元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

次の出張販売

2022-06-19 | お店からのお知らせ

店での仕事から学ぶことは多くて、いい齢して毎日がいまだに勉強ですが、たまに出張販売などの旅に出ないと私はいけないなと思います。
出張販売に出て、店という自分の舞台装置ではない、スタッフという脇を固めてくれる人のいない状況で仕事することで、店や自分に足りないものについて考えることは大いに勉強になります。

体力的に厳しい状況に自分を立たせることもたまにはやらないといけない。

札幌が終わって1週間ですが、次はは東京での出張販売の告知させていただきます。
7/8(金)9(土)11時~18時、10(日)11時~15時
代官山ギャラリー懐美館で開催いたします。

7/8(金)15時~18時30分、9日(土)11時~18時 近くのアップステアーズギャラリーで590&Co.さんも出張販売を開催するというパラレル企画です。

両方の会場でそれぞれ3300円以上のお買い物をしていただきましたお客様にはダブルネームのオリジナルエコバックをプレゼントいたします。

札幌と同じように、代官山も3年前までは定期的に出張販売を開催していて、馴染みのある場所です。
今回は590&Co.さんとの相乗効果もあるのではないかと思っています。


ネットショップについて

2021-06-06 | お店からのお知らせ

ネットショップがあったから当店は続いてくることができたと思っています。

客数の少ない地方で商売をする上で、ネットショップはなくてはならないものだと開業当初から思っていました。

今はステーショナリーや万年筆が華やかな存在になっていて、それほどでもないけれど、当店が開店した2007年頃は万年筆店を新しく開くというのは、無謀なことだと多くの人から心配されるようなことでした。

でもネットショップもすると言うと金融機関も安心してお金を貸してくれたような気がします。

ネットショップだと、多くの人が見てくれるからモノが売れやすいと思われがちですがそうでもありません。

当店にしかない、人気のあるものはすごい勢いで売れるけれど、どこにでもあるものは時間が掛かり、なかなか厳しい。

ネットショップの方が競合も多く、価格競争も激しいので、こういった極端な格差が出てしまうのだと思います。

万年筆はペン先調整をして書き味を良くしてお送りしているので、当たりはずれが結構ある万年筆を安心して買うことができるというメリットもあり、全く売れないわけではないけれど、定価販売のため売れ行きもゆっくりで我慢が必要です。

考えてみると、店を始めた時からこの我慢はいつも付きまとっていました。

値段を安くしたら売れるのではないかという我慢、他所で売れていると聞いたものを扱わない我慢など、意地になっているのではなく、直感的にそれらは店を維持するために必要な我慢だと思っていました。

それでもネット販売においても、常連さん、お得意様の存在はあって、メールのやり取りなどで温かい心の交流があることは店舗での販売と同じで、励まされることも多く、有難いことだと思っています。

革製品など、職人さんが作ってくれているものは、数に限りがあって、売り切れてしまったら次いつ入荷するか分かりませんので、ネットショップでは在庫数を設定していました。

筆記具はメーカー品なので、当店になくても取り寄せですぐにご用意することができましたので、在庫数は設定していませんでした。

しかし、コロナ禍になって、一部の輸入品の入荷が滞っていますので、なるべく当店で在庫を確保するようにして、当店にあるものは「在庫有り」の表記をして、メーカーから取り寄せるものは「お取り寄せ商品」として、すぐにお送りできるものと、メーカーから取り寄せしてご用意するものを分かるようにしました。

これによってお客様はご注文前にすぐに届くものか、待たなければいけない(メーカー取り寄せで1週間くらい目安)ものか分かり、お買い物しやすくなったと思います。

今まで流通に頼っていたけれど、それがアテにできなくなったということです。

小さい店にとって大変なことですが、モノがないと何も始まりませんので、これはと思うモノの在庫を持っています。

すごく地味なことですが、これもコロナ禍ならでは対応だと思っています。


SkyWind Exhibition vol.3 10/8(木)~22(木)と神戸の街の風景

2020-10-08 | お店からのお知らせ

朝、店が始まるまでの時間、店の周辺を歩くことがあります。

一度散歩に出たら、1時間は歩いているので、結構な距離を歩いていると思います。
そうやって歩いて、街の景色を見ている。

賑やかなJRの高架より南を歩くこともあるけれど、高架より山側の街の景色が私は好きだなと思う。

高架と山手幹線の間の当店のような個人店が点在する地域では新しくできた店や、なくなってしまった店のチェックもしている。最近は空きテナントのfor Rentの表示を見ることが多くなった。

