元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

コロナウイルス流行に関して

2020-02-28 | お店からのお知らせ

先日ホームページに掲示して、フェイスブックなどでも告知いたしましたが、3/21(土までの店内コーヒーサービスの停止と、2/27から3週間以内のイベント、ワークショップを中止いたします。

どちらも楽しみにして下さっているお客様がおられて、辛い決断でしたがこのご時世に当店が営業していくためには仕方のないことだと決断いたしました。

自分のことだけだったら、世の中で起こってることも気にせず、何も行動を起こさなかったと思います。しかし、店は営業する以上お客様を守る義務があり、こんな状況だからこそ安心してお買い物していただけるようにしないといけないと、そして今回のウイルスの拡大防止について態度を示さないといけないと思いました。

営業中、販売員はマスクをしていますが、これは私たちが無自覚のウイルス感染者だった場合にお客様に感染させないために、アルコール除菌とともにできることかと思いました。

後になってあそこまでしなくてよかったと思える日が早くくればいいなと思っています。


年代の実感

2020-02-25 | 実生活

その齢だからこそ考えるようなことがあって、それはその齢を経験した人でしか分かりません。私がその齢年で考えたことは、私より若い人の参考になり、同世代の人と共感し合えることかなと思いますのでなるべくその齢での心境のようなものを書いておきたいと思っています。

何か迷いがある時や、次なる扉を探している時に本屋さんをさ迷います。
何か自分のヒントになる本はないかと思って、答えが書いてあるものを探して本のタイトルを見たり、少し開いてみたりします。

こういう時に目的に合った本に出会えることはないけれど、全く意識していない時に出会ったりするので、本
の責任ではなく、私の探し方が悪いだけなのだと思います。

でも最近そうやって本を見ながらモヤモヤと思うのは、答えはきっと自分の中で見つけ出さないといけないのだということです。
次なる道、方策はお客様や誰かと話している時やペン先調整をしている時に思い当ったりすることが多い。

51歳という今の年齢になって思うことは、50代になると今自分が持っているもの、それまでの時間で自分が吸収したもの、やってきたことなど、持っているものを駆使して、それらをどう表現する問われる年代なのだということです。
50歳になる昨年にも似たようなことを書いたことを思い出しました。 https://blog.goo.ne.jp/penandmessage/m/201908 

人生と言わないまでも、仕事の集大成が試されるような年代が、そしてその後の仕事と人生をどういう方針で進んでいくかを決めなければいけない年代なのだと、薄っすらと思い始めています。

これらはボンヤリと思い始めていることだから分からないけれど、同年代の人が同じように思っているのなら、この年代特有の、私たちのDNAにインプットされているものなのかなと思ったりします。

それぞれの年代で、モヤモヤと考えたり、心の中から静かに突き動かされるような感覚に導かれるようなことがあって、それらの感覚は漠然とした方針しか伝えてくれず、具体的なことは何も教えてくれない。

それは自分で考えろということなのだと思っています。


海外で働く人

2020-02-22 | 実生活


近くの坂道(内容とは関係ありません)

 

ドラッグストアやコンビニなどの店員さんで日本人以外の人がいることは珍しくなくなっていますが、携帯ショップでも外国の人がいたりします。そういう人がいると、「どこから来たん?」と聞きたくなるし、「日本語すごく上手やね」と声を掛けたくて、ウズウズします。その厚かましさにおじさんになった証拠だと自分で思います。

私が若い頃、母の実家のある村に農業のアルバイトとして外国の人が来始めた。
それまで日本の大学生のアルバイトが中心だったけれど、仕事がきつて、人が確保できなくなったと聞いて何の疑問も抱かずに納得した。

でも考えてみると、日本人がきつくて避ける仕事を外国の人がなぜ、わざわざ日本まで来てしないといけなかったのか。
その人たちの国には仕事がない、あるいはあっても賃金の安いものしかなかったからだと思うけれど、言葉も通じない国に来て仕事をすることは苦労もあるだろうし、度胸も要ったはずです。

以前は農業や工場に代表されるような人に接しない仕事に就く外国人が多かったと思うけれど、最近では前述したように接客する仕事にも多くの人が就いている。

コンビニと携帯電話の仕事は若い頃私もしたことがあるけれど、どちらも実はとても複雑で、覚えないといけないことの多い難しい仕事だと思います。日本人の私でも難しいと思った仕事を言葉の違う国から来てしている人たちは本当にすごいと思う。

