元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

ふみぶみVOL.4

2020-08-25 | 実生活

9月23日で当店は13周年になります。
ペンのことしかできない不器用な私がこの店を今までやってくることができたのは、当店を続させてあげたいと思うお客様やサポートしてくれる人たちが助けてくれたからで、心から感謝しています。

オープンの時と同じ場所で、同じように営業していて、店を大きくすることができていないのは申し訳なく思うけれど、そういう欲はあまり持たなかった。だから続いてくることができたとも思っています。

貪欲は空回り、志は伝わる。ということを店を始めて思うようになりました。

志と言っても自分には大した志があったわけではなく、ただ自分が良いと思った万年筆を生涯の仕事にしたい、万年筆を使う人を増やしたいという想いを持って店を始めました。
39歳11か月で、そんな想いで店を始めた時、きっと皆心配してくれていたのだと、今なら思い及ぶことができる。
私は今もあまり変わっていなくて、青臭く、やりたいと思うことだけをやっています。

私と一緒にしては申し訳ないけれど、手紙を書く楽しさを多くの人に知ってもらおうと、うちだまきさんもその志だけを持って,手紙の楽しさを広める行動を起こされて、ふみぶみもその活動の一つです。

その志を多くの人が意気に感じて、応援したいと思い、手を貸している。
私も手を貸すというほどではないけれど、うちださんの活動の役に立ちたいと思い、ふみぶみに拙い文章を載せていただいています。

ふみぶみの記事の執筆から配送の手配まで、何から何までうちださん一人で、しかも年4回というハイペースで発行されています。

温かみがあって、何となくしっかりと地に足の着いた感じのするとても良い本だと思います。
私は自分の書くものや店のあり方は、そうであってほしいといつも思っているけれど、この本にはうちださんという人の生き様が表れているような気がします。

うちださんは、楽しくて仕方ないので何も大変なことはないと言うけれど、無理な時は無理でいいから、細く長く続けていただきたいと思います。


三宮ハンズの閉店

2020-08-22 | 実生活

三宮東急ハンズが今年いっぱいで閉店するという記事が神戸新聞の一面に載っていました。

子供の頃から行っていたので、結構衝撃を受けましたが、どうしようもない時代の流れも感じていましたので、予想していなくもなかった。
今も休みの日は好んで行っているけれど、私たちが若い頃、バブルの頃のハンズの勢いを知っている者としては今の状況は寂しいと思っていました。

コロナウイルス禍の外出自粛によって、街にある店は打撃を受けていたと思いますので、それも理由かと思いますが、時代の流れによる神戸の人の流れの変化が、ハンズの業績を悪くしていったような気がします。
神戸に人が多く訪れていた時は良かったけれど、ここ20年来神戸自体を訪れる人が減っていると感覚的に思っていました。
他の商業施設から離れているハンズは人の流れから外れてしまっていました。

全盛期のパワーがあれば、人の流れから外れていても吸い寄せていたのかもしれないけれど、そこまでの力はなかったのかもしれません。それはハンズに限らず、店という小売りの形態にそこまでの力はなくなったしまったということだと思います。

今のコロナ禍下で、調子の良い分野と悪い分野の差がよりはっきりと表れていることを感じます。
よく言われるのは飲食と衣料品はかなり悪くなっていて、それらの専門店の淘汰が進んでいる。

百貨店などの複数の分野から成る店は、良い分野が悪い分野補えているのかもしれないけれど、飲食も衣料品も回復の見通しが立たないような気がしますので、今や様々な分野を扱っているというのはアドバンテージではなく、リスクなのかもしれません。

買い物をする場所が街から郊外になり、人の流れの変化がコロナウイルスによって一気に変化していると感じます。
街にある店は、郊外よりも高い家賃を払っているにも関わらず人が来ないという状況になっていて、すでの空き店舗が目立ちますが、今後も街を出る店が増えていくと思います。

当店のような専門店は、都市部でしか成り立たないと思っていますが、これからの時代は違ってくるのかもしれない、いろいろな可能性について考えないといけないと思っています。