山手幹線よりも山側は住宅地という趣に変わり、静かな、でも雰囲気のある地域になります。

三宮、元町周辺の街のカラーは、ストライプ模様のように東西方向に同じ雰囲気で伸びる。

散歩しながら街の風景を見ていると、胸が痛くなるような、心が動かされるような、平常心ではいられないような気持になります。
そんな神戸の風景は、アジアの中の街という感じがして、そこで生きる人の暮らしがより感じられるような気がしている。

根が天然で、気楽な性格なので、そんな風景を見てシリアスな気持ちになりたくて、朝歩いているのかもしれません。

神戸ではすごく話題になっている関西テレビが制作している「Diver-特殊潜入班-」というドラマがあります。

組織犯罪に潜入捜査をする特命を受けた主人公たちを描いたドラマで、社会の暗部の舞台として、神戸のアジアっぽさ、昭和っぽさがマッチしています。
ドラマ自体も面白いですが、背景がどの場所か分かることが多いので、余計に面白く観ています。

当店の近くでも知らないうちにロケしていたようでした。
ドラマの中の神戸は、場末な感じで、明るくきれいな街には描かれていないけれど、心が動く風景を持った街ではあると思うし、この街のことが誇りに思える。

SkyWind Exhibition vol.3 10/8(木)~22(木)
心が動くシーンを切り取る写真家SkyWindさんの作品展を本日から開催いたします。
写真作品のポストカード、ミツロウ引きブックカバーの定番作品、来年のカレンダー、Tシャツの受注販売もいたします。
期間中の木曜日に、SkyWindさんは在店してくれています。
どうぞ、ご来店下さい。


SkyWind Exhibition vol.3のご案内

2020-10-03 | お店からのお知らせ

引っ込み思案と天邪鬼なのとで、積極的に人脈を広げるということを一切してこなかった。
会合や名刺交換会とか、大学のOB会の類も、仕事の役に立つと言われて誘われたこともありましたが行く気になれなかった。
行っても私には何もできなかったと思うけれど。

それでも日々の仕事の中で、知り合って、長くお付き合いして下さっている方も何人もおられて、そういう人たちとの関係の中で仕事が成り立っているのは、本当に恵まれていると思います。

前職からの知り合いで、この店ができた時から関わってくれているSkyWindさんとはもう20年以上のお付き合いになり、お互いの年月の経過が恐ろしいと言い合っています。
出会った時、私は30代前半でまだ何も分かっていないザコだったと思う。
自分では覚えていなけれど、SkyWindさんにも失礼なことを言ってしまっていたようで申し訳なかった。
でも、こうして今も見捨てずに当店の役に立とうとしてくれている。

SkyWindさんの展示、販売会を10/8(木)~22(木)に開催いたします。
定番のポストカード、ブックカバー、来年のポストカードサイズとA4サイズのカレンダーなどの販売とTシャツのオーダー会もいたします。
Tシャツ?と思ったけれど、SkyWindさんが上品に着ているのを見て、SkyWindさんの作品と合っていることが分かりました。

展示期間中 10/8(木)、15(木)、22(木)は、SkyWindさんが在店しています。
どうぞ、ご来店下さい。


コーヒーサービスの停止

2020-07-14 | お店からのお知らせ

当店の秩序を守るために必要なこと以外は、客様に強くお願いするようなことはしたくないと思っていました。

 

当店に来られるお客様は皆、それぞれの信条に基づいて、それぞれが正しいと思う行動をされているように私には見える。

マスクを着けることに対して、それを強制する権限も確信も私は持っていないから、絶対に着けて下さいとは思っていなかった。

それは各人の公共性に任せたいと思っていました。

 

でも店の中でマスクを着けていない人がいた時に、不愉快に思う人の方が多いことも分かる。当店が誰でも入ることができる公開された店である以上、多くの人が不愉快だと思わないようにしないといけない。

 

コロナ後に店の来られたことのない人は今更と思う人もいるかもしれないけれど、言うまでもないことですが、入店時マスクの着用をお願いすることにしました。

 

マスクの着用をお願いする以上、店内でマスクをしている人としていない人がいることがあったらおかしいと思いますので、コーヒーサービスも当面中止いたします。コーヒー豆は引き続き販売しております。

いまさら一度再開したコーヒーサービスを中止することは、逆戻りするみたいでとても嫌だけど、自分の店が矛盾を抱えることはもっと嫌だと思いました。

 

お客様が密集することを防止するための、在店時間を1時間以内として下さいというお願いは変わらず継続しています。

こういう制限を設けなくてもいい世の中になってほしいと思いますが、きっと元には戻らないような気がします。

当店も変わらないといけないタイミングに来ているということなのだと思います。

 

 


