元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

ホームページ

2007-10-31 | 仕事について
店の準備を始めた時から、先にホームページを立ち上げて、9月に店をオープンさせますと、たくさんの人たちに申し上げていました。
店は予定通り9月23日にオープンしましたが、ホームページが様々な事情で遅れていました。
既にできている表紙には9月オープン予定と書かれていますが、9月も終わり、10月も終わろうとしています。
ですがこの度、やっとホームページ完成の目途が立ちました。
ショップの紹介、案内などのページは11月2日、買い物カゴなどのウェブショップ機能は11月27日頃(予定)に完成します。
非常に遅れて、皆様にご迷惑をお掛けしましたことを心からお詫び申し上げます。
ウェブショップの機能はまだ立ち上がっていませんが、私がブログでご紹介した商品、ほかお問い合わせの商品などありましたら、お電話(078-360-1933)ファックス(078-360-1933)あるいはメール(penandmessage@goo.jp)でお問い合わせ、ご注文いただきましたら、代引き配送させていただきますので、ご利用ください。
お買上げ金額1万円以上でしたら送料、代引き手数料は当店負担でお送りさせていただきます。
お買上げ金額1万円未満お場合は、送料、代引き手数料実費頂戴いたします。
お振込みでの決済も可能ですので、その都度お問い合わせください。
よろしくお願いいたします。

狩野永徳展に行ってきました。

2007-10-28 | 万年筆
戦国時代は日本の歴史の中でも最も劇的な時代のひとつとして、よく取り上げられていますし、現代のビジネス社会を戦国時代にあてはめて解説している本も多くあります。
そんな戦国時代の中でも巨匠として生きた文化人、狩野永徳は同時代に生きた千利休とともに、戦国武将たちの間でも、自分らしさを失わずに生きたという点で興味深い存在でした。
日本統一に最も近かった武将織田信長、それを実現した豊臣秀吉が千利休を茶道に迎えたことと同じように、当時狩野派の絵を所持するということはステータスだったのではないか、絵画的価値と同じくらい、政治的な力がその絵の価値を決定したのかもしれないと思いました。
つまり、絵画の良し悪しの分からない武将たちも盲目的に狩野永徳の絵を欲したのではないかと思っていました。
狩野永徳はひっぱりだこで大作を多く遺して、過労死したのではないかと言われているほどです。
そんな先入観を持ちながら、狩野永徳展に行きましたが、思ったまま書くと、意外に感じたほどの繊細さ持ち合わせていました。
大きな襖絵や屏風絵などに描かれた人物たちの表情に、背景や景色の大胆な筆使いと違った、繊細さを感じました。どの人物も静かで優しい表情に描かれていました。
大作を練るための下書きに使われた帳面もあり、そこに弟子たちに指示を与えたと思われる色を指定した墨書きが生々しさを感じさせました。
今流行(?)の日本画の展示、そして京都国立博物館という集客のある会場だけに場内は混雑していましたが、人の間を縫って観た狩野派の絵からは、安土桃山の豪奢を尊んだ美とその時代を感じることができたと思いました。
古の人たちに思いを馳せるのに最適な地にいるということもあり、歴史のロマンに心が動きました。

