決まったブランドに凝ったり、誰かの服装をお手本にしたりということはなくなったけれど、自分が持っているものを好きに組み合わせて着ることを考えることが好きで、毎日のささやかな楽しみになっています。
ファッションの専門家が見たらメチャクチャなのかもしれないけれど、好きなものを自分の好きなように着ようと思うようになってから、服装を考えることがさらに楽しくなった。
服装と言っても、真夏以外は革靴を履いて、ジーパンにジャケットが自分がしたいと思っている服装なので、毎日あまり変わり映えはしないのだけど。
でも、どのブランドのジャケットとか、どこのジーパンだとか銘柄に捉われなくなって、自分流の選び方ができるようになったのは、齢をとって様々な情報が気にならなくなったからなのだと思います。
服は私の着方だとインクが飛んだり、擦り切れたりして数年で着られなくなってしまって、その悲しみは金額に比例する。しかし、靴はしっかりしたものを買えば直しながら、長く履き続けることができるので、なるべく良いものを履きたいと思います。
それに靴さえちゃんとしたものを履いていれば、服が安物でも割とそれなりに見えるような気がします。
靴と同じように、万年筆はステーショナリー、持ち物の中心だと思います。万年筆や筆記具はしっかりした、長く使える良いものを選んだ方がいいということは、万年筆がまだ仕事道具だった時代に、池波正太郎さんも語っていたけれど、私たちの中ではそれは今も変わっておらず、こだわりどころである万年筆だけは良いものを選ぶべきで、それに合わせてペンケースや手帳をコーディネートできるように選べたら、なお楽しいのではないか。
服装と同様に、その組み合わせはこうでないとダメだというものはなく、自分の好きなように組み合わせることが楽しいのだと思います。
私自身そういうことが好きなので、当然ご提案はするけれど、自由に、ご自分の好きなように楽しんでいただきたいといつも思っています。