制限付きの店舗全面営業再開

2020-05-23 | お店からのお知らせ

本日から当店も全面的に、店舗の営業を再開いたします。
ただ、以前と同じ通りというわけにはいかず、お客様一人の滞在時間を1時間以内くらいを目安とさせていただきます。

滞留されるお客様を少なくして、店内におられるお客様を増やさないようにすることが目的です。

もちろん私のペン先調整が手間取ったり、本数が多かったりして、時間がかかってしまう例外はありますが。

もともと来店客の少ない店なので、誰もお客様がおられない時間もあります。
誰もおられないよりも、誰かお客様がおられた方が賑やかな感じもするし、私たちもお客様がおられることが嬉しかった。
でもそれはよく来て下さるお客様への私たちの甘えだったのかもしれません。

お客様が当店でゆっくり書き物をしたり、他のお客様と話していると、この店が自分を取り戻す場所、コミュニケーションの場所になっているような気がして、そういうシーンを見ているのが好きでした。

でも私たちはウイルス禍を経験してしまった。
ウイルスが終息しても、そういうことが起こり得るということを私たちは知ってしまったので、3か月前のように何も気にせずにいることは、もうできないのだと思います。

もしかしたら、気にならない人もいるかもしれないし、何年かすると忘れ去られてしまうものなのかもしれないけれど、中には気になる人もいて、そういう人が安心して来ることができる店でないといけないと思います。

これからも、ペン先調整などのご予約は引き続き承っております。
それは調整や万年筆の販売が重なって、お待たせしないためにもぜひご予約していただけたらと思います。

ご不便おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。


営業再開のお知らせ(来店予約制)

2020-05-05 | お店からのお知らせ

5/7(木)よりご来店予約制で店舗の営業を再開します。

ご来店ご希望のお客様はお手数ですが、お電話(078-360-1933)が、メール(pen@p-n-m.net)にご予約下さい。同じ時間にお客様同士が重ならないようにいたします。
ご予約が可能な時間は11時〜18時です。定休日は水曜日です。
 
緊急事態宣言が発令されて、当店も5/6までと決めて店舗の営業を自粛していました。
それがささやかながらもコロナウイルスの感染者を減らす役に立つのではないかと思ったからですし、国の非常事態に店の利益を度外視した何らかの取り組みを示したいと思ったからでした。

しかし、このままの状態をいつまでも続けるわけにはいかないとも思っています。
コロナウイルスはどうやらすぐに消えて無くなるわけではなさそうですので、ウイルスを避けながら日常に戻していく取り組みもしないといけないのではないか、このままでは自分の店の採算だけでなく、日本の経済が本当に駄目になってしまうのではないかという焦りも持ち始めました。

緊急事態宣言は発令されたままですが、当店は次の段階に進みたいと思いました。

当店が営業を再開することで、日本の経済が日常を取り戻す役に立つとは思っていないけれど。
日本中のお店が今のままではいけない、ウイルスを避けながら日常を取り戻す取り組みをしようと思っていると感じます。

5/7(木)から全面的に営業再開するのではなく、次のステップとして感染を避ける取り組みとして、ご予約いただいてのご来店のみという限定的な営業の仕方にし、お客様同士が居合わせることのないようにいたします。
また、今まで通り店員、お客様のマスク着用、入口に手指の消毒液の設置を慣行いたしますので、ご来店のお客様はご協力お願いいたします。

先日、緊急事態宣言が発令されたことをふまえて営業を自粛して、感染防止に協力することについて偉そうなことを申し上げてあまり日が経っていないですが、状況は刻々と変わっているので、前に自分の言ったことに縛られるつもりはなくて、タイミングごとに判断して行動を変えてきました。
今まで営業を自粛してきましたが、やはり予定通り営業再開をするタイミングだと思いました。 


工房楔イベント中止とお送りでのペン先調整、委託販売お預かり

2020-04-07 | お店からのお知らせ

今はコロナウイルスのさらなる拡散を何よりも優先して阻止しなければいけないので、兵庫県が緊急事態宣言の対象となったからには、当店も真剣に受け止めていて、何らかの対応をしないといけないと思いました。

それ以前にも、世の中の状況はどんどん悪くなっていると肌で感じています。3月のはじめの頃は今が一番悪くて4月になると収まっているだろうと思っていましたが、甘かった。

5月2日(土)3日(日)に予定しておりました工房楔イベントは中止とさせていただきます。
イベントでお披露目予定でした新作は、当店ホームページで後日公開いたします。
楽しみにしておられたお客様も多く、申し訳ないですが、何卒よろしくお願いいたします。

 

