかけてくれました。
私もその人の気持ちに答えたいと思いましたし、その気持ちを感じた私の上司が動き出してくれています。
他にも親身に私のことを想ってくれて応援してくれている人もいて、その人達の気持ちに応えるために、そのペンドクターの意思を継いで、ペンの世界を活性化して大きくしていきたいと思いました。