元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

出張販売シーズンの終わり

2018-11-27 | 仕事について

当店にとって今年最後の出張販売だったKOBE PEN SHOWが11月25日に終わりました。

今年1年、外によく出ていたので、おろそかになってしまっていた店内のことや新しい企画に腰を据えて取り組んでいきたいと思っています。

出張販売から見るとシーズンオフのこれからの半年間は蓄積の時期で、今から蓄積したものを出張販売で発信して、出張販売が終る頃にまた空っぽになって蓄積するという1年を繰り返していくのだと思います。

今年2回、ペンショーというイベントに参加させていただいて、それぞれとても有意義で楽しかった。

他店の仕事振りを間近で見る機会にもなって、私はまだまだだとがっかりすることもあるけれど、同業者同士の横のつながりを持てる数少ない機会にもなっている。

それぞれの会社からオリジナル万年筆やインク、他ステーショナリーを企画、販売する担当者として任されている今のブームを作っている若い人たちを見ていると、若い時の自分の姿を見るようで皆さんそれぞれ頑張ってほしいと心から思います。

私も別に上から、余裕で見ているわけではなく、同じ目線のライバルでもあるから負けたくないとは思っています。

以前はスケジュールが自分の考えでコントロールできなくて、何かと不自由なイベントは仕事としてアテにしない、自分の都合で出て行きたい所に出て行くと決めて、そうしていた。

その気持ちは変わらないけれど、イベントの良さは確かにあって、日頃当店を見る機会のないお客様に見てもらえるし、前述の横のつながりや刺激を受けられることも大きいので、これからも機会があれば参加したいと思っています。

少し前の自分なら、ペンショーのようなイベントで他のお店に交じって仕事することに抵抗を覚えていたし、その心があったから今まで続いてくることができたとも思っているけれど、そういう集まりを心から楽しめるようになってきた。

これはもしかして齢をとったからかもしれないけれど、そんな自分の意外な変化にも気付いた1年間でもありました。

楽しかったKOBE PEN SHOWが終って、お祭りが終ったみたいな寂しさもあるけれど、次の店の中での仕事もまた楽しみたいと思っている。


同級生のケーキ屋さん

2018-11-11 | 実生活

高校の同級生の葛城くんご夫妻が店に来てくれました。

お二人が伊川谷でベルグバーンというケーキ屋さんをしていることは、美容院をしている楫くんから聞いていたし、頑張っていることも知っていた。

当店のスタッフ森脇によるとベルグバーンは有名なお店で、森脇も何度か行ったことがあるという。
そんな名店を同級生がしていることが誇らしく、来てくれたことが嬉しくて書いています。

懐かしい先生や同級生の話などで盛り上がり、楽しい時間を過ごして、万年筆を買って帰ってくれました。別れ際にケーキ屋さんにも行かせてもらうと約束して。

翌日、定休日だったので、妻とベルグバーンに行ってみました。

店の場所は、何度も前を通り過ぎていたので知っていました。今まで立ち寄るきっかけがなかっただけでした。

店の裏にある駐車場に停めて、感じのいい店構えを見ました。
外からはケーキ屋さんだとは分からない、店内の様子が簡単に分からないところが、30数年ぶりに話したお二人らしく感じました。
これ見よがしに店内を見せたり、派手な看板や告知もない奥ゆかしさ、美意識に共感しました。

店内には、別世界があった。
「ええ仕事やな」と言ったのは、ケーキ屋さんは人を幸せにする素晴らしい仕事だということだけど、お二人の仕事も素晴らしいと思いました。

ちょうど妹がタイから帰っていたので、4人分のケーキを買って帰った。
また絶対来たい。ケーキを買うなら、ここに来ようと思いました。

お店もケーキも素晴らしいけれど、清潔感のあるお二人の感じが好きで、ケーキ屋さんという仕事にピッタリの人たちだった。

ベルグバーンは、母校伊川谷高校のすぐ近くにあって、通学していた時はまだ畑だったような気がする。
伊川谷高校は、その名前から分かるように神戸の西の端にある田舎の高校でした。
私たちは、少なくとも私は世間知らずで、何も分かっていない高校生だった。

同級生で大きな会社の重役になっているとか、いわゆるエリートはいないようだけれど、自営業で頑張っている人が何人もいます。
店に来てくれる高校の時の同級生は結構いて、齢をとったせいか高校の時よりもむしろこだわりなく楽しく話しています。

ここ数年で母校のことがとても誇らしく思えてきた。

自分の居場所があって、仕事や暮らしに真剣に向かって、楽しんでいる人は幸せだと思う。
卒業して32年も経って、50歳になっていい齢だけど、皆それぞれいい齢のとり方をしていると思った。

同級生に会って自分の仕事について考える。

私たちの仕事は、自分の楽しみを人に伝えて、共感してもらって他の人にも楽しんでもらう仕事だから、自分が楽しめばいい。それだけ。
長くやってきて、今だにそんなことを言っている。

 

 

 


筆文葉とかなじともこさんの独立

2018-11-03 | お店からのお知らせ

当店でシステム手帳やリフィルを発売したいと思った時、お客様だったかなじともこさんと意気投合し、システム手帳のリフィルを共同開発することになりました。

それはとても幸運な出会いで、当店はかなじともこさんのアイデアや才能を手に入れてオリジナルシステム手帳リフィル筆文葉を20169月に始めました。

他のリフィルでは使わない用紙、独特だけど使ってみたいと思わせる罫線レイアウトの筆文葉は、出張販売にはいつも持って出る当店自慢のオリジナル商品になりました。

かなじともこさんのひとつひとつリフィルのアイデアも優れたものでしたが、筆文葉のコンセプトから全くブレずに統一されたイメージを貫いてきたところにかなじともこさんのすごさを感じていました。

才能溢れるかなじともこさんなら、そして多くのお客様に支持されている筆文葉なら単独でやっていくことができると思い、かなじさんに筆文葉の独立をお勧めしました。

その恩恵を受けている当店ですが、かなじさんの才能をいつまでも囲っておくことはもったいないと思っていましたので、かなじさんが独立を受け容れて踏み切ってくれてよかった。

筆文葉は当店オリジナル商品ではなくなったけれど、これからも扱い続けて、多くの人に使ってもらえるようにしていく姿勢は何も変わることはありませんし、当店から立派に独立して行ったかなじともこさんを応援していきたいと思っています。

これからもかなじともこさんと筆文葉をよろしくお願いいたします。

 

かなじともこさんと筆文葉の独立の告知も兼ねて、当店が参加する1123(金祝)から25()に開催されるKOBE PEN SHOW2018 の最終日1125日に、かなじともこさんが当店のブースに滞在します。

かなじさんの滞在時にはイベント限定のオリジナル商品も用意する予定です。ぜひお立ち寄り下さい。