お客様にご来店を促すようなことは言いにくく、ご来店いただかなくても変わらないサービスがご提供できますので、ご利用いただきたいと思います。

ペン先調整に関して、万年筆をお送りいただいて、調整後お送り返すということもしております。不調のある万年筆のペン先調整でしたら、お送りでのやり取りでも問題なくできると思っています。

お送りでのペン先調整のやり取りの流れです。
1.(お客様)メール(pen@p-n-m.net)に調整を依頼したいペンの種類、不調の内容などをご連絡下さい。
2.当店より金額、期間をご連絡いたします。
3.(お客様)万年筆をインクを入れたままでお送りいただく。字幅変更の方で希望の太さのお手本がございましたら、メモ書きを同封して下さい。
4.万年筆が届きましたら、お支払方法のご案内をいたします。
5.(お客様)クレジットか銀行振り込みでお代金のお支払をしてください。
6.お支払いが確認できましたら、ペン先調整し、出来上がり次第万年筆をお送りします。
※筆記中の画像をお送りいただきましたら、書き方に合わせた調整もさせていただきますので、お申し付け下さい。
新規のご購入の場合も同じです。書き方に合わせた調整も個別に承ります。


委託販売で万年筆をお預けいただく場合もお送りでも承ります。
流れは以下の通りになります。
1.委託販売をご依頼したい万年筆の種類などをメール(pen@p-n-m.net)していただく。
2.当店から回答がありましたら、万年筆をインクを洗浄してお送りいただく。
3.到着しましたら、販売金額、期間などをご連絡いたします。
4.販売して、販売期間終了後お代金をまとめてお振込みいたします。(振り込み手数料はお客様のご負担になります)
※破損のあるもの、実用上問題のあるもの、盗品などはお預かりできませんので、ご了承下さい。
委託販売に関して、ホームページにて ご説明しておりますので、ご覧ください。

ウイルスを避けながら、お客様方には楽しみをご提供したいと思っております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

 


ふみぶみvol.2

2020-03-10 | お店からのお知らせ

冊子「ふみぶみ」のvol.2が入っております。ご希望の方はお持ち帰りいただけるようにしておりますのでご来店の際お申し付け下さい。

「ふみぶみ」は、手紙を書くことが好きで手紙を書く人を増やしたいという想いから、うちだまきさんが発行している冊子です。構想をお聞きして、原稿のご依頼をいただいた時に、この店を始めた時の自分の想いと重なり、協力することができたらと思いました。

うちだまきさんは、これをお仕事でしているわけではなく、その情熱で発行している。でもその情熱にほだされて多くの人が動いて、この冊子が出来上がっています。

濃い内容なのに、vol.1の後3か月後にvol.2が出来上がり、ペースの速さにうちださんの気持ちの強さをさらに感じて、気を引き締めてついていかないと置いて行かれると思い始めています。

仕事でしているか、そうでないか関係なく、こういう気持ちの強い人たちの活動に当店は支えられていると思っています。
店主がボンヤリしていても、まわりでしっかりした人たちが盛り上げて、動きを出してくれている。

カンダミサコさん、SkyWindさん、かなじともこさん、イル・クアドリフォリオの久内さん、工房楔の永田さん、ル・ボナーの松本さん、aunの江田さんをはじめとする多くの人たちに。

今も何も変っていないけれど、何も能力を持ち合わせていない自分がその情熱だけを持って店を始めた時、お客様も取引先の方も、多くの人が協力してくれた。能力やお金がなくても情熱を持っていれば協力してくれる人が現れるということを自分自身が経験しました。

逆にお金や知識、能力があっても、情熱がなければ仕事は続いていかないのではないか。
青臭いことを書いているのかもしれないけれど、きっとそういうことは時代が移ろっても変らないことなのだと思います。

 


コロナウイルス流行に関して

2020-02-28 | お店からのお知らせ

先日ホームページに掲示して、フェイスブックなどでも告知いたしましたが、3/21(土までの店内コーヒーサービスの停止と、2/27から3週間以内のイベント、ワークショップを中止いたします。

どちらも楽しみにして下さっているお客様がおられて、辛い決断でしたがこのご時世に当店が営業していくためには仕方のないことだと決断いたしました。

自分のことだけだったら、世の中で起こってることも気にせず、何も行動を起こさなかったと思います。しかし、店は営業する以上お客様を守る義務があり、こんな状況だからこそ安心してお買い物していただけるようにしないといけないと、そして今回のウイルスの拡大防止について態度を示さないといけないと思いました。

営業中、販売員はマスクをしていますが、これは私たちが無自覚のウイルス感染者だった場合にお客様に感染させないために、アルコール除菌とともにできることかと思いました。

後になってあそこまでしなくてよかったと思える日が早くくればいいなと思っています。