オリジナルツバメノート第2ロット入荷

2007-10-27 | 仕事について
多くの方からお問い合わせいただいていて、当店の人気商品になっているオリジナルツバメノートの第2ロット分が入荷しました。
1ロット相当な数でかなり時間をかけて売り切る覚悟でツバメノートさんにお願いしたものでしたが、分度器ドットコムの谷本さんの協力もあり、予想を遥かに超える短期間で2回目の注文をすることができました。
これにはツバメノートの渡邉さんも喜んでくれて、すぐに第2弾を作ってくれました。
第2ロット分からは、ツバメノートさんと相談して、仕様を少しだけ変更しました。
本当に僅かな変更ですが、背張りの赤いアクセントテープの材質をより上質なものにしました。
赤の色目が少し深くなりましたが、それ以外は変更ありません。
オリジナルノート販売に協力してくれた分度器ドットコムの谷本さんとは、会社を辞めてすぐ、ある方の紹介で知り合いました。
おもしろい人がいるから会ってみたら?と言われて、会いに行った分度器さんのオフィスには今まで見たことのないペンが、芯ホルダーを中心にたくさんありました。
谷本さんは芯ホルダーが面白くて仕方ないと言います。
海外の物もチェックし、日本の物もおもしろいものがあればすぐに手に入れることで、多くのお客様から支持されています。
芯ホルダーは鉛筆の芯が入っていて、書き心地は素朴で懐かしさを感じますが、そのボディにはメカが仕込まれていて、特に男性の心をくすぐるのではないかと思いました。
太芯のホルダーも削りで尖らせれば、文字を普通に書くことができますし、鉛筆なのでイラストにも使いやすいのが特長です。
子供頃は鉛筆を削って尖らせ、先が折れたり、丸くなったら削るという作業を当たり前にしていたのに、削るという習慣をいつの間にか忘れていました。
谷本さんとの出会いは、そんな懐かしい気持ちにさせる新しいペン、ホルダーとの出会いでもありました。
それから連絡を取り合っていて、当店のオープンの日にも来てくださいました。
特に約束を交わしたわけではありませんが、協力関係は出来上がっていて、私はノートを、谷本さんからは普通では手に入らないペンを提供し合っています。
それぞれ独立した店として一匹狼的な存在ですが、そういった協力関係を築くことによって、補い合い、刺激し合える仕事ができるのだと思いました。

パーカーソネット福

2007-10-26 | お店からのお知らせ
パーカーソネットは15,750円という比較的低価格であるにもかかわらず、金ペンを使用していて、ペリカントラディショナルM250とともに、初めて万年筆を使われる方にお勧めすることの多いペンです。
どちらのペンも柔らかい書き味で、万年筆らしさを楽しむことができるペンです。
そんなソネットに各色300本の限定品が発売されました。
ペン先に、福をテーマにした専用の刻印を施したモデルで、ペン先にある福の字とそれをテーマにしたモチーフは今回のペンのために用意されたものです。
ペン先に幸福の福の文字を入れ、万年筆にりの意味合いも持たせたパーカーソネット福。
高額な限定品が多く発売される中、このような限定万年筆を毎年発売するのも面白いのではないかと思いますし、お守りの意味合いを持たせるというのも、ユニークですね。

ル・ボナー松本氏来店

2007-10-26 | 仕事について
私をたくさんの人に紹介してくださり、ネットワークをつないでくださった人、ル・ボナーの松本さんが何の予告もなく現れました。
松本さんはショップ構想段階、準備段階においてたくさんのアドバイスをしてくれた方で、来ていただいた時には大歓迎でお迎えするつもりでいましたが、オープン後1ヶ月も経ってから現れるところも、こだわりのない松本さんらしいところだと思いました。
松本さんのお店、ル・ボナーのホームページにあるブログは毎日非常に濃い内容が更新されていて、松本さんが楽しんで書いておられるの伝わってきますし、お店に来られたお客様方にも、その時一番興味のあることを話され、ル・ボナーに行かれた人たちが感化されるという影響力の強さにも驚くばかりです。
松本さんが今布教している、万年筆と旧型アルファロメオは話題に上がることが多く、またたくさんの人が興味を持っておられると思います。
恐ろしく幅広く、強力なネットワークを持つ松本さんご本人は、ただ毎日の生活を楽しんでいて、好きなことを話したいから話す、書きたいから書くといった感じで、尊大なところのない、とても気さくな人柄で、お話していて、とても楽しくその場の雰囲気を和やかなする人だと改めて感じました。

