一期一会 ~万年筆店店主のブログ~

哲学、想いを発信している、Pen and message.店主吉宗史博のブログです。

電車の中で

2006-07-23 | 万年筆
通勤電車の中ではどうしていますか?
車で通勤されている方を以前は羨ましいと思っていましたが、逆に車で通勤されている方が気の毒に思えるほど、私にとって貴重な時間になっています。
ある方とそんな話になって、その方は小型の手帳にひたすら所感を書いていると言われました。
仕事で感じたこと、上手くいったこと、失敗したこと、不愉快に思ったことなどを書くことによって、特に不愉快だったことなどは心の中で整理できるとのこと。
覚えておくためにメモを取るというのは分かりますが、忘れるために書くということもあるのですね。
私は逆に嫌だったことは、文字にして残したくないと思う方です。
それを言ったら、「後から読んだら、ばら色の人生ですね。」と大笑いになりました。
電車の中では、完全に一人の時間を持つことができますので、考える作業に最も向いた場所なのかもしれません。
その方が電車の中で、私を見かけたことがあったそうです。
私は何かスケッチをしていて、目の前のその方に気付かず、顔をあげることはなかったようです。それを見て「あー、やってるな」といった共感的な気持ちを持っていただけたとのこと。
何を描いていたのか覚えていませんが、知り合いが乗ってきても気付かないほど、集中していたようです。
電車の中で寝るのも気持ちいいですが、せっかくの一人の時間。何か発展的なことを考えていたいと思いました。
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アンティークペン

2006-07-18 | 実生活
アンティークのペンを一度に50本見る機会がありました。
1890年から1940年代までのものです。
全てアメリカで収集されたもの、パーカー、シェーファー、ウォーターマン、コンクリン、エバーシャープ、ムーア、リンカーンとイギリスのオノトでした。
こうやって年代の違うペンを見ていると、デザインの変遷が見られ、その時の流行というか、デザイン、仕様の流れみたいなものが見えてきます。
素材もだんだんと変わってきて、エボナイト、セルロイド、プラスチックと変わっていきます。
吸入方式も様々で、コンクリンのクレセントフィラー、シェーファーのシュノーケル、オノト式などおもしろいものがあります。
これらのペンを見に何人かの社員が来ましたが、皆がそれぞれの知識の範囲内で万年筆に大いに語っていきましたし、万年筆のことを知らない人もそれを面白がって聞いていました。
誰もをこんな楽しい気分にさせるアンティークのペンの本当の魅力に初めて気付きました。
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職人という言葉が言い訳にならないように

2006-07-17 | 万年筆
職人のこだわりという言葉に警戒してしまうというお話をある方から聞きました。
職人がこだわりを持って作ったというものの中には「おれが作ったのだから、受け容れろ。悪いのではなくそれは味だ。」と言わんばかりの悪いものもあるからというのが理由です。
確かに職人として名を成した人は長年の経験と勘を持ち合わせていて、技術も超一流です。
しかし、自分の地位に安住して、自分の持てる力の100%を出してきっていないと思える人もおられるようです。
どこの誰という強力なネームバリューなどいらない。名前の知られていない人が時間をかけて、丹精込めてした仕事の方が名人の8割仕事よりも必ず良いものを生み出すと思えます。
職人の仕事のクオリティを高めるためには、冷静なチェック体制の完備が必要なのかもしれません。
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大阪新世界紀行

2006-07-08 | 仕事の考え
あまり行くことのない大阪の浪速区にある、問屋さんを訪ねてきました。
その問屋さんは製図用品や画材をずっと扱ってこられて、50年以上もの歴史のある会社で,取引先には、誰もが知っている大手のお店がいくつもあり、この業界のメーカーからは一目置かれている存在です。
4,5年前に業界内の問屋さんがいくつも相次いで倒産して業界内の再編が進んだときがありましたが、その時も傾くことなく孤高を守り通したその問屋さんは通天閣がとても大きく見える、新世界の近くにありました。
訪問の目的は、倉庫を漁って古い貴重品を発見するということでした。
まずその会社に案内されて、その建物の古さに驚きました。
今の一般的な事務所のような作りではなく、商品を保管する棚も押入れのような作りになっています。
そんな押入れの中を辛抱強く探り、いらないものは捨てながら、店に持って帰って売り物になりそうなものを探しました。
結局出てきたのは、古いロットリングの製図ペンとコンパスなどの製図用品など、あまり一般的ではないものが、数点といったところでしょうか、期待したほどの成果はありませんでしたが、その問屋さんの歴史に触れる事ができたのは、とても楽しい経験でした。これから他の問屋さんでもさせていただきたいと思いました。
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手書きの文字

2006-07-05 | 仕事の考え
電子メールではよほど分かり合えている相手でないと誤解が生じ、気持ちがすれ違ってしまったりすることもあるかもしれません。
相手の心の中が分からなければ、それは何か冷たい感じがするからだと思います。
どんな下手な文字でも自分の文字で言葉を綴るということはとても大切なことで、それはよく言われる気持ちを伝えるという事以外にも、もっとシンプルに感情に作用するものであるということを私達はもっと若い頃に経験しているはずだと思います。
青春時代に好きな異性の文字を見ただけで、胸がときめいたり、感情が波打ったりした記憶はありませんか?
それがつまらないメモ書きなどどんなものでも、特別に想う相手の文字は心を動かす力があると思います。
私達は歳をとって大人になっていくにつれて、若い頃に感じたはずの手書きの文字の持つそんな魔力を忘れてしまっているのかもしれません。
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