元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

神戸須川バインダリーを訪ねる

2019-07-25 | 実生活

オリジナル商品は余程作る意味があって、その効果があると思われるものでないとなかなか形にしにくい。

今、大和出版印刷の川崎さんとともに進めているプロジェクトがあって、川崎さんの手配によって、そのオリジナル商品の店名ロゴの箔押しをしてくれる工場を訪ねて、作業に立ち会わせてもらいました。

今回のロゴの箔押しは、当店の世界観を表現する重要な部分だと思ってこだわっていましたので、川崎さんの計らいは嬉しかった。

神戸須川バインダリーさんは、製本の専門工場。事務室の本棚には今まで手掛けてきた革装丁した本の一部が飾られていました。
製本した本にタイトルなどを入れるために箔押しの技術を追究して、今では業界では有名な存在になったのかもません。
箔押しについて、須川真祐社長が説明して下さいました。

 

私たちが活版印刷で紙にめり込んだ文字の感じなどを良いように思いますが、それは箔押しで表現できることでした。
箔押しは、活版印刷のような失われつつある技術でも、昔懐かしいものでも何でもなく、今の技術です。
箔押しによって平面である紙の印刷物に立体感が生まれ、1つのモノとして生命が吹き込まれるような感じがしました。

丁寧に素人の私に説明してくれた須川社長が見せてくれた、過去の箔押しサンプルは、有名アパレルブランドのタグや、大ブランドのパッケージなどがありました。

世界中で知られているそれらの会社の仕事を魚崎浜にある家族経営のこの工場が、その腕を買われてしているのだと思うと、気分がよかった。箔押しでしかそれは表現することができなくて、神戸須川バインダリーさんでしかできない技術があって、皆それに期待してこの工場にたどり着くのだろう。

 

工場の中も案内していただいて、箔を重ねたり、1時間に2000枚の箔押しをすることのできる最新の箔押し機も動かして見せていただきましたが、従来のものでも1時間に1000枚の箔を押すことができる。
1分間に16枚だと考えるとそれもすごいことで、職人というのは本当にすごいと思います。

当店のオリジナル商品の箔もそうやって押されていましたし、ちょうどオリジナルダイアリーの製本もしているところでした。

 

今回工場にお邪魔させていただいたのは、商品の片隅に入れる店名ロゴについてこだわりがあったからで、それを実現するためには箔押ししかないと川崎さんが判断してくれて、実際の箔押しの色を見ながら決める必要があるということになりました。

商品にあまりはっきりと大きく店のロゴを入れたくない、薄っすらと小さく入っていればいいと考えて、それを川崎さんにお伝えしていました。

私の非常に感覚的な言い方だと実際に職人さんとやり取りしながらでないとラチが明かないと思ってくれたようでした。
いろいろ試して下さり、透明の箔をしていただくことになりました。

 

角度によってはキラッと光って,そこにロゴがあると分かる程度。とてもさりげなくて、言われたら分かる感じが気に入りました。
今まで箔押しのことを何も知りませんでした。もっと早く知っていればロゴの入れ方などいろいろこだわることができたのに勿体ない。

これからは箔押しを多用して、もっと面白いものを作っていきたいと思い、須川社長の飾らない温かい人柄に触れて、いい気分で魚崎浜の工場地帯を川崎さんの車で後にしました。

 

 


東京出張販売案内

2019-07-08 | 2019出張販売案内

神戸で営業していますが、首都圏から来られるお客様は多い。
WEBショップはさらにその比率は高くなります。

よく東京方面で当店の商品を置いている店はありますか?というお問い合わせをいただきますが、当店でしか買えないものも多くあり、申し訳ありませんと言ってきました。

当店でしか買うことができないから価値があるのだと思うけれど、その希少性も度を超すと見放されてしまいます。

首都圏のお客様にも当店の商品を見てもらえるようにしたいと思っていますし、普段当店のWEBショップを利用して下さっているお客様方のアフターサービスもしたいと思って東京での出張販売を企画しています。

自ずと東京にお持ちする商品は当店でしか買えないものが中心となります。

ウォール・エバーシャープの万年筆、システム手帳をはじめとするカンダミサコの革製品、筆文葉のシステム手帳リフィルなどです。

オリジナルインクももちろんお持ちしますし、ペン先調整も当店ならではのサービスになりますので、承れるようにしています。

他詰め込めるだけの商品は持って行きますが、何かリクエストがございましたらお申し付け下さい。

手帳などステーショナリーも趣味の遊び道具だと思っています。機能性よりも持っていて楽しいものを扱っていたい。
コンチネンタルペンシースもコンチネンタルミニ5穴システム手帳も革を必要以上に厚くしました。機能的には意味はないけれど、その方が持っていて嬉しい。コンチネンタルペンシースには、ウォール・エバーシャープシグネチャーがピッタリ入ります。

 

アルランゴートヌバックはカンダミサコさんが2019年限定で使用していく革です。
傷に強い丈夫な革ですが、それよりも手触りの良さ、洗練された感じの革目が特長だと思います。スマートな革製品ができました。
バイブルサイズシステム手帳、ミニ5穴システム手帳、ペンシース、ミニペンシースを作りました。こちらも東京にもお持ちいたします。

 


東京出張販売案内 7月18日(木)〜20日(土)

2019-07-02 | 2019出張販売案内

コンチネンタルミニ5穴システム手帳

 

 

アルランゴートヌバックシステム手帳

10数年続けてきた経験からゴールデンウィーク明けから夏の間を当店の閑散期として、出張販売の予定を入れる期間としています。

それは農閑期の農家の人が都会に出稼ぎに行く感覚に近いのかもしれません。

神戸でじっとお客様を待っていても仕方ない。神戸の街と一緒に寂れていきたくないと思い始めたのが出張販売を始めたきっかけでした。

地方都市の中ではマシな方だと言われているけれど、神戸も寂れたと思っています。

インバウンドの流れに乗り損なったことも理由のひとつかもしれないけれど、神戸の街に人が来てもらえるように、自治体も各商店も努力する必要があると思います。

当店も努力して、神戸の活性化に貢献したいと思う反面、一緒に沈みたくないと一線を画すつもりでもあります。

日本でモノを販売して生きていくのに東京は無視できない場所だとずっと前から分かってはいました。

現在品切れしているコンチネンタルミニ5穴システム手帳、アルランゴートヌバックシステム手帳など、東京用に確保しています。

今年の東京の出張販売がもうすぐです。

7月18日(木)14時〜20時、19日(金)12時〜20時、20日(土)12時〜20時

ギャラリー懐美館 東京都渋谷区恵美須西1-31-14グリーンマンション1F(代官山駅徒歩5分)

ペン先調整、時間ご予約も承ります。メール( pen@p-n-m.net)か電話(078-360-1933)にご連絡ください。