事情は人それぞれ違うとは思うけれど、祖国よりも日本の方が仕事があって、チャンスがあると思って出て来ている人が多いのだと思います。

野心という言葉があっているのかどうか分からないけれど、そういう気持ちの強さを持った人が来ているのだろう。

難しい歴史の話に踏み込むつもりはないけれど、ずっと以前から日本にはチャンスを求めて野心のある若者が来ていた。だからそういう人達に日本で自分の仕事を成功させた人が多いのだと思う。

資格や言葉も大切なのだと思うけれど、絶対に生き残るという気持ちの強さが一番大切なのだと思います。

日本もこのまま行けば、多くの人が仕事にあり就けない、チャンスのない国になってしまうと思います。そして、今回のウイルスの一件で思ったことは、実際に脅威が国民に迫った時、責任を放棄して、国は何もできないのだと素人目に思いました。

自分たちが、未知の国、言葉の通じない国に出て行って生きていかなければいけなくなった時に、必要なのは気持ちの強さなのだと日本で働く外国の人を見ていつも思います。


着想のメモ中身

2020-02-18 | 実生活

知識を得たいと思って本を読まない。最近の本を読む理由は、読みながら刺激を受けて、いろんなことを考えることができるからです。
次々といろんなことが頭の中を通り過ぎていくので、さっき思ったことも書き留めておかないと 何だったけ?となって思い出すのに時間がかかってしまいます。
本を読みながら、頭の中に浮かんだことをその都度メモしておくようにしたら、そういうこともなくなり、後々素材として使える。
本を読むとき以外でも、いつも傍らに置いておいて、何か思うと書き込んでいます。

着想メモと名付けた小さなM5手帳には、そら文葉のジャバラ式のカレンダーとアシュフォードの2つ折り用紙を挟んでいます。
ジャバラ式のカレンダーには、文章の締め切りだけを書いていて、この見開きのページは文章を書くためのネタ帳になっています。

折りたたみ式のリフィルが好きで、なるべくならそういうものを使いたいと思います。小さな紙面でもなるべく同じテーマは1枚にまとめたいと思いますので、1枚でも2倍、3倍のスペースが稼げる折りたたみ式に惹かれるのかもしれません。

厳格にきまったものではない、何でも書き込める緩い手帳が一番使いやすいのかもしれません。


芯を抜く

2020-02-11 | 実生活

先日仕事を抜けて、”神戸市中央区外科”で検索した病院に行きました。

鞄のポケットに筒形のペンケースを入れていて、出先で何か書きたい時すぐ取り出せるように万年筆とシャープペンシルを入れています。反対側の同じ形のポケットにはスマホが入っている。

前の夜、スマホを充電しようとして、鞄のポケットに勢いよく手を突っ込んだら、ペンケースのポケットと間違えた。そして、筒形のペンケースの蓋は開いたままになっていた。

シャープペンシルはオートマチックシャープで、先はデリケートな機構のために先を上に向けてペンケースに入れていて、親指をシャープペンシルで刺してしまった。
オートマチックシャープはチャックが押されると芯が出る仕組みになっているので、芯が親指に食い込んで、痛みに手を引いたら、シャープペンシルがぶらんとぶら下がっている状態だった。

そうやって右手の親指に3㎜ほどの0.5㎜4Bの芯が残った。

右手の親指の腹なので、何か作業をする時に気になって仕方ない。自分で取り除こうと思っても取れない。
そのうち取れるかと思って放っておいたけれど、状況は全く変わらないので思いたって病院に行った。

こんな案件で病院に行くのは子供みたいで恥ずかしいし、きっと痛いのではないかと思うと少し怖くなってきた。

待合室には大勢の人がいた。
電話で確認して「では来て下さい」と言われたので、受付で電話した者であることを告げると元気な声で「シャーペンの芯が手に刺さっている方ですね」と言われた。

問診表を書いた。
どのような治療を望むかには、"指に刺さっているシャープペンシルの芯を抜いてほしい”
裏面の具合の悪い箇所を示してくださいという人体図の右手親指に丸印をつけた。

