元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

静かに磨き続ける

2020-07-27 | 実生活

今の状況になって、多くの人がそうだと思いますが、毎日家と仕事場の往復の時計のような生活を送っています。

今までも繰り返しの生活でしたが、出張販売などの旅が変化をもたらしてくれていて、1年はそれで成り立っていたけれど、今年は外に出て行く仕事を全て止めてしまったので、全く変化のない静かな毎日を過ごしています。

もともと夜飲みに行くとか、集まって歓談するということが好きではなかった(正確に言うとどうしていいか分からない)ので、繰り返しの毎日、静かな夜はけっして、嫌なものではない。

出掛けることはなくなったけれど、実は結構忙しくしていて、緊急事態宣言あたりから増えだしたネットショップのオーダーをこなしたり、同じく急増したお送りでやり取りしているペン先調整をこなすのにアップアップしています。

世の中が止まっている時、経済の状態が良くない時にこうやって仕事をさせてくれることは本当に有難いことだと思っています。

この店に続いて欲しいという応援の気持ちが注文やペン先調整の依頼のひとつひとつに込められているとちゃんと分かっています。

何か世情の変化で、経済の状態が急激に悪くなることが今までもありました。それを私たちは大人が話しているのを聞いたり、テレビや新聞で報じられているのを見ることなく見ていて覚えている。

そういう急激な世情の変化が訪れた時に立ち続けていることができた企業というのは、ブレずに自分たちがやるべきことをひた向きに続けて、磨き続けていた企業で、儲かるからと他のビジネスに手を出していた企業は良い時はボロ儲けして一時的な勝者のようになるけれど、世の中が悪くなった時に崩れていく。

いつも頭の中にあって、今の立場になって心構えとしてやっと役に立ったのは、今まで見聞きしていたバブル崩壊や災害がきっかけで崩れた会社、そうならなかった会社の話でした。

仕事は、言うまでもなく一時高得点をたたき出して記録を残せたらいいのではなく、いつまでも止まらずに歩き続けて、立ち続けなければいけない。でもそんなペース配分や考え方が自分には合っている。

今だから言えるけれど、4月はものすごく悪かった。大慌てせずに大らかにいることができたのは、いつか戻るだろうと思えたからで、これからも静かに磨き続けたいと思っています。


コーヒーサービスの停止

2020-07-14 | お店からのお知らせ

当店の秩序を守るために必要なこと以外は、客様に強くお願いするようなことはしたくないと思っていました。

 

当店に来られるお客様は皆、それぞれの信条に基づいて、それぞれが正しいと思う行動をされているように私には見える。

マスクを着けることに対して、それを強制する権限も確信も私は持っていないから、絶対に着けて下さいとは思っていなかった。

それは各人の公共性に任せたいと思っていました。

 

でも店の中でマスクを着けていない人がいた時に、不愉快に思う人の方が多いことも分かる。当店が誰でも入ることができる公開された店である以上、多くの人が不愉快だと思わないようにしないといけない。

 

コロナ後に店の来られたことのない人は今更と思う人もいるかもしれないけれど、言うまでもないことですが、入店時マスクの着用をお願いすることにしました。

 

マスクの着用をお願いする以上、店内でマスクをしている人としていない人がいることがあったらおかしいと思いますので、コーヒーサービスも当面中止いたします。コーヒー豆は引き続き販売しております。

いまさら一度再開したコーヒーサービスを中止することは、逆戻りするみたいでとても嫌だけど、自分の店が矛盾を抱えることはもっと嫌だと思いました。

 

お客様が密集することを防止するための、在店時間を1時間以内として下さいというお願いは変わらず継続しています。

こういう制限を設けなくてもいい世の中になってほしいと思いますが、きっと元には戻らないような気がします。

当店も変わらないといけないタイミングに来ているということなのだと思います。

 

 


手帳の遊び

2020-07-05 | 実生活

ペンや手帳は仕事の道具でもあるけれど、装備を整えて持ち歩くだけでも楽しいという遊び道具のような側面もあります。

M5システム手帳などは、私にとってそれに近いのかもしれません。
システム手帳のバインダー式でページを好きにレイアウトできる自由さ。理想的なページを作ったら使わなくても鞄に入れて持ち運びたくなります。

M5システム手帳は小さいからか、いくつか持っていて気分によって使い分けるような使い方ができるのが、M5システム手帳ならではの手軽さだと思います。なので冊数が増えるのかもしれません。

当店も、コンチネンタルオリジナルM5システム手帳のリングを13㎜リングにして再発売しましたので、また使わないM5手帳が増える片棒を担いだことになるのだろうか。

カンダミサコさんが、このコンチネンタルM5システム手帳での使用を主に考慮して製作してくれたM5手帳用ラップ型ペンホルダーというものがあります。

もともと今までよりも太径のペンを収められるようにと、カンダさんが工夫して製作してくれた、全くのオリジナルの形ですが様々な使い方ができる。それを工夫するのも楽しいものだと思います。

私は13㎜リングのコンチネンタルM5システム手帳ができましたので、前の11㎜リングのタイプのものにこのペンホルダーだけを挟んでペンケースにして使っています。
リングの中に細いペンを入れると6本ものペンを収納することができました。

こうなったらここに入れるために、サイズの合うペンを探すことになります。
でもそれも楽しい手帳の遊びだと思っています。