元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

8月24日(土)25日(日)10時~18時 札幌出張販売案内 ~委託販売~

2019-08-19 | 2019出張販売案内

委託販売品を札幌限定で出張販売にお持ちいたします。

当店は開店間もなくから委託販売を始めました。

たいていのものが中古のため、定価よりもかなり安く買えるものも多かったり、今では買えない限定品、廃番品も並ぶこともよくあり、委託販売品の存在は当店を定期的に訪れる理由になっています。

今委託販売品の数が多く、この状態で札幌に行くことができるのはよかったと思いました。私が札幌に行っている間、当店の委託販売コーナーは空になりますのでご了承下さい。

[会場]ギャルリノワール/ブラン 札幌市中央区南2条西6丁目5-3住友狸小路プラザハウス2F208(狸小路6丁目)

 


8/24(土)25(日)10時〜18時 札幌出張販売 ウォール・エバーシャープシグネチャー

2019-08-18 | 2019出張販売案内


今年の当店の話題のひとつがウォール・エバーシャープの新製品シグネチャーの発売です。
デコバンドは大きなペン先とユニークな吸入機構により、書くこと、使うことの楽しみを追究した、そして美しい文字を書くことを追究した万年筆に仕上がっていると思っています。クラシックなデザインでありながら、今の万年筆のトレンドを取り入れたものがデコバンドです。
それに対してシグネチャーは書き味を楽しむための万年筆だと思っています。
持ち運びしやすいレギュラーサイズで、標準的なサイズのペンケースにも入り、外出先で取り出しても目立ちにくい。ボディのサイズに対して、ペン先が大きく、その比率、シンプルでオーソドックスなサマになったデザインなどにより、このシグネチャーからはウォール・エバーシャープが全盛期を迎えていた1920年代30年代の万年筆を連想させます。
万年筆においてはアメリカの時代だった当時の万年筆は、骨太で頑丈な印象があります。シグネチャーもそんな時代の万年筆の雰囲気を持っている。
字幅はM程度のみの1種類ですが、細く研ぎ出すことも可能です。デコバンドと一緒に札幌にもお持ちします。
[会場]ギャルリノワール/ブラン 札幌市中央区南2条西6丁目5-3住友狸小路プラザハウス2F208(狸小路6丁目)

 

 


50歳の心境

2019-08-11 | 実生活

変なことを言い出したと思われるかもしれない。

イメージで言うと、私たちの心か体の中には液体の入った小さなボトルがあって、ある年齢になると中の液体が揮発して、その年齢に合った気体を頭の中に充満させるようなことがあるのではないかと思うことがあります。それは本能というのかもしれないけれど。

そういうものがあるからこそ私たちは同じタイミングで、同じような心境になるのではないかと考えるようになりました。

それぞれの年齢の心境について、自分一人で考えて、言葉を発信しているうちは気づかないことだけど、同い年の友人と語り合うと、そのボトルに似たものがそれぞれの心の中にあることを知ります。

人によって、その心境について語る言葉の選択が違っているので、それが同じ心境だとはじめは分かりにくいかもしれないけれど、話しているうちに相手も同じことを考えていたのだと気付く。言葉というのは心の中にある漠然としたものを伝えるには向いていないから、気をつけないといけない。

私を最近満たしている心境は、お手本になりたいということです。

私たちは今まで生きてきて得たものを示して、見せていく年代なのだと思う。

人から何かをしてもらったり、与えてもらう時期は終わった。自分のことはちゃんと自分でしながら、人に何か示すことができたらと思う。

私には人に示すことができるものがあまりないけれど、若い人から見てああいう生き方も悪くないなと思ってもらえるようにしたいと思うようになりました。

あまり大した生き方ではないけれど、せめて自然体で、若い人からも学べる謙虚さを持っていたいと思う。

自分の仕事で一生生きていくには、何かを吸収し続けないといけないけれど、吸収の仕方が変わってきた。ただそのまま吸収することに興味がなくなった。自分に合ったものだけを吸収したいと思うようになった。

