元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

アイデアのドキュメント

2006-03-30 | 万年筆
モールスキンエキシビジョンに行って来ました。
行ったことのない梅田ブックファーストを探して、プリントアウトした地図を片手にやっとたどり着きました。
休みの日に大阪に行くことはすごく珍しく、余程の用事がないと行くことはありませんが、モールスキンと聞いたときに見ておかなければならないという不思議な義務感を感じていましたので、行ってみることにしました。
備え付けのゴム手袋をして、アクリルの箱の中のモールスキンをめくって見ることができるようになっています。
今までこのような展示物に触ることができたことがありませんでしたし、他人が書いたノートを見ることなどありませんので、不思議な経験ができました。
そこに展示されていたモールスキンのほとんどが、厚手の紙のものがほとんどでした。
やはりマーカーで絵を描いたり、切抜きを貼り付けたり、水彩を使ったりするときにはこの方が適しているのかもしれません。
私が一番最初にモールスキンを使い出したのは、2002年の始めでした。
ロフトでたまたま見掛けて即買って帰りましたが、何か波長が合うと言うか、どこがどうという風に説明はできませんが書く気にさせてくれる雰囲気がありました。
それから7冊のモールスキンをラージの方眼ばかり使いましたが、今はロディアに書いて、パソコンに入れては捨てています。
後から見て楽しむことのできる、資料として使うことのできるアイデアのドキュメントをモールスキンでちゃんとしたいと思いました。

美しく光る刃のように

2006-03-25 | 万年筆
私はペン先調整に4000番の粗めの紙やすりと10000番のフィルムやすりをずっと使っていました。
4000番でイリジュウムの形を作り、10000番で磨きをかけるというやり方が私には一番早く、美しく、そして書きやすいペン先を作ることができました。
仕上げを8000番という紙やすりで仕上げる職人さんもたくさんおられますが、倍率の高いルーペでペン先を覗いた時にイリジュウムが白く濁ったように見えてしまいます。
どうせ仕上げるのなら刀の刃のように妖しく美しく光らせたいというのが、私のペン先調整の美学というか、こだわりです。
しかし、昨年から長い間使い続けてきた10000番の緑のフィルムやすりが急に近くの東急ハンズの店頭から姿を消してしまいました。
ボロボロになった10000番を我慢して使っていましたが、それも使えなくなって、仕方なく同じ10000番の白いフィルムやすりを使うことにしました。
結果は悲惨でした。
イリジュウムは削れすぎてしまいますし、磨きすぎるとペンがキュッキュッと鳴るようになります。それに書き味がある程度以上までしか良くなりませんでした。
美しく光らせたいという美学を捨て、8000番で仕上げることに決め、10000番の緑を諦めていましたが、先日ポートアイランドに新しくできたホームセンターへ遊びに行ったときに偶然10000番の緑を見つけました。
そこにあったものを全て買占め、妖しく光る刀の刃のようなペン先をまた仕立てることができるようになりました。

万年筆の達人

2006-03-18 | 万年筆
「万年筆の達人」という本を読みました。
どの方のストーリーも面白く読みましたが、私がいつも一方的に意識している、S館のオーナーAさんの項目がすごく刺激になりました。
「日本を変えるために」
南青山に革新的なペンブティックをオープンさせたと言ってしまう豪語、そして万年筆が天職だと言える迷いのなさ。間違いなく今の万年筆業界を引っ張っている人の強気が記事の中に溢れていました。
数年前に南青山を訪ね、Aさんのこだわりで設えられたオフィスでお話をお伺いした時に、そのスケールの大きな計画に圧倒されましたが、今その計画が現実となっている行動力に頭が下がりました。
Aさんには家業であるステーショナリー、土産物卸の会社の後ろ盾もあり、暮らし向きも、立場も私たち地方の販売員とは全く違いますが、万年筆を広めたいという想いは同じだということもこの本で確認できました。
私も万年筆が自分に与えられた唯一の才能だと信じて、迷いのない道を進んでいきたいと思いました。

ご無沙汰しています。

2006-03-17 | 万年筆
パソコンが壊れてしまい長い間このブログを休んでしまいました。
このままパソコンのない暮らしをしようかとも思いましたが、仕事でも大変不自由でした。
前のパソコンは6年くらい使っていて、買い替え時ではありましたので、思い切って以前からパソコンライトユーザーの私には調度いいと思っていた、一体型のVAIOを買いました。
今は機嫌よく使っています。