パイロットクアトロ89

2007-10-25 | お店からのお知らせ
新製品が入荷しました。
金属のキャップとウッドのボディ。冷と温、硬と柔の対照的な素材を使用したクアトロ89は四角い万年筆、クアトロの復刻版です。89という数字はパイロットの創業念が今年89周年を迎えることからつけられている数字だと思います。
通常四角いボディの万年筆は面に平行してペン先がセットされていることが多いですが、このクアトロは面と面の間の角の部分に面して、ペン先が向けられていますので、この角度に違和感や戸惑いを覚える人もいるかもしれません。
しかし、太目で四角いクアトロを握る場合、角に手を添えた方が書きやすいという設計者の配慮からペン先はこの角度でセットされています。
キャップを閉めたときに、必ずボディとキャップの面が揃うのも頼もしく、パイロットらしいですし、硬めでも滑らかで書きやすいペン先もパイロットらしいと思いました。
しかし、今までにない冒険的な企画は面白いと思いましたし、このクアトロ89、なかなかかっこいいと思いました。
(31500円です。)

ラミー2000と古い万年筆

2007-10-23 | お店からのお知らせ
雑記に似合うペンの筆頭がラミー2000かもしれません。気取りのないシンプルなデザインで、軽くポケットに挿していても邪魔に何ならず、ペーパー加工されたボディは細かい傷などが気になりません。
先日ある方からパーカー21という古いペンをお借りする機会がありました。そのペンは同じようなスタイルを持つ51や61などよりも太軸のコロッとした感じのボディでしたが、そのペンを書いていてふとラミー2000のことを思い出しました。
握りや書き味がそっくりだと思えました。
首軸からほんの少しだけ出たペン先のスタイルと柔らかい書き心地、太目のグリップ感が特に似ていましたが、考えてみるとラミー2000は今から40年以上前に開発されたペンでした。見た目が斬新でも、感覚で感じる部分は古き良き時代を感じさせるのかもしれません。
ラミー2000はなぜか小振りに見え、握ってみると意外と太軸だということに気付きます。
その太目の軸が握りやすく、力を抜いて書きたい雑記を楽しくしてくれます。

ツヴィリングJ.A.ヘンケルスのハサミ

2007-10-19 | お店からのお知らせ
よく切れるハサミは仕事の能率を上げてくれるばかりか、その切れ味を楽しむことすらできます。
私は以前から、ペンと同じくらいハサミの良い悪いに敏感で、切れ味の悪いハサミに出会うと悲しい想いをしたものでした。
良いハサミを皆さんに使っていただきたいと思い、当店でも厳選して扱うようになりました。
写真のハサミはケースが付いていて、そのケースがペーパーナイフになるのも優れています。赤のワンポイントもかっこいいですね。
(3,675円です。)

雑記

2007-10-18 | 万年筆
私はただノートや手帳に自分が感じたことを雑記するのがとても好きで、何の目的もないその書く行為を楽しんでいます。
良い本を読めば書きたくなりますし、映画を見に行けばやはり書きたくなります。
それは万年筆の時もあれば、たまたま色が気に入って買ったその時気に入っているサインペンだったりして、まったくこだわりがありません。
紙もペン同様にこだわりがなく、大学ノートの時もあれば、革の手帳のこともあります。
要するに道具はどんなものでもいいのですが、ただ買う時に書きたいという気持ちにさせるかどうかというのが決めてになっているようです。
書きたいと思う道具があって、ただ書くことができればとても幸せですが、大した本を読んでいなかったり、目先の忙しさに余裕を無くして人と話すことを疎かにしていると、書きたくても心が動かなかったり、頭が空っぽだったりして、ペンが進みません。
一番書きたくなるのは、人と会って話して、共感して、充実した時間を共有できた時かもしれません。
そんな時は何ページもの雑記が続いていき、気持ちの充実を感じることができます。
ただ好きでしている雑記ですが、自分の生活が精神的に充実しているかどうか計るものになっているようです。

地図

2007-10-18 | 仕事について
店舗の場所が分かりにくいというご指摘をよくいただきますので、当店までの周辺地図を掲載いたします。
おすすめの道順は、
・元町西口改札右前方の階段を上ります。
・横断歩道を渡ります。
・福建会館(1階にボクシングジム)と生田中学校の間をそのまま直進します。
・次の角を左折します。
・左側のレンガ造りの建物の1階です。