これから60歳、70歳となったとしたら、その時々でまた違った心境になるのかもしれない。

その齢年で、自分の心の中のボトルから揮発する気体に逆らわず、生きていきたいと思っています。


8/24(土)25(日)札幌出張販売

2019-08-04 | 2019出張販売案内

毎年6月に札幌を訪れていましたが、7月の福岡の気候があまりにも不安定なため、福岡への出張販売を6月にし、札幌の出張販売スケジュールを変更しました。8月24日(土)25日(日)10時~18時まで開催いたします。

札幌は涼しいから8月でも大丈夫だと思いましたが、今年はこちらと同じように暑いようです。

そういえば、上着が要るくらい涼しいと言われていた東京も羽田空港から出た途端に湿った暑い空気に包まれて驚きました。

日本中どこに行ってもこの暑さから逃れることはできません。

札幌の出張販売は、他の街での出張販売と趣向を変えて、委託販売品も持って行こうと思っています。
中古品がほとんどで、現行品であっても安く買うことができるし、過去の限定品もあります。
お渡しする時にペン先調整して、書きやすくしてお渡ししていますので、安心してお使いいただけます。

ただ、出張販売でも他の商品はクレジットカードをお使いいただけますが、委託販売だと現金のみのお支払になることをご了承下さい。

札幌の出張販売の場所は狸小路商店街6丁目です。外国人観光客が多い狸小路商店街も6丁目になると落ち着いた雰囲気になってきます。
もう少し西に進むとオリジナル革製品の日下公司さんもあります。

北海道の方、ぜひ遊びに来て下さい。

 

[会場]ギャルリノワール/ブラン 札幌市中央区南2条西6-5-3住友狸小路プラザハウス2F(居酒屋せいす2階)
8月24日(土)10時~18時 25日(日)10時~18時

 


村井製本所を訪ねる

2019-08-02 | 実生活

同じ垂水区に住む大和出版印刷の川崎さんがウチの前まで車で迎えに来てくれて工場を訪問する大人の社会見学シリーズです。

普段見ることができない工場を見学することはものすごく有り難いことだけど、車の中や訪問後に神戸活性化のキーマンの一人である川崎さんと仕事について語り合うことはとてもいい時間になっています。
いつも店に籠っているので、他所で起きていること、新しい流れなどを知る機会にもなっています。

前回は新しいオリジナル商品の箔押しをして下さった神戸須川バインダリーさんを訪ねましたが、今回は穴あけをして下さる村井製本所さんを訪ねました。

神戸駅北側、裁判所のすぐ南という当店のすぐ近くにその製本会社さんはありました。

失礼な言い方かもしれないけれど、かなり古い建物3棟がその工場になっていて、中にこんなすごい機械が揃っているようにはとても見えませんでした。

70年この場所で操業されてきましたが、手狭になってきて今月和田岬の方へ引っ越しされる予定になっているそうです。

オリジナル商品が何なのか言ってしまうと、ミニ5穴のリフィルです。システム手帳のリフィルにとって穴空けは命とも言えます。

何をそんなに細かいことにこだわるのかと言われるくらいにこだわらないといけない部分ですが、私よりも村井広治社長がこだわってくれて、完璧なものを目指してやってくれていることが分かりました。アナの大きさ、ピッチ、位置のどれかが狂っていると使い物にならなくなる。その穴空けの位置などの最終確認が今回の工場訪問の目的はでもありました。

台車の上に積まれた用紙を挟んで、穴空けした試作をバインダーに綴じたりしながら、村井社長と話しました。

穴の位置決めが終わった後、村井社長に工場内を案内してもらいました。

製本会社さんは仕事の減少や、後継者問題などにより、すごい勢いで減っているそうですが、当店のこんなに近くに若い経営者によって積極的に設備投資して、操業されているところがあることで、何か明るい気持ちになれました。
お忙しい中邪魔して申し訳なかったけれど、村井広治社長は気持ち良く応対して下さって、嬉しかった。

今までオリジナル商品を作るのに工場を訪れることはあまりありませんでした。全てのものが自動的にできてくるとは思っていないけれど、ひとの手によって生み出されていることは承知しているけれど、実際に製作して下さっている人たちとお会いすることでこの商品への愛おしさが格別のものになっています。

オリジナル商品のミニ5穴リフィルは8月中には出来上がる予定です。