処置室に入ると女医さんがおられた。

なぜか「すみません。子供のような理由で来てしまって。でも手先を使う仕事なので、どうしても取ってほしくて」と伝えた。

ベッドに寝かされ処置が始まると、結構痛かった。とても長く感じられたけれど、5分もかかっていなかったかもしれない。

芯は取れて、親指の腹に本当に小さな傷があった。

「すみません切って取りました」と言われた。

とても小さな異物だったけれど、それがなくなってとても晴れやかな気持ちになりました。


着想メモ

2020-02-09 | 実生活

ブログに書けるようなものになるか分からないような小さなネタや、少しずつ育てていくような企画のアイデアなどの着想を書いておくようなものがあればいいなと思っていました。
いつも傍らにあって、ひらめきなどがあればすぐにメモできるようなもの。

そういうものを手近にあるものやダイアリーに書くと散逸したり、時間の経過とともに探しにくくなってしまいます。そういうことも今まで何度も繰り返してきました。

仕事のことはバイブルサイズのシステム手帳に書いていて、それはそれは膨大な枚数になっていて、後に引けない状態ですが、自分の個人の仕事などはミニ5穴システム手帳に小さな文字で書くのが今のところ一番使いやすい。

ToDo用には、見開き1週間の定休日の水曜日を小さくした自作のダイアリーをリング径いっぱいに入れて、なるべく先のToDoや予定も書き込めるようにしています。

私たちのような、店で仕事する者は手帳ではToDoを最もよく使います。
お客様との約束や、お申し付けられて発生するToDoや、自分で気づいてやっておこうとするToDoもあります。

私の場合、このToDoに書いておかないと、いざ時間ができた時に効率良くその仕事にかかれず、無駄にメールをチェックしたり、HPを観たりすることになります。

鞄の中に入っていては意味がなく、傍らに置いておいてすぐに開いて見ることができる邪魔にならないミニ5穴の小ささは、私にとってまさに長年の課題を克服する答えでした。

店での仕事用ToDoと休日の行動記録用に今まで2冊のミニ5穴システム手帳を使ってきましたが、着想を書いて少しずつ膨らませるために、毎週1回は締め切りが必ずある原稿のネタを書くための手帳をもう1冊増やしました。

原稿は小さなミニ5穴に書けないので、A5ルーズリーフに書いているけれど、締め切りの予定だけをジャバラ式のカレンダーに書いて、少しは計画的に書けるように、いつも休日の夜原稿の締め切りに追われているので、そうならないようにしたいと思いました。

ペン習字も原稿も手帳も同じで、結局書くこと自体が好きだから、こうやって何冊もの手帳を使い分けるのかもしれないけれど、手帳を書くことで自分の仕事が良くなるといまだに信じています。


天邪鬼な言い分

2020-02-02 | 実生活

私は天邪鬼だから、皆がマスクをしていたらしたくないと思う。

そして、専門的なことは知らないけれど、本当に効果があるのかと思ってしまう。それがエチケットだからと言う知事もいて、やはり気休めでしかないのだと自分の都合の良いように解釈している。

毎日あんなにたくさんの人が中国から日本に来ていて、たくさんの人が中国に行っているのに、日本で感染している人があれだけしかいないのは、たいしたことはないのではないかと思ってしまう。

中国の風邪よりも怖いのは、報道の威力だと思ってしまう。そしてその報道に煽られる群集心理だと思っている。

10年ほど前の新型インフルエンザにまつわる報道を思い出します。

その風邪に神戸が侵されているような、神戸に足を踏み入れたらその病気に感染するようにとれる報道がされて、神戸から人が消えたことは忘れられない。
電車の中などで皆がマスクをしていて、少し咳やくしゃみをする人がいたら、皆すごい目で見ていた。

今から考えたら変な報道で、笑い話みたいだけど、サービス業として笑えない。修学旅行シーズンということもあり、神戸に来ることを取りやめた学校もたくさんあり、つぶれたホテルもありました。

余談だけど、神戸から人が消えた日、南京町のいつも行列ができている豚まん屋さんは改装工事を始めていた。売れている店は、ツキも味方しているのかと思いました。

それだけ報道というのは力を持っていると思う。

それは差別を生み、ひとつの街を壊滅させる力を持っている。

SNSの情報もその報道と同じように思う人もいるから、情報によって人を煽動する力は強くなっているのかもしれない。

たくさんの情報が交錯する時代にあって、自分の見たことだけを真実だと思って、自分の感じたように行動することは勇気のいることだけど、その必要があるのだと思いました。